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投稿日:2024/06/17
(最終更新日:2024/06/21)

【ちんこの皮が切れる理由】硬化性苔癬かも?ガンになる危険性

硬化性萎縮性苔癬

ペニス(ちんこ)の皮が知らない間に切れていたり、治ってもまた切れてしまったりするという悩みを抱えている方は、もしかすると硬化性苔癬という病気が原因かもしれません。硬化性苔癬は一般にはあまり知られていない病気ですが、放置していると次第に包皮が硬化し、完全に包皮がむけなくなる状態に陥ることがあります。その結果、真性包茎を引き起こすだけでなく、最悪の場合、陰茎がん(ペニスの癌)に進展するリスクも存在します。このブログ記事では、男性のペニス(ちんこ)においてしばしば深刻な問題を引き起こす硬化性苔癬(硬化性萎縮性苔癬)について、その症状や原因、治療法、そして予防策について詳しく解説します。

男性における硬化性苔癬とは

硬化性苔癬は、硬化性萎縮性苔癬とも呼ばれる炎症性皮膚疾患です。男性においては、主に亀頭や包皮の部位に発生し、通常包包茎手術を受けていない男性にのみ出現します。肛門周囲や性器以外の部位に硬化性苔癬が出現することも稀にありますが、男性の場合、そうした症例はほとんど報告されていません。この疾患の初期症状は自覚されないことが多く、気づかないまま進行することがあります。具体的な症状としては、包皮に亀裂が入ったり、皮膚がカサカサしたりすることが挙げられます。さらに進行すると、包皮の弾力が失われ、硬化が進み、むけなくなることもあります。

硬化性苔癬になりやすい男性とは

硬化性苔癬は専門家以外にはあまり認知されていない皮膚疾患であり、そのため報告されている有病率は実際よりも低く見積もられている可能性があります。しかし、包皮に炎症が生じる場合、この疾患はそれほど珍しいものではありません。
男性の陰茎に発生する硬化性苔癬は、どの年齢層でも発症する可能性がありますが、特に小児期や40~50歳代での発生が多いとされています。真性包茎のために包皮を手術で切除した場合、その包皮を病理学的に検査すると、14~95%の割合で硬化性苔癬が認められるという報告もあります。
陰茎の硬化性苔癬になりやすい男性にはいくつかの特徴があります。まず、包茎手術を受けていない男性がそのリスクを抱えやすいです。また、肥満体型の男性も発症リスクが高いとされています。さらに、尿道下裂などの解剖学的異常がある人や、性器にピアスをしている人もリスクファクターとして挙げられます。

出典元:
Lichen sclerosus in men

男性の硬化性苔癬のメカニズム

硬化性苔癬の発生メカニズムについては、まだ完全には解明されていません。しかし、包茎状態において内板側の皮膚に尿や垢が溜まり、これが亀頭や包皮に長期的な刺激や炎症を引き起こすことが一因と考えられています。そのため、米国やユダヤ教徒の男性のように出生時に包茎手術を受けている地域では、この疾患は非常に稀です。
硬化性苔癬は性感染症ではないため、患者の性的パートナーに移ることはありません。しかし、この疾患は陰茎上皮内新形成(陰茎がんの前癌状態)や陰茎がんの発生と関係があるとされています。さらに、がんの発生要因とされるヒトパピローマウイルス(HPV)との関連についても研究が進められていますが、現在のところ硬化性苔癬が自己免疫疾患であることや感染症であることを示す確固たる証拠はありません。

男性における硬化性苔癬の自覚症状

硬化性苔癬は時に無症状のこともありますが、いくつかの明確な症状を伴うことが多いです。特に排尿時や性行為時(性交痛)に痛みを感じることがあります。以下に具体的な症状を挙げます。
・陰茎の包皮や亀頭のかゆみ、灼熱感、痛み
・包皮の出血、裂傷、亀裂、断裂
・包皮や亀頭の水疱形成
・排尿障害
・包皮や亀頭の癒着および瘢痕形成
・包皮の締め付けによる勃起時の痛み
・排尿後の尿漏れや尿線の散乱
・尿路感染症の合併リスクの増加
・カンジダ感染のリスク増大

硬化性萎縮性苔癬

↑硬化性苔癬では包皮の炎症が続くことで、包皮の亀裂、かさつき等さまざまな症状が生じる

硬化性苔癬の進行と男性への影響

硬化性苔癬は進行すると、ペニス全体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。具体的には、内板側包皮、冠状溝、小帯、亀頭、尿道口にまで炎症が広がることがあります。以下に主な徴候を示します。
・苔癬様炎症(皮膚のかさつき)
・亀頭包皮炎のような症状
・包皮の締め付け(カントン包茎状態)
・カンジダ感染の併発
・冠状溝の消失または鈍化
・亀頭下や亀頭の癒着
・小帯の短縮や欠失(ペニスの裏筋)
・包皮の退色および皮膚の蝋状の白色化
・包皮の色素沈着または黒色化
・包皮の瘢痕化
・包皮の毛細血管拡張および紅斑
・包皮に水疱やびらんの発生
・尿道の狭窄
・尿道下裂の発生
これらの症状は進行するにつれて深刻化し、生活の質を大きく損なう可能性があります。早期発見と適切な治療が重要です。

