元神院長執筆 包茎・薄毛専門医が真剣に答えるブログ 男の悩みに 答えるブログ 元神院長執筆 包茎・薄毛専門医が真剣に答えるブログ 男の悩みに 答えるブログ

コンドーム使用時の「年間妊娠率2〜10%」の医学的正確性を検証

更新日:2025/08/18

公開日:2025/08/18

@syutoken_sankaによる最近Xで話題になっている産婦人科医のポスト、「コンドームを着用していても、年間妊娠率は2〜10%」という発言について、様々な見解やコメントで溢れています。これについて調査し、この数字、本当なのか? それとも誤解か? これについて、医学的な根拠に基づいて解説します。

「年間妊娠率」とコンドームの避妊効果の定義

 

「年間妊娠率」とは、ある避妊法を用いた場合に1年間で妊娠する確率を指します。これは避妊効果を示す指標であり、一般に「パールインデックス(Pearl Index)」として表現されます。例えば、パールインデックスが3であれば、その避妊法を1年間使った女性100人のうち約3人が妊娠することを意味します。

コンドームを含めいかなる避妊法も100%妊娠を防ぐことはできないため、避妊法ごとにこの年間妊娠率(避妊失敗率)が報告されています。コンドームの避妊効果は、「完璧(正確)な使用時」と「一般的(典型的)な使用時」で大きく異なります。完璧使用とは毎回正しく使用した場合であり、典型的使用とは一般の人々の現実的な使い方(時に使用方法のミスや使用しない時もある場合)を反映したものです。

この違いを踏まえて、コンドームの年間妊娠率(避妊失敗率)が評価されます。

コンドーム使用時の年間妊娠率:完璧使用 vs. 一般的使用

医学文献や公的機関のデータによれば、男性用コンドームを正しく使用した場合の1年間の妊娠率は約2%(コンドーム完璧使用時)と非常に低く抑えられます。つまり、コンドームを毎回正しく使用した100組のカップルのうち、1年以内に妊娠に至るのは約2組程度ということです。

一方で、一般的な使用状況(完璧でない使用)での年間妊娠率は二桁に達します。海外の大規模調査では、男性用コンドームの典型的使用時の失敗率は13%と報告されています。米国CDCのデータでも、2000年代のコンドーム失敗率は約13〜17%であり、イギリスNHSも「コンドームを正しく使わない場合、避妊効果は82%程度(すなわち妊娠率約18%)」と説明しています。

日本語の資料でも、男性用コンドームの一般的使用での年間妊娠率は約15〜18%前後と示されています。

このように典型的使用時の妊娠率は完璧使用時より桁違いに高く、コンドームの避妊効果は「使い方次第」で大きく変わることがわかります。

参照元: guttmacher.org,cdc.gov,nhs.uk,msdmanuals.com

「年間妊娠率2〜10%」という数字は妥当か?

結論から言えば、「2〜10%」というコンドームの年間妊娠率は概ね医学的事実に沿った範囲ですが、やや説明が簡略化された数字だと考えられます。2%という下限値は先述の通り完璧使用時の妊娠率(避妊失敗率)と一致します。問題は上限の10%ですが、公的機関や研究の値と比較すると10%はむしろ控えめな数字です。

多くの資料で典型的使用時のコンドーム失敗率は13〜18%とされています。例えば米国の全国調査では、2002年時点でコンドームの1年失敗率が17%と報告され、その後2010年頃には13%程度に低下したとのデータがあります。イギリスNHSも「約1年間で5人に1人(20%)が妊娠する可能性がある」と述べています。

一方で、10%前後というデータも報告されています。国際的な15カ国のデータを解析した研究では、コンドームの平均的な1年妊娠率は約8.6%と推定されています。この研究では従来の米国データに比べて失敗率が低めでしたが、それでも上限は約10%程度となっています。

