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ポストフィナステリド症候群とは?その実態と最新情報

更新日:2024/11/28

公開日:2024/11/28

ポストフィナステリド症候群

ポストフィナステリド症候群(Post-Finasteride Syndrome)は、薄毛治療薬として広く使用されているフィナステリドを内服した後、一部の人々において内服中止後も持続する副作用の症状を指す言葉です。最近では、この症候群はフィナステリドだけでなく、デュタステリドを含むリダクターゼ阻害薬全般に関連する可能性が示唆されています。具体的には、性的機能障害、認知機能の低下、抑うつなど多岐にわたる症状が長期間にわたり続くケースが報告されています。本記事では、ポストフィナステリド症候群がどのようなものか、これまでの研究や現時点で分かっている情報を基に、その実態について詳しく解説します。また、この症候群に関する議論や対策についても考察していきます。

ポストフィナステリド症候群とは?

ポストフィナステリド症候群(Post-Finasteride Syndrome)とは、フィナステリドやデュタステリドといった還元酵素阻害薬の服用を中止した後も、これらの薬剤に関連する副作用が持続する状態を指します。この症候群では、以下のような症状が報告されています。

・性機能障害(勃起不全や性欲の低下など)

・心理的な不調(抑うつや不安感など)

・認知機能の問題(集中力の低下や思考のぼんやり感)

通常、多くの人はこれらの薬剤を中止することで副作用が消失します。しかし、一部のケースでは治療終了後もこれらの症状が長期間にわたって続くことがあり、これが「ポストフィナステリド症候群」として知られる原因です。この症候群は稀ではあるものの、その深刻さから医学界でも注目されており、発症メカニズムや予防策についての研究が進められています。

出典元:Post-finasteride syndrome: An emerging clinical problem

ポストフィナステリド症候群は本当に存在するのか?

ポストフィナステリド症候群(PFS)という言葉が初めて学術的に登場したのは、比較的最近のことです。2011年、Michael S. Irwig医師がJournal of Sexual Medicineに発表した論文「Persistent Sexual Side Effects of Finasteride for Male Pattern Hair Loss」で初めて明確に言及されました。それ以来、この症候群の実態を調査した研究は少数にとどまっており、その発症メカニズムや有病率を確定させるには、さらなる研究が必要とされています。

しかしながら、現在の限られたエビデンスからも、ポストフィナステリド症候群は現実に存在する症状である可能性が高いことが示唆されています。たとえば、イギリスやスウェーデンなどの医療を統括する政府機関は、フィナステリド製品の添付文書に「服用中止後も長期間続く可能性のある副作用」を記載することを義務付けています。これにより、この症候群が単なる仮説ではなく、一定の現実味を持つものとして認識されています。

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ノセボ効果によるポストフィナステリド症候群

一方で、ポストフィナステリド症候群の症状を訴える患者の中には、ノセボ効果の影響を受けている可能性が指摘されています。ノセボ効果とは、プラセボ効果の逆で、薬剤や治療に対する否定的な期待や思い込みによって、実際には起こり得ないはずの副作用を感じてしまう現象です。この場合、患者がフィナステリドの使用後に症状が続くと予想した結果、その思い込みが症状を悪化させたり、誇張的な報告につながる可能性があります。

実際、アメリカのFDA(日本の厚労省に該当する米国の政府機関))がフィナステリドの性的副作用について警告を出した後、インターネット上でポストフィナステリド症候群に関する検索や議論が急増しました。こうした情報の拡散によって、症状への注目が高まり、結果として患者の意識が症状の強化につながる可能性も考えられています。

現在のところ、ポストフィナステリド症候群の実在性を巡る議論は続いており、その原因や正確な影響を解明するための科学的な研究が求められています。

ポストフィナステリド症候群の症状とは

ポストフィナステリド症候群の特徴的な症状は多岐にわたり、性機能、神経系、心理状態、さらには身体的な健康にまで影響を及ぼします。ただし、重要なのは、これらの症状がフィナステリドやデュタステリドの服用中に現れた場合、それはポストフィナステリド症候群とはみなされないという点です。ポストフィナステリド症候群とは、薬剤の服用を中止した後も副作用が持続し、患者の生活に深刻な影響を与える状態を指します。以下に主な症状を分類して示します。

