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更新日:2025/09/30
公開日:2025/09/30

近年、日本におけるHIV感染者数・AIDS患者数の増加が深刻な問題となっています。厚生労働省のエイズ動向委員会は2025年9月26日、2024年の1年間に新たにエイズウイルス(HIV)の感染が判明した人が、前年比34人増の994人(確定値)となり、2年連続で増加したと発表しました。
特に注目すべきは、新規報告の約3割が「エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症してから初めてHIV感染に気付いたケース」であった点です。つまり、HIVに感染していることを知らないまま病状が進行し、AIDSを発症してからようやく診断される患者が依然として多いことを示しています。HIV/AIDSは決して他人事ではなく、誰もが正しい知識を持ち対策すべき感染症です。
実は先進諸国の中で、HIV感染者・AIDS患者が増え続けている国は日本だけだという指摘があります。1990年代に欧米諸国で抗HIV薬(多剤併用療法、いわゆるカクテル療法)が普及して以降、欧米ではAIDSの発症や死亡者数が大幅に減少し、新規患者報告数も一時期に比べ激減しました。その後、一部では人々の警戒感が薄れHIV感染が再び課題となる局面もありましたが、それでも定期的な検査と早期治療の徹底によりAIDS発症例は抑え込まれているのが欧米の現状です。
これに対し日本では、HIV感染を早期に発見し適切に治療開始できていないためにAIDS患者数の減少が起きておらず、先進国で日本だけがAIDS患者が増加し続けていると指摘されてきました。実際、日本の新規HIV感染者・AIDS患者報告数は2006年以降年間1,000~1,500件前後で横ばい状態が続いていました。例えば2017年には新規HIV感染者976人、新規AIDS患者413人、合計約1,389人(1日あたり約4人)の新規報告があり、そのうち毎日1人以上が「いきなりエイズ」すなわち検査で初めてAIDS発症を告げられるケースでした。
これは裏を返せば「少なくとも10年以上前に感染したのに誰にも気付かれず過ごしていた人」がそれだけ多いということです。このように日本では長らく新規報告数が高止まりし、AIDS発症例(=手遅れ診断例)の割合が約30%前後で推移してきました。一方、諸外国の状況を見ると、HIV感染者数は総じて減少傾向にあります。
例えばアメリカでは2018年から2022年にかけて新規HIV感染者数が約12%減少しました。若年層(13~24歳)の感染が30%も減ったことが大きな要因で、背景にはPrEP(暴露前予防内服)と呼ばれる予防薬の普及、HIV陽性者のウイルス抑制治療の徹底、そして積極的な検査キャンペーンの効果があると分析されています。また、世界全体で見ても新規HIV感染者数は2010年以降約39%減少しており、多くの国で着実にHIV流行を抑え込む努力が成果を上げています。
日本の近隣国の状況も参考になります。韓国では2024年の新規HIV感染者数が975人と報告され、前年(1005人)より約3%減少しました。韓国政府は「2030年までに新規感染者を半減させる」という目標を掲げ、PrEPの公的支援や検査体制の拡充、感染者への治療継続支援など様々な政策を進めています。
実際、韓国でも日本と同様に新規感染者の約9割が男性で、そのうち約64%が同性間性交による感染ですが、若者への教育強化やリスク行動への啓発に力を入れ、ここ数年はわずかながら新規感染報告を減少に転じさせています。以上のように、日本以外の主要国・地域では総じてHIV/AIDS対策が奏功し、新規感染者の抑制や減少傾向が見られるのです。
参照元: kango-roo.com、 bunshun.jp、 hiv.gov、 japanese.joins.com

