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投稿日:2024/06/29
(最終更新日:2024/06/29)

フェラで噛むの禁止!陰茎の傷で死ぬことも!フルニエ壊疽の解説

フルニエ壊疽

ペニスの何気ないひっかき傷(擦過傷)からばい菌が侵入し、急速に広がる恐ろしい病気があります。それが「フルニエ壊疽」です。フルニエ壊疽は、性行為が引き金となることもあり、ペニスの包皮や会陰部の皮膚が壊死し、最悪の場合死に至る可能性がある非常に危険な感染症です。このブログでは、フルニエ壊疽の原因、症状、予防方法などついて詳しく解説していきます。恐ろしい病気ですが、正しい知識を持つことで予防と早期対応が可能です。どうぞ最後までお読みいただき、この深刻な病気についての理解を深めてください。

フルニエ壊疽(フルニエ壊死)とは

フルニエ壊疽(Fournier's gangrene)は、性器や肛門周囲の皮膚および皮下組織に急速に進行する壊死性感染症です。この感染症は血流不足や細菌感染により組織が壊死し、特に免疫力が低下している人々に重篤な影響を及ぼします。フルニエ壊疽という名前は、この病気を最初に報告したフランスの医師、ジャン・アルフレッド・フルニエに由来しています。フルニエ壊死と呼ばれることもあります。

フルニエ壊疽は壊死性筋膜炎の一種で、皮膚だけでなく、血管、筋肉、神経といった軟部組織をも破壊します。感染が重症化すると、細菌は大腿部、腹部、胸部にまで広がり、これらの部位の筋肉や神経、動脈を侵食します。フルニエ壊疽は非常に致命的で、治療が遅れると生命を脅かすことになります。統計によれば、フルニエ壊疽に罹患した人の約50%が死亡するとも言われています。

男性は女性よりも10倍以上の頻度で発症しますが、女性や子供にも発生することがあります。フルニエ壊疽の原因の多くは、複数の異なる細菌による混合感染です。

フルニエ壊疽でペニスの包皮が壊死した状態

↑フルニエ壊疽でペニスの包皮が壊死した状態

フルニエ壊疽(フルニエ壊死)の要因

フルニエ壊疽は以下のような多様な要因や感染によって引き起こされます。

■オーラルセックス

オーラルセックス(フェラチオ)時にペニスを噛まれることで、口内細菌が傷口から侵入し、フルニエ壊疽に発展する可能性があります。実際、このようなケースの報告も少なくありません。

■皮膚の微小な損傷、虫刺され、性器ピアス

ムダ毛処理時のかみそり負け、激しい性行為による小さな傷、虫刺され、性器ピアスなども感染の入り口となり得ます。一見無害に見えるこれらの損傷でも、細菌が侵入するとフルニエ壊疽に発展する可能性があります。

■性感染症(STD)

