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投稿日:2024/07/01
(最終更新日:2024/07/01)

【尖圭コンジローマの治療と予防方法】HPVワクチンの有効性

HPVワクチンを受ける元神賢太

日本国内では尖圭コンジローマの発症が増加傾向にあります。この疾患は見た目の不快感だけでなく、放置するとイボの数が増加し、さらなる合併症を引き起こす可能性があります。また、感染力が高く、パートナーへの感染リスクも大きいため、早期の治療と予防が重要です。

この記事では、最新の医学的知見に基づき、尖圭コンジローマの効果的な治療方法と予防策について詳しく解説します。さらに、近年注目されているHPVワクチンの有効性についても触れ、皆様に正確で信頼性のある情報を提供いたします。

HPVワクチンは、尖圭コンジローマだけでなく、男性なら咽頭がんなどの他のHPV関連疾患の予防にも効果があるとされています。この記事を通じて、HPVワクチンの重要性とその役割についても理解を深めていただければ幸いです。

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは、性器や会陰(肛門と性器の間)、肛門周囲などの陰部にイボができる性感染症(STD)です。この疾患は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。HPVには200種類以上の型がありますが、特に尖圭コンジローマの原因となるのはHPV6型と11型です。これらの型は主に性行為を通じて感染し、初期段階では小さくて目立たないイボが形成されますが、放置すると数が増えたり、サイズが大きくなったりすることがあります。

尖圭コンジローマのイボは乳頭状、鶏冠状、花キャベツ状などの特徴的な形をしており、時には複数が集まって大きな病変を形成することもあります。感染後、数週間から数ヶ月の潜伏期間を経て症状が現れるため、感染に気付かないまま放置されるケースも少なくありません。また、HPV感染は一度治癒してもウイルスが体内に残り再発することがあるため、継続的な注意が必要です。

尖圭コンジローマ

↑尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマの発症と治療に影響を与える重要な要因

尖圭コンジローマの発症後、増加や増大、さらには治療後の再発が見られることがありますが、一方で自然治癒するケースも存在します。このように病状の経過が個々で異なる理由は完全には解明されていません。しかし、健康状態や生活習慣が大きく影響するとされています。以下に、尖圭コンジローマの治癒や再発に影響を与える要因を詳しく説明します。

■ペニスの包皮の状態

尖圭コンジローマは性器の皮膚の傷にできやすく、包茎や包皮の炎症がある場合、その発生リスクが高まります。性行為時の摩擦によって包皮が傷つくと、ウイルスの侵入が容易になり、治癒も遅れることが多いです。さらに、衛生状態が悪く、包皮内が常に湿った環境にあると、ウイルスの増殖が促進されるため、症状が悪化しやすくなります。

■免疫系の健康状態

免疫系が強ければ尖圭コンジローマの治癒が促進される可能性がありますが、糖尿病やヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの疾患、または免疫抑制剤の使用により免疫力が低下している場合、治癒が遅れることがあります。免疫力の低下は、ウイルスに対する体の防御機能が弱まるため、再発のリスクも高まります。

■年齢

高齢者は若年者と比較して尖圭コンジローマが持続しやすく、再発のリスクも高まります。免疫力の低下や体力の減少がその主な理由と考えられ、治療の効果も若年者より低くなる傾向があります。

■喫煙

喫煙は尖圭コンジローマの再発リスクを高める要因の一つです。喫煙者は非喫煙者と比べて、疣贅(いぼ)が再発しやすいとされています。これは、喫煙が免疫系に悪影響を及ぼし、体内のウイルス排除能力を低下させるためです。

■その他の生活習慣
過度のアルコール摂取や薬物使用は、体内でウイルスを除去する能力に悪影響を及ぼします。これらの習慣は免疫系を弱体化させ、尖圭コンジローマの治療効果を減少させます。一方で、栄養価の高い食事、十分な睡眠、定期的な運動、ストレス管理などの健康的な生活習慣を維持することは、体がウイルスと闘う力を高めます。

出典元:

When Do Genital Warts Go Away?