また、日本の一部の解説ではコンドームの避妊失敗率を2〜12%あるいは3〜14%程度と紹介する例もあり、使用状況や集計方法によって若干の幅が生じています。したがって、「2〜10%」という値は完璧使用時の下限と、典型的使用時の平均的なリスクを組み合わせて示したものと考えれば、大きく医学的事実から逸脱してはいません。しかし実際にはコンドームの避妊失敗率は状況によって10%を上回ることもありうるため、厳密には「年間妊娠率最大10%」はやや楽観的な表現とも言えます。

参照元: pmc.ncbi.nlm.nih.gov

避妊率と妊娠率の違い:統計解釈で注意すべきポイント

コンドームの避妊効果を巡っては、「避妊率」と「妊娠率」の表現の違いが混乱を招くことがあります。避妊率○%とは「妊娠を防げる割合」を指し、妊娠率○%とは「妊娠してしまう割合」を指します。例えば「コンドームの避妊率98%」という言い方は、裏を返せば「年間妊娠率2%」という意味です。

この数字は1回の性交ごとのリスクではなく、1年間継続使用した場合のリスクである点にも注意が必要です。避妊効果98%だからといって「100回中2回妊娠する」という直線的な解釈は誤りであり、実際には複数回の性行為を通じた累積リスクを年間で評価したものです。したがって、「年間妊娠率2〜10%」とは「コンドームを使っている100組のカップルのうち年間で2〜10組が妊娠する可能性がある」という意味であり、コンドーム使用下での1回ごとの性交で常に10%の妊娠確率があるというわけではありません(1回毎の避妊成功率は非常に高いが、不確実性が積み重なると年単位では一定の失敗例が出るということ)。

また、この統計には使用者のミス(装着ミス、途中から装着、脱落、破損など)も含まれるため、「避妊に失敗した」と言ってもコンドームそのものの不良より人為的な要因が多いことも理解する必要があります。実際、米国CDCの調査ではコンドーム使用者の約30%が何らかの使用上の問題を経験しており、最も多いのが「挿入開始後に装着した、もしくは途中で外してしまった」というケースでした。これらは正しい使用法を徹底すれば防げる問題であり、統計上の避妊失敗率の多くは「完璧に使えなかった場合」のリスクと言えます。

したがって、「避妊率98%」という宣伝文句だけを知っていると「2〜10%の妊娠率」という数字に驚くかもしれませんが、これは避妊成功率で言えば90〜98%程度に対応すること、そしてその差は使用状況の違いによるものだと理解することが重要です。

膣外射精法(外出し)の年間妊娠率:理想的使用 vs 一般的使用

一方で、膣外射精の妊娠率はどんなものでしょうか?膣外射精(いわゆる「外出し」)は、射精直前に陰茎を膣から抜き、体外に射精することで妊娠を防ごうとする避妊法です。性交中に精液そのものを膣内に出さないことで受精を避ける方法ですが、避妊法としての信頼性は低いとされています。

最大の理由は、射精前に分泌される透明な液(カウパー腺液、俗に「我慢汁」)にも精子が含まれうるため、完全には精子の膣内侵入を防げないことです。また、射精のタイミングを常に正確にコントロールすることも難しく、一般には推奨されない避妊法とされています。とはいえ、他の避妊法を用いないよりは妊娠リスクを多少低減できる方法ではあります。

膣外射精の避妊効果(年間妊娠率)

膣外射精法による避妊の有効性は、完璧に実行できた場合(理想的使用)と、現実に一般のカップルが行った場合(一般的使用)で大きく異なります。

上記の表について:各避妊法の年間失敗率(避妊が失敗して妊娠に至る確率)。膣外射精法(赤枠部分)は理想的使用で約4.0%、一般的使用で約22% という高い失敗率(妊娠率)になっている。

参照元: 研究論文 日本における予定外妊娠の医療経済的評価

理想的使用時の妊娠率(完璧に行った場合)

年間約4%(100人中4人程度が妊娠)。膣内射精を一切せず、毎回確実に避妊できた場合でも、この程度の妊娠リスクが報告されています。これは約96%の避妊成功率に相当します。