性機能に関連する症状

  • 持続的な勃起不全(ED
  • 性欲の低下
  • 精液量の減少
  • 陰茎の縮小や感覚の喪失
  • 遅漏または射精障害

神経系に関連する症状

  • 頭がぼんやりする(ブレインフォグ)
  • 認知機能の低下
  • 記憶力の問題や集中力の欠如

心理的な症状

  • 抑うつ感
  • 不安症状
  • 不眠
  • 自殺念慮

身体的な症状

  • 慢性的な疲労感
  • 筋力の低下
  • 精巣の痛みや縮小
  • 男性の乳房組織肥大(女性化乳房)

ポストフィナステリド症候群の原因は?

ポストフィナステリド症候群(PFS)の発症の引き金となるのは、前立腺肥大症(BPH)の治療や男性型脱毛症の改善を目的として使用されるフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)といった薬剤です。これらの薬は、還元酵素を阻害してテストステロンの代謝を抑え、症状を緩和するために効果を発揮します。しかし、この症候群がすべての使用者、あるいはその大多数に現れるわけではないという点が重要です。では、なぜ一部の人々だけがPFSを発症するのでしょうか?

現在、ポストフィナステリド症候群の正確な原因については完全に解明されていませんが、以下の仮説が挙げられています。

ホルモンバランスの長期的な乱れ

フィナステリドやデュタステリドは、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害することで効果を発揮しますが、この過程が一部の人において内分泌系の体内ステロイドの恒常性を損ない、治療中止後も副作用を引き起こす可能性があります。一部の研究では、ポストフィナステリド症候群の患者において、以下のステロイドホルモンが健康な人と比較して著しく低下していることが報告されています。

  • プレグネノロン
  • アロプレグナノロン
  • プロゲステロン
  • ジヒドロプロゲステロン
  • ジヒドロテストステロン(DHT
  • 17β-エストラジオール

神経ステロイドの変化

フィナステリドやデュタステリドは、特に気分や認知機能の調整に関与する神経ステロイド(例:アロプレグナノロン)にも影響を与えることが知られています。神経ステロイドの不足は、うつ病や不安障害、さらには認知機能の低下に関与している可能性があります。フィナステリドやデュタステリドが神経ステロイドの産生を抑制することで、ポストフィナステリド症候群の症状が引き起こされる可能性があります。

遺伝的要因と個人差

ある研究では、一部の患者が特定の遺伝子変異を持つことで薬剤に対する感受性が高まり、ポストフィナステリド症候群のリスクが増加する可能性が示唆されています。このような個人差が、一部の人にのみ症状が現れる理由の一端を担っているかもしれません。

また、うつ病や他の精神疾患を抱えていることもポストフィナステリド症候群の発症リスクを高める要因である可能性があります。

その他の原因

ポストフィナステリド症候群ではデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、テストステロン、3α-アンドロスタンジオールの値が通常より高くなることも確認されています。これらの変化が具体的にポストフィナステリド症候群の発症や持続にどのように関係するのかは、まだ解明されていません。しかし、これらのデータは、還元酵素阻害薬が想定以上に体内のホルモン環境に広範囲な影響を与える可能性を示唆しています。

こうした複雑なメカニズムを考えると、ポストフィナステリド症候群の本質は、単なる偶然や思い込みではなく、ホルモンバランスの乱れにとどまらず、より広範で深い生物学的現象が関与している可能性があります。

現在も研究は進行中であり、この症候群の正確な発症メカニズムの解明にはさらなる調査が必要です。

ポストフィナステリド症候群はどれくらいの頻度で起こるのか?

