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AGA治療と副作用:フィナステリド・デュタステリドの性機能への影響

更新日:2025/07/15

公開日:2025/06/17

男性型脱毛症(AGA)の治療薬として広く使われているフィナステリド(プロペシア等)やデュタステリド(ザガーロ等)は、その優れた発毛効果から多くの30代男性にも利用されています。これらの薬は5α還元酵素阻害薬に分類され、髪の毛の成長を妨げるジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの生成を抑えることで、AGAの進行を効果的に遅らせる作用があります。

一方で、「AGA治療薬の副作用」として性欲減退・精液量の減少・勃起不全(ED)といった性機能への影響が報告されており、その存在は決して見過ごせません。

本記事では、AGA治療薬であるフィナステリド・デュタステリドの副作用について医学的根拠に基づき分かりやすく解説し、副作用を心配する方のための新たな治療法「ハーグプラス療法」にも触れます。薄毛治療と副作用リスクを天秤にかけ、最適な選択を考える一助になれば幸いです。

フィナステリド・デュタステリドのAGA治療効果とは

まずはフィナステリドとデュタステリドがどのようにAGAに効果を発揮するか簡単に説明します。

両薬剤は5α還元酵素という酵素を阻害し、テストステロンをより強力な男性ホルモンであるDHTに変換する反応をブロックします。DHTは毛根(毛包)の受容体に結合して髪を細く弱くするため、DHTを減らすことで脱毛の進行を食い止めることができるのです。

フィナステリドは5α還元酵素の「II型」のみを阻害し血中DHTを約70%減少させるのに対し、デュタステリドはI型・II型両方を阻害してDHTを最大93%も抑制できます。そのためデュタステリドはフィナステリドより強力で、高い発毛効果が期待できるAGA治療薬です。

しかし、DHTは単なる“薄毛の原因”ではなく男性にとって重要なホルモンでもあります。DHTは性欲や勃起機能、前立腺や精子の産生など体の様々な機能に関与しており、このホルモンを大幅に抑え込むことで思わぬ副作用が生じる可能性があります。

次章では、その具体的な副作用について詳しく見ていきましょう。

▶️合わせて読みたい記事:性欲減退・精液減少・EDになるフィナステリド・ザガーロ

AGA治療の主な副作用(性機能への影響)

フィナステリドやデュタステリドの使用に伴い指摘される副作用の多くは、性機能や生殖能力に関連するものです。

公式な臨床試験データでは頻度は高くないものの、実際に以下のような症状が報告されています。

  • 性欲の減退(リビドー低下) – 以前ほど性的欲求が湧かなくなる
  • 勃起不全(ED) – 満足な勃起が得られにくくなる
  • 射精障害(精液量の減少 など) – 射精時の精液の量が減る、射精までに時間がかかる 等

性欲減退・勃起不全(ED)

性欲の低下や勃起不全はAGA内服治療の代表的な副作用です。

フィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)の添付文書によれば、臨床試験でプロペシア内服群の約1.1%にリビドー減退、0.7%にEDが発生し、ザガーロではリビドー減退3.9%、ED4.3%と報告されています。

割合だけ見ると低頻度ですが、これらは確かに起こりうる副作用です。またDHT抑制による作用機序からも説明がつきます。

DHTはテストステロンと共に男性の性機能維持に重要なホルモンであり、DHTが大幅に減少すると体内のアンドロゲン活性全体が30~50%低下する可能性があります。このホルモン環境の変化が性的な興奮や勃起反応を弱めてしまうと考えられています。

その結果、「最近どうも性欲が落ちた」「勃ちにくくなった」といった症状につながるのです。幸いこれらの性機能障害は薬を中止すれば多くの場合改善しますが、詳しくは後述する「副作用は治るのか?」の章で解説します。

精液量の減少と生殖機能への影響

射精時の精液量が減ることも5α還元酵素阻害薬による副作用の一つです。臨床試験では精液量の減少(射精障害)はフィナステリドで「1%未満」、デュタステリドで「約1.3%」と低い発生率でした。