性病(STD)が原因で局所的に感染が広がり、免疫機能が低下すると、フルニエ壊疽のリスクが高まります。特にHIV感染者や免疫力が低下している人は注意が必要です。

■尿路感染症

尿路感染症や尿道周囲の感染もフルニエ壊疽の主要な原因となります。これらの感染が放置されると、細菌が広がり重篤な感染症を引き起こすことがあります。

フルニエ壊疽(フルニエ壊死)のリスク要因

フルニエ壊疽は以下のようなリスク要因により発症しやすくなります。

■糖尿病

糖尿病患者は免疫機能が低下しているため、感染リスクが著しく増加します。フルニエ壊疽患者の20~70%が糖尿病を併発しているとされています。

■肥満

肥満は身体の免疫力を低下させ、感染症のリスクを高めます。肥満が原因で血液循環が悪化し、感染が広がりやすくなります。

■喫煙

喫煙は末梢血管の循環を悪化させるため、組織の酸素供給が不足し、感染症への抵抗力が低下します。

■加齢

年齢が50歳以上の方は、免疫力が低下しやすく、フルニエ壊疽のリスクが増加します。

■アルコール依存症

長期間のアルコール摂取は免疫機能に悪影響を与えます。フルニエ壊疽患者の約25~50%がアルコール依存症であることが報告されています。

■ステロイドの使用や免疫抑制状態

ステロイドや免疫抑制薬の使用、またはHIV感染などにより免疫機能が低下している人々は、感染に対する抵抗力が低く、フルニエ壊疽にかかりやすくなります。

■その他の慢性疾患

抗がん剤治療を受けている患者、高血圧、心不全、腎不全、肝硬変などの慢性疾患を持つ方も、免疫力が低下し、感染症のリスクが高まります。

出典元:WoundPros

健康な若い男性もフルニエ壊疽になった例

日本国内での症例報告において、既往歴が全くない健康な20代の男性がフルニエ壊疽に罹患したケースが確認されています。この患者は23歳の男性で、陰茎痛を主訴に医療機関を受診しました。彼は風俗店での口腔性交(フェラチオ)により陰茎に擦過傷を受け、その翌日から陰茎表皮に発赤と腫脹が見られましたが、これを放置していました。その後、疼痛が増強し、陰茎表皮が変色してきたため、風俗店訪問から4日後にフルニエ壊疽と診断されました。

入院時、患者は高熱(体温38.5°C)を呈しており、すでに陰茎表皮には発赤、腫脹、壊死が認められていました。ただし、陰茎以外の生殖器、会陰部、肛門周囲には異常は見られませんでした。この患者は、陰茎の壊死組織の除去手術を受け、その後、抗生物質治療を行いました。壊死を伴う皮膚欠損部の再建には、両側鼠径部皮膚からの皮膚移植手術を行い、入院後47日目に退院しました。

このように、免疫力の低下がない健康な若い男性でも、フルニエ壊疽にかかることがあります。特に、陰茎に傷を負った場合には、常に注意が必要です。些細な擦過傷や炎症も、放置せずに早期に医療機関での診察を受けることが重要です。この症例は、フルニエ壊疽がいかに迅速に進行し得るかを示しており、早期の介入がいかに重要かを強調しています。

フルニエ壊疽でペニスの植皮をした状態

↑フルニエ壊疽でペニスの植皮をした状態

出典元:陰茎に限局したフルニエ壊疽の 1 例

フルニエ壊疽の発症率

フルニエ壊疽は非常に稀な疾患で、その発症率は年間約1.6人/100,000男性と報告されています。しかし、年齢と共にその発症率は増加し、特に50歳以上の男性においては3.3人/100,000となります。また、糖尿病は最も重要なリスク要因の一つとされており、糖尿病患者におけるフルニエ壊疽の発症率は顕著に高いことが示されています。具体的には、糖尿病の地域的な有病率が1%増加するごとに、フルニエ壊疽の発症率は0.2人/100,000増加することが報告されています。

フルニエ壊疽の症状

フルニエ壊疽は、以下のような多岐にわたる症状を引き起こします。

■急激な痛み

陰部に急激な痛みが生じ、触れるとさらに痛みが増すことがあります。

■腫れ

ペニス、陰嚢、肛門周囲が腫れることがあります。

■発赤と熱感

皮膚が赤くなり、熱を持つことが特徴です。これらの症状は感染が進行しているサインです。

■皮膚の変色と悪臭

感染が進行すると、皮膚が青黒く変色し、壊死が見られます。壊死部分からは悪臭が漂うことがあります。これは、組織が死んで腐敗しているためです。

■全身症状

さらに病状が進行すると、発熱や寒気、ショック症状などの全身症状が現れます。適切な治療が施されない場合、敗血症性ショックなどにより致命的な結果を招くことがあります。

■急速な進行

フルニエ壊疽は、急速に進行し、重篤な合併症を引き起こす恐れのある感染症です。早期の診断と迅速な治療が不可欠です。これらの症状を見逃さず、早めに医療機関を受診することが、病気の進行を防ぐために重要です。

フルニエ壊疽の原因

フルニエ壊疽は、通常、陰部の皮膚に生じた小さな傷や尿道、肛門周囲の感染が引き金となり発症します。この病気は多菌性の感染症で、大腸菌、連鎖球菌、ブドウ球、クロストリジウム属などの細菌が複数関与することが一般的です。

これらの細菌が局所に感染すると、急速に広がり、組織の壊死を引き起こすことがあります。特に、免疫機能が低下している患者や糖尿病などの基礎疾患を持つ人は、フルニエ壊疽に対する感受性が高くなります。

フルニエ壊疽が性器や会陰の皮膚から発症する理由

フルニエ壊疽が性器や会陰部の皮膚から発症する理由は、これらの部位が持つ特定の解剖学的および生理的特徴によるものとされています。まず、性器や会陰部の皮膚は非常に薄く、皮下組織は脂肪組織ではなくダルトス筋膜という特有の筋膜で構成されています。