効果的な尖圭コンジローマ治療法と最適な選択肢

尖圭コンジローマの治療には、様々な方法がありますが、どの治療法が最適かは症例ごとに異なります。尖圭コンジローマは無治療でも自然治癒することがありますが、急速に増加・増大する場合もあるため、無治療で放置するのはリスクが高すぎます。専門の医師による適切な治療が必要です。以下に、主要な治療法とその特徴を詳しく解説します。

■外用薬:イミキモド(ベセルナクリーム)

イミキモド(ベセルナクリーム)は保険診療で処方される外用薬で、免疫応答を刺激し、イボを縮小させる作用があります。しかし、一部の患者では包皮がただれ、炎症が遷延することがあり、結果的に尖圭コンジローマを悪化させる可能性があります。そのため、筆者はこの治療法を推奨していません。

■凍結療法:液体窒素

液体窒素を用いてイボを凍結させて除去する方法です。この方法は保険診療で認められているため、経済的には負担が少ないですが、ほとんどの場合、一度の治療で完全に除去できず、複数回の治療が必要です。その間にイボが再発するリスクも高いため、あまりお勧めできない治療法です

■レーザー治療:炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーを使用してイボを焼灼する方法です。液体窒素による治療とは異なり、1回の治療で全てのイボを除去できる点が大きなメリットです。筆者もこの方法を推奨しています。ただし、再発の可能性があるため、治療後の経過観察が重要です。最低でも治療後3か月間は再発の有無を確認する必要があります。

■外科切除:包皮切除

包茎手術を受けていない場合、包皮が亀頭に被りやすく、この環境が尖圭コンジローマの悪化を助長します。包皮切除を行うことで、イボの除去と再発予防が期待できます。特に他の治療で再発した場合には、包皮切除による外科治療が強く推奨されます。

尖圭コンジローマ治療中および治療後の最適なケア方法

尖圭コンジローマの治療中および治療後のケアは、症状の悪化や再発を防ぐために非常に重要です。以下に、具体的なケア方法を詳しく説明します。

■清潔と乾燥の維持

患部は常に清潔に保ち、乾燥させることが大切です。シャワーや入浴後は、タオルで強く拭くのではなく、自然乾燥させることをおすすめします。これは、タオルによる摩擦で患部を刺激するリスクを避けるためです。

■患部を掻かない

治療中の患部を掻くことは避けましょう。掻くことで、イボが広がったり、感染症を引き起こす可能性があります。痒みが強い場合は、医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。

■適切な下着の選択

通気性の良いコットン素材の下着を着用し、湿気を防ぐことが大切です。

■手の清潔

イボがある(あった)場所を触った後は、必ず手を洗いましょう。これは、ウイルスの拡散を防ぐための基本的な衛生対策です。

■性交渉の制限

治療が完了するまで、性交渉は控えるようにしてください。治療後も、不快感がある場合は、性交渉を避けることが望ましいです。これは、自身とパートナー双方の健康を守るためです。

■定期的な検診

治療後も定期的に医師の診察を受け、再発の有無を確認することが重要です。

効果的な尖圭コンジローマとHPV感染予防策

尖圭コンジローマとHPV感染のリスクを大幅に減少させるためには、以下の予防策を講じることが非常に有効です。これらの対策は、日常生活に取り入れることで、感染のリスクを効果的に低減することが可能です。

■コンドーム・デンタルダムの使用

性行為中にコンドームを使用することで、HPV感染のリスクをある程度減少させることができます。ただし、コンドームは完全な予防策ではなく、感染リスクを完全に排除するわけではありませんが、使用することで感染の可能性を大幅に低減できます。また、クンニリングス時の性感染症予防にはデンタルダムという商品もあります。これは男性の口腔内へのHPV感染予防になります。

デンタルダム

↑デンタルダム

■HPVワクチンの接種

HPVワクチンは、HPV6型および11型を含む複数の型に対して高い予防効果があります。これにより、尖圭コンジローマの発生を防ぐことができます。ワクチン接種は、特に若年層において効果的であり、女性は性行為を開始する前に接種することで予防効果が最大化されます。現在では、男性に対する接種も推奨されており、より広範な予防効果が期待されています。

■包茎手術の実施

包皮の慢性炎症が尖圭コンジローマの発症に大きく関与すると考えられています。包茎手術を受けることで、包皮の慢性炎症を防ぎ、尖圭コンジローマのリスクを減少させることができます。複数の研究で、包茎手術が尖圭コンジローマの発症を予防する効果が確認されています。この手術は衛生状態の改善にも寄与し、他の性病の予防にも効果的です。