しかし実際には、精液所見(精子の数や運動率、精液量)に有意な変化が起こることが近年の研究で示されています。例えば、1日5mgの高用量フィナステリドを服用した男性を調べた研究では、総精子数が34.3%減少、精液量も21.1%減少するなど精液指標の有意な低下が確認されました。

またデュタステリドを約6か月間服用したケースでは、総精子数28.6%減少、精液量29.7%減少といった影響が報告されています。デュタステリドに関しては極端な例として「精子数が90%減少した」症例も報告されており、個人差は大きいものの人によっては生殖能力に顕著な影響が出る可能性があります。

こうした精液量・精子数の減少は、妊娠を希望する男性にとって見逃せない問題です。

実際、男性不妊クリニックの調査では受診者4,400人中フィナステリドを服用していた27人(0.6%)の精子データを解析し、服用中の精子濃度は平均約3,234万/mLだったのが、中止後平均6か月で1億2,762万/mLにまで約4倍に増加したとの報告があります。

精子の運動率も16.8%から25.9%へ改善しており、フィナステリドの服用が精子数・運動率に明らかに負の影響を与えていたこと、そして中止により生殖能力が回復しうることが示されています。

このように、AGA治療薬は一部の男性で一時的な不妊症様の状態を招く可能性があります。将来的に子どもを望む30代の方にとっては、頭髪の維持と生殖能力への影響を十分考慮した治療選択が重要となります。

射精時の快感低下と患者の声

精液量の減少は単に数字上の問題だけでなく、性生活の満足度にも影響します。

射精時の快感はある程度精液量に比例することが報告されており、精液が減ると射精時の圧力や刺激が弱まって「以前ほど気持ちよくない」と感じる原因になると考えられています。筆者である私も長年にわたりフィナステリドやデュタステリドを処方してきましたが、実際に患者さんから「服用を始めてから射精の快感が減った」という声を度々耳にしてきました。

また、私自身もこれらの薬を15年以上服用した経験があり、副作用として精液量の減少や射精時の快感低下、さらにはEDの兆候まで身をもって体験しました。幸い服用を中止した結果、精液量の増加とともに射精時の感覚や性欲も大きく改善し、副作用が可逆的であることを実感しています。

このような経験から、AGA治療薬による精液量の変化が性生活の質に与える影響は決して軽視できないと痛感しています。

出典元:Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters
出典元:Finasteride and Dutasteride for the Treatment of Male Androgenetic Alopecia: A Review of Efficacy and Reproductive Adverse Effects

薬をやめれば副作用は治る?

性機能への副作用が出現した場合、「薬を中断すれば元に戻るのか?」は多くの患者さんが抱く疑問です。結論から言えば、大半のケースで副作用は改善しますが、回復までの期間には個人差があります。

以下にフィナステリドとデュタステリドそれぞれの特徴を解説します。

フィナステリドの場合:

半減期が短く(約6〜8時間)、体内から比較的速やかに排出されます。そのため服用を中止すれば数週間~数か月以内に性欲減退やEDといった副作用は改善することが多いとされています。

ただし、使用期間が長かった場合などは完全な回復にもう少し時間を要することもあります。また極めて稀ですが、中止後も症状が長期化するポストフィナステリド症候群(PFS)と呼ばれる事例も報告されています。

デュタステリドの場合:

フィナステリドに比べ半減期が非常に長く(約3〜5週間)、薬剤が体内に残留する期間が長いです。そのため中止後の性機能回復もフィナステリドより時間がかかる傾向があり、数か月程度でようやく改善が見られることが多くなります。特に長期間の服用や高用量を使用していた場合は、正常化までにさらに長い期間を要するケースもあります。

いずれの場合も年齢や健康状態などによって回復スピードは異なり、若く持病のない方ほど早く改善しやすい傾向があります。

重要なのは、「異変を感じたら早めに医師に相談し、必要なら休薬や減薬を検討する」という姿勢です。性機能の不調はデリケートな問題ですが、放置せず適切に対処することで多くは解決できます。