それでは、なぜ日本ではHIV/AIDSが減らず、むしろ増加に転じてしまったのか?背景にはいくつかの要因が指摘されていますが、特に重要なのが性教育と啓発の不足です。日本では学校教育や社会における性教育が必ずしも十分ではなく、若い世代へのHIV/エイズ予防知識の浸透が不十分だと考えられます。
過去には性教育の内容を巡って議論が起こり、現場で踏み込んだ指導がしにくい状況もありました。その結果、「避妊や性感染症予防について正しい知識を持たないまま成人する若者」が少なくありません。HIV感染を防ぐ上で最も必要なのは教育であり、予防教育の重要性が増していると専門家も強調しています。しかし現状では、日本の若年層の多くがHIV/AIDSの正確な知識や怖さを十分に知らないままリスク行動に及んでしまっている可能性があります。
しかしHIVは決して特定の層だけの病気ではありません。確かに日本では感染経路の約7割が男性間の性的接触ですが、異性間の性的接触による感染も15%前後報告されています。つまり異性間の性交渉であっても安全とは言えず、誰もが感染しうるのです。「自分は大丈夫」という思い込みをなくし、万人に向けた正しい性教育・啓発が必要です。
また、厚生労働省など公的機関の周知・啓発活動が十分とは言えない点も課題です。もちろん厚労省も毎年12月1日の世界エイズデーに合わせた啓発イベントや、毎年6月ごろの「HIV検査普及週間」で無料・匿名検査の呼びかけを行っています。しかし、その情報が一般の方々、とりわけ若い世代に行き渡っているかというと疑問が残ります。
実際、日本ではHIV検査の実施件数が頭打ち状態で、検査体制も不十分だと指摘されています。保健所で無料・匿名で受けられる検査があるにもかかわらず、「自分には関係ない」「行くのが恥ずかしい」といった理由で検査を受けない人が多いのです。その結果、検査を受けないままAIDSを発症してしまう人が新規報告の3割にも上るとされています。
欧米のようにHIV陽性者を早期発見・治療して患者数を激減させることが、日本ではできていません。厚労省のエイズ動向委員会も「無症状のHIV感染者が十分に診断されていない可能性」に言及し、検査機会の拡充や受診しやすい環境整備の必要性を訴えています。これは裏を返せば、現状の啓発や検査提供がまだ不十分であることを示しています。私も医師の立場から、行政と医療現場、市民が一体となって「HIV検査の重要性」をもっと社会に広める必要性を痛感しています。
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HIV/AIDSにおいて最も強調したいメッセージは、「早期発見・早期治療ができればAIDSを発症させず天寿を全うできる」ということです。現在の医療では、HIV感染そのものを完全に治す(体内からウイルスを排除する)治療法はまだ存在しません。しかし、抗HIV薬を適切に服用することで体内のウイルス増殖を抑え、AIDS発症を防ぐことが可能です。
治療を受けず放置すると、HIVは数年~10年以上の無症状期間を経て免疫力を徐々に破壊し、やがて日和見感染症など様々な病気を引き起こします。これがAIDS発症の状態ですが、HIVに感染しても持続的に治療を続ければ発病(AIDSへの進行)を防ぐことができるのです。実際、抗HIV薬でウイルス量を「検出できないレベル」にまで抑え込めれば、他者への感染性もゼロに等しくなることが科学的に証明されています。
つまりHIVは、早期に発見して薬をきちんと飲み続けさえすれば、もはや命を脅かす疾患ではなくなりつつあるのです。私がHIV/AIDSの早期発見を訴えるのはこのためであり、「知らないまま」進行させてAIDSを発症させてしまうことだけは避けなければなりません。読者の皆さんの中にも「もし自分がHIVに感染していたら…」と不安に思う方がいるかもしれません。
症状だけではHIV感染は分かりませんし、感染後何年も無症状で経過することも珍しくありません。だからこそ不安に感じたら迷わず検査を受けてみることを強くお勧めします。日本全国の保健所や一部の医療機関では、無料かつ匿名でHIV検査を受けることができます。
結果も通常1週間程度でわかりますし、最近では即日検査や郵送検査キットなども普及しつつあります。検査で陰性と分かれば安心できますし、万一陽性であっても早く治療につなげることで先述のように通常と変わらない生活を維持できます。怖れて先延ばしにするリスクに比べれば、検査を受けるメリットは計り知れません。
参照元: api-net.jfap.or.jp

さらに、「もしかして昨日の行為でHIVに感染したかも知れない…」といった感染の不安がある直後の段階であれば、実は感染そのものを未然に防げます。医療現場ではPEP(Post-Exposure Prophylaxis=暴露後予防内服)と呼ばれる方法ですが、HIVに感染した可能性のある出来事(性行為や針刺し事故など)の後、できるだけ早く(遅くとも72時間以内)に抗HIV薬の服用を開始し、4週間(28日間)継続することで体内でのウイルス感染成立を阻止することができるのです。
簡単に言えば、「ウイルスが体内で増え始める前に薬で叩いてしまう」イメージです。PEPはもともと医療従事者が誤ってHIV陽性者の血液に触れてしまったような事故(針刺し事故)の際に感染予防として用いられてきましたが、近年ではコンドームなしの性行為による感染不安時にも利用されるようになっています。適切にPEPを実施すれば、HIV感染リスクをほぼ0%にまで下げられるとの報告もあり、緊急時の切り札となり得る方法です。
ただし、PEPには時間との勝負という大前提があります。暴露(リスクのある行為)から72時間を超えてしまうと効果は急激に低下します。また4週間毎日きちんと薬を飲み続ける必要があり、医師の診察と処方が不可欠です。
日本ではまだ一般にはあまり知られていませんが、HIV専門外来や性感染症クリニックの中にはPEPを提供している施設もあります。万一、思い当たるリスク行為があって不安な場合は、できるだけ早くそのような医療機関に相談してください。適切なタイミングでPEPを開始できれば、「後から悔やむ」事態を防げる可能性があります。
なお、PEPと対になる概念としてPrEP(Pre-Exposure Prophylaxis=暴露前予防内服)もあります。こちらはHIVに感染していない人が事前に抗HIV薬を連日服用することで、将来の感染リスクを下げる手法です。特に感染リスクの高い方(例えばHIV陽性のパートナーがいる場合や、不特定多数との性交渉がある場合など)には有効な予防策で、欧米では広く使われています。日本でも承認された薬剤があり、一部のクリニックで処方されています(自費診療)。
まとめ
日本におけるHIV/AIDSの増加傾向は、決して放置できない深刻な課題です。他の先進国が新規感染を減らしている中で、日本だけが取り残されている状況には、性教育や啓発の遅れという社会的要因が大きく影響しています。しかし今からでも遅くありません。私たち一人ひとりが正しい知識を身につけ、行動を変えていくことで状況は必ず改善できると信じています。
まず、安全な性行動の徹底が基本です。不特定の相手との性交渉ではコンドームを正しく使用し、避妊だけでなく性感染症予防の観点でも自分と相手を守りましょう。また、性交渉の相手が限られている場合でも、お互いに検査を受けてステータスを確認し合うことは大切です。
現在の日本では梅毒など他の性感染症も急増しています。HIVに限らず性病全般に対する意識を高め、「自分は大丈夫」と油断しないことが重要です。そして繰り返しになりますが、不安を感じたら早めにHIV検査を受ける習慣を持ちましょう。
検査で陽性と判明した場合でも、前向きに治療を受けてください。適切な治療さえ受ければHIV感染者の寿命は健常者と変わらない水準に延びています。逆に、知らないまま放置すると大切な人生を縮めてしまう危険があります。検査や治療への不安や迷いがある方は、専門の医療機関でぜひ相談してください。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。テストステロンブースターサプリ「TB-1」の開発者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。
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