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投稿日:2024/06/26
(最終更新日:2024/06/26)

尖圭コンジローマで陰茎癌になるか?HPVの徹底解説

陰茎癌かもしれないとき

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症であり、主に陰茎、亀頭、肛門周囲に小さく柔らかいイボ(疣贅)が現れるのが特徴です。一方、陰茎癌もHPV感染が原因の一つとされていますが、両者には重要な違いがあります。本ブログでは、尖圭コンジローマと陰茎癌の関連性について徹底解説します。特に、尖圭コンジローマがどのように進行し、放置した場合に陰茎癌に発展するリスクがあるのかについて、最新の研究結果を交えて詳しく解説していきます。また、HPVの低リスク型と高リスク型の違いや、それぞれの型が引き起こす健康問題についても触れ、予防策としてのHPVワクチンの重要性についても説明します。是非、最後までお読みいただき、HPVに関する正しい知識を身につけてください。

ヒトパピローマウイルス(HPV)とは

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスの一群であり、約200種類以上の型が存在します。これらの型は、主に低リスク型と高リスク型に分類され、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。以下では、それぞれの型が引き起こす症状とその詳細について解説します。

■尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅は、一般的な皮膚のイボの一種で、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。主な原因となるHPVの型は1型、2型、4型、27型、57型であり、これらはすべて低リスク型HPVに分類されます。感染経路は直接接触と間接接触の両方があります。直接接触では、感染者のいぼに直接触れることでウイルスが広がり、手や指にできた疣贅が他の部位や他人に感染することがあります。また、間接接触では、感染者が使用した物品(タオル、靴、シャワールームの床、スポーツ用具など)や公共の場所(プール、ジム、ロッカールームなど)での接触を介して感染が広がる可能性があります。

尋常性疣贅

↑尋常性疣贅

■尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマ(性器疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型および11型によって引き起こされる性感染症で、これらの型も低リスク型HPVに分類されます。主な症状は性器や肛門周囲に現れる小さく柔らかいイボ(疣贅)で、単独で現れることもあれば、集まってカリフラワー状の塊を形成することもあります。HPV感染から尖圭コンジローマの症状が現れるまでの潜伏期間は数週間から数ヶ月で、平均的には2〜3ヶ月ですが、個人差があり1年以上潜伏する場合もあります。尖圭コンジローマは直接的にがんを引き起こすことは稀ですが、放置すると症状が悪化し、感染の拡大を引き起こす可能性があります。

尖圭コンジローマ

↑尖圭コンジローマ

■がん

高リスク型HPVはがんの発生と関連する型で、特に子宮頸がん、肛門がん、咽頭がん、陰茎がんなどを引き起こします。代表的な型にはHPV16型およびHPV18型があり、これらの型は持続感染することで細胞の異形成を引き起こし、最終的にはがんに進行する可能性があります。HPV感染からがんが発症するまでの期間は平均して15〜20年程度とされていますが、個々の免疫状態や生活習慣によって変動します。したがって、早期の予防と定期的な検診が重要です。

陰茎癌(上皮内がん)penile cancer

↑陰茎癌(上皮内がん)

尖圭コンジローマでは癌にはならない

尖圭コンジローマと陰茎がんは、いずれもヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる病変ですが、両者の原因となるHPVの型は異なります。尖圭コンジローマは主に低リスク型HPV(6型および11型)によるもので、これらの型は疣贅(いぼ)を形成する一方で、がんを引き起こすリスクは極めて低いです。そのため、尖圭コンジローマが直接的に陰茎がんに発展することはほとんどありません。

一方、高リスク型HPV(16型および18型)は、陰茎がんを含むさまざまな種類のがんの発生に関連しています。これらの高リスク型HPVは、細胞の異形成を引き起こし、持続感染することでがん化する可能性があります。しかし、尖圭コンジローマに関連する低リスク型HPVでは、そのような進行は見られません。

つまり、尖圭コンジローマを放置したからといって、そのまま陰茎がんに進行するリスクは非常に低く、直接的な関連性はありません。

同時感染がもたらすリスク

尖圭コンジローマは、主にHPVの低リスク型(HPV6型および11型)によって引き起こされる性感染症ですが、性行為を通じてHPV感染が広がる際、高リスク型(HPV16型および18型)も同時に感染する可能性があります。この同時感染が陰茎がんのリスクを高める要因となるのです。

研究によれば、尖圭コンジローマの患者のうち、少なくとも一つの高リスク型HPVに感染している割合は51.4%に達することが示されています。これにより、低リスク型HPVによる尖圭コンジローマが存在する場合でも、高リスク型HPVの同時感染が癌の発生に寄与する可能性が高まります。

従って、尖圭コンジローマの存在は、それ自体では陰茎がんの直接的な原因にはなりませんが、同時に高リスク型HPVに感染している場合、そのリスクは大幅に増加します。

参照元:BioMed Central

HPV感染の世界的な感染状況と傾向

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、非常に一般的な性感染症であり、世界中の多くの人々に影響を及ぼしています。特に性的に活発な男女の大多数が生涯に一度はHPVに感染するとされています。具体的には、HPV感染は多くの人にとって避けられないものです。

アメリカ合衆国のデータによると、性的に活発な女性の約86%が14歳から19歳の間に、約71%が20歳から24歳の間に少なくとも一度はHPVに感染しています​ 。また、男性においても、18歳から59歳の間で45.2%が何らかのHPV型に感染し、そのうち25.1%が高リスク型HPVに感染していると報告されています​​。

さらに、別の研究では、世界中の男性の約31%が少なくとも一つのHPVタイプに感染しており、21%が一つ以上の高リスク型HPVに感染しているとされています​​。これらのデータは、HPVがどれほど広範に蔓延しているかを示しています。

HPV感染は、しばしば複数の型に同時に感染することが一般的であり、性行為のパートナーが多いほど感染のリスクが高まります​。したがって、性行為のパートナー数や性行動がHPV感染のリスクに大きく影響する要因となります。

出典元:CDC

高リスク型HPVに感染したら癌になるか?