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副作用リスクを避けるAGA治療:ハーグプラス療法という選択肢

ここまで見てきたように、フィナステリドやデュタステリドのAGA治療は発毛効果がある反面、性的副作用というリスクも抱えています。

では「副作用なく薄毛を治療したい」という場合に選べる方法はないのでしょうか?その一つの答えが、当院で提供しているハーグプラス療法です。ハーグプラス療法はホルモンに頼らない最先端の発毛治療で、近年注目を集めています。

ハーグプラス療法とは

「ハーグプラス」とは、再生医療の先端技術であるエクソソームを活用した画期的な発毛治療法です。

具体的には、幹細胞由来のエクソソーム(細胞が分泌する微小なカプセル状の物質)を頭皮に直接注射し、毛包(毛根)を刺激して発毛を促進します。従来からあるHARG療法(成長因子を注入する発毛治療)や自己PRP療法などに比べ、ハーグプラスはエクソソームによる多角的な細胞活性化が特徴です。

エクソソームには各種成長因子はもちろん、マイクロRNAやサイトカインといった髪の成長シグナルが豊富に含まれており、毛母細胞や毛乳頭細胞に対して従来以上に強力かつ多面的なアプローチが可能となりました。その結果、薄毛や抜け毛の進行を抑制するだけでなく、新たな毛の発生を効率よく促すことができるのです。まさに次世代型のAGA治療と言えるでしょう。

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ハーグプラス療法の効果と安全性

肝心の治療効果についても、ハーグプラス療法は科学的根拠に裏付けられた高い有効性が示されています。

国内外の臨床研究によりエクソソーム注入による発毛効果が報告されており、実際に治療を受けた患者さんの満足度も非常に高いことが確認されています。従来の発毛治療で十分な成果が得られなかった方でも、ハーグプラスにより数ヶ月で明確な発毛効果が現れたケースもあります。

また副作用の少なさも大きな利点です。ハーグプラスは頭皮への局所治療であり全身のホルモンバランスを変化させないため、フィナステリド等のような性欲減退・ED・精液減少などの全身的な副作用は起こりません。事実、臨床研究においても有害事象がほとんど報告されず安全性が高いことが示されています。多少の注射部位の赤みや痛みは一時的に生じる可能性がありますが、これもすぐに収まる軽微なものです。

以上のように、ハーグプラス療法は「髪を増やしたいが副作用は避けたい」という方にとって非常に魅力的な治療選択肢です。当院でも最新の発毛治療としてハーグプラスを導入しており、AGAに悩む多くの患者さんに新たな希望をもたらしています。発毛効果と安全性の両立を目指すこの治療法は、今後ますます普及していくことでしょう。

ハーグ治療の症例写真

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まとめ

AGA治療薬フィナステリドやデュタステリドは、薄毛対策において確かな効果を発揮する反面、男性の性機能や生殖面に影響を及ぼし得る副作用にも注意が必要です。特に若い世代の男性や、これからパートナーが妊娠・出産を考えている方にとって、これらの薬剤がもたらすリスクを正しく理解した上で治療法を選ぶことが欠かせません。

 

筆者である医師としても、DHTの果たす重要な役割を踏まえると5α還元酵素阻害薬をAGA治療に安易に使用すべきではないと考えています。幸い現在では、本記事で紹介したハーグプラス療法のように副作用の心配が少ない新しい発毛治療も登場しています。

 

AGAにお悩みの方は、一人で抱え込まず専門の医師にご相談ください。薄毛治療のプロである私が、患者様一人ひとりのライフプランや健康状態に合わせて最適な治療法をご提案いたします。髪の悩みと上手に付き合いながら、豊かな人生と男性としての健康の両方を大切にできるAGA治療を一緒に見つけていきましょう。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。男性更年期障害(LOH症候群)と薄毛治療の改善をライフワークとしている。

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