さらに、これらの部位は他の体の部位と比較して血液供給が限られており、血管網が少ないため、感染時に局所的な血管血栓症が起こりやすいです。血管血栓症は、組織の酸素供給を妨げ、組織の壊死を引き起こします。このような酸素不足の状態は、嫌気性細菌(酸素の少ない環境で増殖する細菌)の繁殖を促進し、感染の進行を加速させます。

結果として、性器や会陰部は感染が発生しやすく、一度感染が起こると急速に広がるリスクが高い部位となります。したがって、これらの部位に傷ができた場合や感染症が疑われる場合は、早急に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

フルニエ壊疽の診断

フルニエ壊疽の診断は、迅速かつ正確に行うことが重要です。以下の方法で診断が行われます。

■臨床診断

患者の症状と患部の状態を基に診断します。典型的な症状には、急激な陰部の痛み、腫れ、発赤、皮膚の変色などがあります。

■画像診断

CTスキャンやMRIを用いて、感染の広がりを確認します。

■血液検査

白血球数やC反応性蛋白(CRP)などの炎症マーカーを測定し、感染の重症度を評価します。

フルニエ壊疽の治療

フルニエ壊疽は非常に迅速に進行するため、早期の治療が不可欠です。以下の治療法が一般的に行われます。

■外科的介入

感染部位の迅速な切開とデブリドマン(壊死組織の除去)が必要です。これにより、感染の拡大を防ぎ、健康な組織を保護します。

■抗生物質治療

広域スペクトルの抗生物質を投与し、感染を制御します。具体的な細菌の特定が行われた後は、効果的な抗生物質に切り替えることが一般的です。

■全身管理

患者の全身状態を管理し、ショック対策、補液、栄養管理を行います。特に重篤な場合には、集中治療室での管理が必要となることがあります。

↑フルニエ壊疽で壊死部を除去した状態

↑フルニエ壊疽で壊死部を除去した状態

フルニエ壊疽の予後

フルニエ壊疽は早期診断と迅速な治療が行われない場合、非常に高い死亡率を伴う深刻な感染症です。早期の医療介入がなければ、感染が急速に進行し、患者の生命を脅かす可能性があります。

しかし、迅速な治療が行われた場合でも、患者は長期間の入院を必要とします。治療後には、壊死した組織の再建や機能回復のために長期的なリハビリテーションが必要となることが多いです。

フルニエ壊疽の予防方法

フルニエ壊疽を予防するためには、以下の方法を実践することが重要です。

■オーラルセックス時に注意

オーラルセックス(フェラチオ)時に陰部が噛まれると、口内の細菌が傷口から侵入し、フルニエ壊疽を引き起こす可能性があります。実際、オーラルセックス時のペニスの外傷がフルニエ壊疽の一因として報告されています。口腔内の細菌は多種多様であり、傷口を通じて感染が拡大しやすいため、オーラルセックス時には特に注意が必要です。安全な性行為を心がけ、パートナーとコミュニケーションを取りながら、ペニスが傷つかないよう配慮することで、この深刻な感染症を予防することが可能です。

■適切な傷の手当て

陰部に外傷が生じた場合は、速やかに洗浄と消毒を行い、適切に処置することが不可欠です。傷口を清潔に保ち、感染のリスクを最小限に抑えるために、消毒剤を使用して丁寧に洗浄します。また、傷が深い場合や治癒が遅い場合は、包帯やガーゼで覆い、外部からの汚染を防ぐようにしましょう。

■医療機関の受診

性器や外陰部に傷ができ、化膿の兆候や痛みがある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。早期の診断と適切な治療を受けることで、感染の拡大を防ぎ、重篤な合併症を避けることができます。特に、発赤や腫れ、熱感などの症状が見られる場合は、直ちに専門医の診察を受けることが推奨されます。

まとめ

この記事では、オーラルセックスなどでできたペニスの小さな傷がフルニエ壊疽という致命的な感染症に繋がる可能性について解説しました。フルニエ壊疽は非常に稀ですが、誰にでも発症する恐れがあります。この認識を持つことで、適切な予防策を講じ、リスクを大幅に低減することが可能です。特にオーラルセックス時の外傷には注意が必要で、速やかな手当てと異常があれば迅速な医療機関の受診が重要です。日常生活での小さな配慮が、深刻な感染症から身を守る鍵となります。この記事が皆様の健康維持に役立つことを願っています。

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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