男性における硬化性苔癬の合併症について

硬化性苔癬の最も一般的な合併症は、性交痛や自覚症状の進行です。これに加えて、以下のような合併症が発生することがあります。
■包皮がむけなくなる
繰り返される炎症により皮膚が硬化し、包皮輪(亀頭を覆う先端部分)が狭くなり、包皮がスムーズにスライドしなくなります。進行すると、カントン包茎(包皮が亀頭の下で締め付けられる状態)や真性包茎(亀頭が全く出せなくなる状態)を引き起こします。
■陰茎リンパ浮腫および蜂巣炎
慢性的な炎症により、陰茎にリンパ浮腫や蜂巣炎が発生することがあります。
■尿道疾患
慢性炎症が亀頭や尿道に及ぶと、尿道の狭窄が起こり、尿線の軌道が変化したり、排尿が困難になります。これが進行すると、完全に排尿ができなくなることもあります。
■腎不全
排尿困難が持続し、尿閉(自力で尿が出せない状態)になると、さらに放置した場合、腎不全に進行する可能性があります。
■陰茎がんおよび陰茎上皮内新生物の発生
硬化性苔癬が正確かつ早期に診断されず、適切な治療が行われない場合、持続する炎症が原因でがんのリスクが高まります。陰茎がんの3分の1から2分の1が硬化性苔癬と関連しており、その発生率は最大12.5%に達するとされています。

硬化性苔癬による尿道狭窄

↑硬化性苔癬による尿道狭窄、冠状溝の鈍化、包皮の退色

男性の硬化性苔癬の診断方法

男性における硬化性苔癬の診断は、主に包皮の状態と臨床的な主要症状(例えば、性交痛や排尿後の尿漏れ)を基に行われます。以下に、診断方法の詳細を解説します。
■診断方法
硬化性苔癬の診断は、まず視診と症状の評価から始まります。具体的には、包皮の外観や変化、患者の訴える症状を詳しく観察します。性交時の痛みや排尿後の尿漏れなどが典型的な症状として挙げられます。
皮膚生検が行われることもありますが、組織学的に非特異的であるため、生検が必ずしも診断に有用であるとは限りません。硬化性苔癬は比較的一般に知られていないため、生検結果がカンジダなどによる亀頭包皮炎と誤診されることもあります。しかし、生検は扁平苔癬や陰茎がんなどの鑑別診断には役立つ場合があります。
■診断基準
日本皮膚科学会の「硬化性萎縮性苔癬 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン」による診断基準は以下の通りです。
境界明瞭な萎縮を伴う白色硬化性局面がある。
病理組織学的に、過角化、表皮の萎縮、液状変性、真皮内の浮腫、リンパ球浸潤、膠原線維の硝子様均質化(透明帯)などの所見が見られる。
上記の1と2を満たす場合、硬化性萎縮性苔癬と診断されます。ただし、限局性強皮症、慢性湿疹、尋常性白斑、扁平苔蘚などの他の疾患を除外する必要があります。

出典元:
硬化性萎縮性苔癬 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン

男性における硬化性苔癬の予防方法と一般的な対策

硬化性苔癬を予防するためには、いくつかの対策が効果的です。以下に、具体的な方法を紹介します。
■包皮・亀頭を清潔に保つ
シャワーや入浴時に包皮と亀頭を丁寧に洗い、常に清潔に保つよう心がけましょう。特に排尿後は、包皮内に尿が溜まらないよう注意が必要です。
■禁煙
喫煙は末梢循環を悪化させ、慢性炎症を引き起こし、硬化性苔癬を悪化させる要因となります。そのため、禁煙することが重要です。
■ダイエット
肥満は硬化性苔癬を悪化させる一因です。理想的なBMIの達成と維持を目指して、バランスの取れた食事と定期的な運動を取り入れましょう。
■包茎手術
硬化性苔癬は、包茎(仮性包茎を含む)がある男性にしか発生しないとされている疾患です。予防的に包皮手術を受けることが硬化性苔癬の発生を防ぐ最も効果的な対策となります。特に肥満がある男性は、硬化性苔癬が発生しやすいので、包茎手術を推奨します。

男性の硬化性苔癬の治療方法

硬化性苔癬(硬化性萎縮性苔癬)の治療の目的は、症状を和らげ、瘢痕化や悪性化を防ぎ、性機能と排尿機能を維持することにあります。以下に、具体的な治療方法を紹介します。
■包茎手術
包皮が硬くなるなどの症状がすでに見られる場合、進行する可能性が非常に高いため、包茎手術が最も推奨されます。包皮を除去することで、炎症は治まり、症状が改善します。
■軟膏療法
手術以外の第一選択治療として、超強力なステロイド外用薬の使用が推奨されます。具体的には、0.05%プロピオン酸クロベタゾール軟膏を指先1本分、1日2回、1ヶ月間、または1日1回、1~3ヶ月間患部に塗布します。この治療法は、症状の軽減と進行の抑制に効果的です。
しかし、超強力なステロイド外用薬で効果が得られない場合や、早期に再発が見られる場合は、包茎手術が必要となります。このような場合、手術を行うことで、より確実に症状を改善し、再発を防ぐことができます。

 

まとめ

この記事では、ペニス(ちんこ)の皮が切れる原因として、硬化性苔癬(硬化性萎縮性苔癬)について詳しく紹介しました。硬化性苔癬は一般にはあまり知られていない病気ですが、筆者は年間1000件以上の包茎手術を行う中で、頻繁にこの疾患に遭遇しています。硬化性苔癬に対しては、筆者は早期の包茎手術を強くおすすめします。その理由は、一時的に塗り薬などで症状が改善しても、再発しやすく、繰り返すうちに陰茎がんのリスクが高まるためです。包茎手術は、症状を根本的に治療し、再発を防ぐ唯一の確実な方法です。
硬化性苔癬の早期発見と適切な治療が重要であり、これにより生活の質を向上させ、長期的な健康リスクを減少させることができます。この記事が、読者の皆様にとって硬化性苔癬の理解を深め、適切な対応を取るための一助となれば幸いです

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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