■ピンポン感染の予防

尖圭コンジローマを発症した男性が治療・治癒しても、無治療のパートナーから再感染する可能性があります。これをピンポン感染と呼びます。ピンポン感染を防ぐためには、尖圭コンジローマを治療する際、パートナーも同時に検査・治療を受けることが重要です。パートナーが無症状でも、ウイルスを保有している可能性があるため、適切な対策を講じることが再発防止に繋がります。

HPVワクチンの詳細

ガーダシルの写真

現在、日本国内では2種類のHPVワクチンが使用されています。それはガーダシルとシルガード9です。特に、男性の使用として認可されているのはガーダシルです。ガーダシルは尖圭コンジローマの90%以上を引き起こすHPV-6型とHPV-11型を予防するワクチンです。また、陰茎がんや咽頭がん、肛門がんを引き起こすリスクがあるHPV-16型とHPV-18型の感染予防にも効果があります。

ガーダシルは安全で効果的なワクチンであり、通常は上腕の筋肉に注射されます。15歳以上の接種では、初回接種後に2か月後と6か月後の合計3回の接種が推奨されています。このワクチンは、HPV感染症を予防するために役立ちますが、既に感染しているHPVや尖圭コンジローマの治療には使用されません。

HPVワクチンの効果は非常に高く、HPV関連疾患の発生を大幅に減少させることが確認されています。

HPVワクチンは国際的にも高く評価されており、多くの国で広く接種が推奨されています。安全性に関しても、多くの臨床試験と実際の使用データから、非常に安全であることが示されています。副反応としては、注射部位の痛みや軽度の発熱などが一般的ですが、これらは通常軽度で一過性のものです。

総じて、HPVワクチンは尖圭コンジローマをはじめとするHPV関連疾患の予防において極めて有効であり、特に若年層への接種が推奨されますが、複数のパートナーとの性行為の頻度が高い場合は、年齢を問わず摂取すべきです。ワクチン接種を通じて、安全な性生活を送るための一歩を踏み出しましょう。

ガーダシル接種間隔

↑ガーダシルの理想的な接種間隔

HPVと尖圭コンジローマのよくあるご質問

Q:治療を受けるべきか?

A:尖圭コンジローマは、体の免疫機能により自然治癒することがあるものの、短期間で増大・増加するリスクが非常に高いため、基本的には見つけ次第治療を受けることをおすすめします。早期に治療を開始することで、完治までの期間を短縮し、再発のリスクも低減することができます。増大・増加後に治療を行った場合は、それだけ完治するまでの期間が長くなり、症状も重くなる可能性があります。

Q:イボコロリを尖圭コンジローマに塗ってもいいですか?

A:尖圭コンジローマに「イボころり」などの市販の疣贅治療薬や家庭用の疣贅治療薬は絶対に使用しないでください。これらの薬剤は性器に使用するためのものではなく、有害な副作用が発生する可能性があります。尖圭コンジローマの治療には、医師の指示に従い、適切な処置を受けることが必要です。市販薬での自己治療は避け、専門の医師に相談することが重要です。

Q:尖圭コンジローマは再発することがありますか?

A:はい、尖圭コンジローマは再発することがあります。ヒトパピローマウイルス(HPV)は体内に残存することがあり、免疫力が低下した際に再び症状が現れることがあります。治療後も定期的な検診を受け、再発を早期に発見し対処することが推奨されます。

Q:HPVワクチンを接種するタイミングはいつが最適ですか?

A:HPVワクチンは、性行為を開始する前の若年層に接種することが最も効果的です。通常、11歳から12歳の間に接種が推奨されますが、未接種の場合はそれ以降の年齢でも接種を受けることが有効です。ワクチン接種により、HPV感染およびそれに関連する疾患の予防が期待されます。

HPVワクチンを受けた筆者

↑HPVワクチンを受けた筆者

まとめ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる感染症であり、短期間で増殖・増大することがあるため、早期の発見と治療が重要です。見つけ次第、医療機関にて適切な治療を受けることを強く推奨します。

また、尖圭コンジローマの発生率が増加している現状を考えると、年齢に関係なくHPVワクチンを接種することが非常に有効です。HPVワクチンを接種することで、自身の健康を守るだけでなく、パートナーの癌リスクをも低減させることができます。

このブログを通じて、読者の皆様が尖圭コンジローマに関する知識を深め、HPVワクチン接種の重要性を理解し、実際に接種を検討するきっかけとなれば幸いです。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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