ポストフィナステリド症候群(PFS)の発症率については、現時点で正確なデータが得られていません。しかし、これまでの報告から、この症候群は比較的稀な現象であると考えられています。ある研究では、全世界で約1,000人の男性がPFSの症状を経験していると推定されていますが、この数字は実際の発症率を正確に反映しているとは限りません。

また、PFSを経験したとされるケースの一部は、報告が過小または過大に評価されている可能性も指摘されています。例えば、症状を認識しないまま医療機関を訪れない患者や、症状が薬剤とは無関係だと考えられている場合、統計に反映されないことがあります。その一方で、ノセボ効果(薬剤の悪影響に対する思い込みが実際の症状を引き起こす現象)が一部の症例に関与している可能性も議論されています。

ポストフィナステリド症候群の症状はどれくらい続くのか?

ポストフィナステリド症候群の症状がどの程度の期間続くのかについて、現時点では明確に証明された研究結果は存在しません。しかし、ある研究では、フィナステリドやデュタステリドの使用を中止した後でも、副作用が40か月以上にわたって持続している例が報告されています。この40か月という期間は調査時点での記録であり、症状がさらに長期間続いていた可能性も否定できません。

同研究において、症状が持続していると報告した男性たちは、平均して28か月間フィナステリドを使用していたことが分かっています。ただし、これらのデータには注意が必要です。患者が報告する症状の一部は、ノセボ効果の影響を受けている可能性があるためです。ノセボ効果とは、薬剤や治療の悪影響に対する心理的な期待が、実際には存在しないはずの副作用を引き起こす現象です。

ポストフィナステリド症候群の治療方法

ポストフィナステリド症候群の治療には、現時点で標準化された方法は存在しません。この症候群のメカニズムが完全には解明されていないため、治療は主に症状を和らげることに焦点が当てられています。以下は、主な治療アプローチの概要です。

■性機能障害への対処
勃起不全(ED)や性欲の低下といった症状には、シルデナフィル(バイアグラ)やタダラフィル(シアリス)などのPDE5阻害薬が使用されることがあります。

■ホルモン療法
テストステロン補充療法やその他のホルモン介入が試される場合もありますが、これらはまだ実験的な段階にあり、全員に効果があるとは限りません。

■神経および心理的サポート
抑うつや不安感、認知機能の低下などの症状に対しては、抗うつ薬や認知行動療法が用いられることがあります。これらのアプローチは、精神的な健康を支える重要な手段です。

■生活習慣の改善
定期的な運動、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、そしてストレスの管理が、症状の軽減に役立つ可能性があります。こうしたライフスタイルの改善は、副作用への対処だけでなく、全体的な健康状態の向上にも寄与します。

ポストフィナステリド症候群の治療は試行錯誤を伴う場合が多く、患者ごとに異なるアプローチが必要です。そのため、信頼できる医療機関での診断と、個々の症状に合わせた治療計画を立てることが不可欠です。さらに、ポストフィナステリド症候群の治療法を確立するためには、より多くの研究が必要とされています

まとめ

ポストフィナステリド症候群は非常に稀な症状であるため、現在フィナステリドやデュタステリドを服用している方が過度に心配する必要はありません。しかし、服用を継続する場合は、その副作用について自分の身体に何らかの変化が生じていないかを冷静に再確認することが大切です。たとえば、精液量の減少、性欲の低下、遅漏などの性的な副作用がすでに現れている場合は、薄毛治療の方法を見直し、フィナステリドやデュタステリドの使用を中止することを検討すべきです。

また、これからフィナステリドやデュタステリドの服用を考えている方は、これらの薬剤が持つ潜在的な副作用について十分に理解した上で、リスクと利益を比較し、慎重な意思決定を行う必要があります。

もし、ポストフィナステリド症候群が疑われる場合は、早期に信頼できる医師に相談することが重要です。ポストフィナステリド症候群に詳しい専門家の助けを借りることで、適切な評価とサポートを受けることができます。

PFSのメカニズムや発症リスクについてはまだ解明されていない部分も多く、さらなる研究が必要とされています。しかし、この症候群に対する認識が広がることで、フィナステリドやデュタステリドといった薬剤を利用する際に、十分な情報を基にした意思決定の重要性がますます強調されています。自身の健康を守るためにも、事前にリスクを正しく理解し、必要に応じて専門的なアドバイスを受けることが何よりも大切です。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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