高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しても、ほとんどの男性ががんを発症することはありません。がん発症に至るのは、高リスク型HPVの持続感染が原因であり、長期間にわたって感染が続くことでがん化のリスクが高まるとされています。

通常、高リスク型HPVの持続感染が陰茎がんに進行するまでには10年以上の時間がかかります。多くの感染は免疫系によって数年以内に排除されるため、がんに進行するのは持続感染の一部に限られます。これは、女性の子宮頸がんの場合と同様です。

女性においても、高リスク型HPVの感染が即座に子宮頸がんに繋がるわけではありません。多くのHPV感染は一時的であり、免疫系がウイルスを排除することで数年以内に自然に治癒します。しかし、高リスク型HPVの感染が持続する場合、異形成(がん前病変)に進行し、最終的には子宮頸がんに至ることがあります。

尖圭コンジローマの治療

尖圭コンジローマの治療はできるだけ早く疣贅を除去することが重要です。これは、疣贅が非常に速いスピードで増殖・増大することが多いためです。治療方法には、炭酸ガスレーザーや感染部位の包皮切除が一般的に使用されます。

■炭酸ガスレーザー治療

炭酸ガスレーザーは、疣贅を精確に蒸散させる効果的な方法です。この治療法は、局所麻酔下で行われ、迅速かつ痛みが少ないため、多くの患者に適しています​ ​。

■包皮切除

感染部位の包皮切除もまた、有効な治療方法の一つです。特に、再発が頻繁な場合には、包皮切除が推奨されることがあります。これにより、再発のリスクを減少させることができます​ 。

■再発のリスクと管理

尖圭コンジローマは治療後も再発することが多く、その再発率は13%から65%に及びます。再発した場合、同様に早期の除去が重要です。

尖圭コンジローマおよび陰茎癌の予防

尖圭コンジローマおよび陰茎癌の予防には、コンドームの使用とHPVワクチン接種が非常に重要です。それぞれの予防策の役割とその重要性について詳しく説明します。

■コンドームの使用

性感染症(STD)の予防:コンドームは性交時にペニスに物理的なバリアを提供し、膣、肛門、および口腔の粘膜が直接接触するのを防ぎます。これにより、HPVを含む多くの性感染症の伝播を減少させることができます​。

効果の限界:ただし、コンドームはペニスの根本や陰嚢を覆わないため、HPVが感染している皮膚や粘膜と接触することでコンドームの覆われていない部分に感染が広がる可能性があります。それでも、コンドームの使用は感染リスクを大幅に減少させる重要な予防策です​。

■HPVワクチン接種

予防の効果:HPVワクチン(例:ガーダシル4 、シルガード9)は、HPVの複数の型に対して予防効果があります。特に、高リスク型HPV(16型および18型)に対して有効であり、これらの型が原因となる陰茎癌やその他のHPV関連がんの発症リスクを大幅に減少させます。また、低リスク型HPV(6型および11型)に対しても効果があり、尖圭コンジローマの予防にも役立ちます​。

ワクチンの推奨:HPVワクチンは、性的活動を開始する前の若年層に対して推奨されます。これにより、HPVに感染する前に免疫を獲得し、効果的な予防が可能となります。また、既に性的活動を開始している人でもワクチン接種の効果はあります​。

HPVワクチン

↑HPVワクチン

まとめ

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は非常に一般的であり、ほとんどの男性が一生のうちに一度は感染します。尖圭コンジローマは低リスク型HPV(6型および11型)によって引き起こされ、これ自体が陰茎がんに進行することはほとんどありません。しかし、尖圭コンジローマの存在は他の高リスク型HPV(16型および18型)の感染リスクを高める可能性があります。

陰茎がんの発症は主に高リスク型HPVの持続感染によるものであり、免疫状態や再感染の状況に依存します。感染リスクを減少させるためには、HPVワクチンの接種が非常に効果的です。ワクチンは低リスク型と高リスク型の両方に対して予防効果があり、尖圭コンジローマと陰茎がんの発症リスクを大幅に減少させます。またパートナーの発症リスクも大幅に減少させます。

さらに、コンドームの使用や安全な性行為の実践も重要です。これらの対策により、HPVの感染リスクを効果的に低減することができます。HPVワクチンの普及と正しい知識の普及が、将来のHPV関連疾患の予防に大いに役立つでしょう。

この記事が、尖圭コンジローマやHPVに関する知識の向上に役立つことを願っています。HPV感染のリスクを理解し、適切な予防策を講じることで、健康を守る一助となれば幸いです。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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