なお、この残り数%の失敗の主な要因は、射精自体は膣外で行ってもごく微量の精子が膣内に入ってしまうケースがあるためです。例えば、ある研究では射精前分泌液中に精子が含まれていた男性が41%おり、そのうち37%では精子が活発に運動できる状態でした。したがって、どんなに気を付けても膣外射精では妊娠の可能性をゼロにはできないことになります。

一般的使用時の妊娠率(典型的な利用法)

年間約18~22%(およそ5組に1組が妊娠)と報告されています。米国の研究では18%前後、日本の分析でも約22%と示されており、いずれも約20%前後の高い失敗率です。換言すれば、現実には避妊成功率は約78~82%程度にとどまり、5組試せば1組は一年内に妊娠してしまう計算です。

このように失敗率が高い理由として、前述のような分泌液中の精子に加え、タイミングの誤り(途中で間に合わず少量でも膣内射精してしまうケース)や、複数回連続で行為を行う際に最初の射精の残留精液が次の行為で混入することなどが挙げられます。特に連続射精(いわゆる「2回戦」)を行うと、尿道内に残った精子が次の射精前の分泌液に混ざりやすく、妊娠率がさらに上昇する可能性があります。

まとめ

今回話題となった「コンドーム着用でも年間妊娠率は2〜10%」という産婦人科医の発言は、医学的には概ね正確であるにもかかわらずSNS上で賛否を呼びました。その背景には次のような要因が考えられます。

 

性教育・知識の不足: 多くの人はコンドームが「ほぼ確実」な避妊法と思い込んでおり、具体的な失敗率データに触れる機会が少ないため、「10人に1人が妊娠」のインパクトに驚き戸惑ったと考えられます。日本では学校教育やメディアで避妊法の現実的な成功率まで十分に教えられていないこともあり、専門家の提示した統計にショックを受けた人が多かった可能性があります。

 

数字の誤解と誇張: 前述のように「2〜10%」という数字の意味を誤解し、「コンドームをしても10%の確率で妊娠する(=コンドームはほとんど効かない)」と極端に受け取る向きも一部にありました。SNSでは短い文章で数字だけが独り歩きしやすく、文脈を無視した解釈や不安の増幅が起こりがちです。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。テストステロンブースターサプリ「TB-1」の開発者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。

総じて、この発言が物議を醸したのは、医学的事実であっても一般には十分共有されていない内容だったこと、そして数値のインパクトが大きくSNS上で独り歩きしたことが大きいと言えます。今回の件は、避妊に関する正確な知識の普及と、専門家が情報発信する際の伝え方の重要性について考えさせる一例となりました。

ブログTOPに戻る

医師紹介

私にお任せ下さい。
院長紹介

医師紹介

私にお任せ下さい。

20年以上ペニス治療に従事して参りました私が施術からからアフターケアまで
一貫して行いますので、ご安心してください。

理事長:元神 賢太
経歴・資格
  • 平成11年3月 慶應義塾大学医学部卒
  • 平成11年4月 慶應義塾大学病院勤務
  • 平成15年12月 船橋中央クリニック院長
  • 平成25年1月 青山セレスクリニック 治療責任者
当院では20年以上の経験がある元神医師が
カウンセリングからアフターケアまで
一貫してすべての診療を行います。

当院では元神賢太医師のみが、診療を行っております。
経験の浅いアルバイト医師が手術を行うことは絶対にありません。
「すべての方にご満足いただける医療を提供する」をポリシーに、長年患者様の診療を行っております。
こちらから治療を強要することはございませんので、安心してご相談ください。

【クリニックのご案内】
クリニックは青山院(東京)、船橋院(千葉)、福岡院(福岡)、大阪院(大阪)、札幌院(北海道)があり、いずれも元神医師が診療しております。

東京エリアで治療をご希望の方はこちら

青山セレスクリニックmap
詳細地図はこちら

青山セレスクリニック
東京青山院

フリーダイヤル 0120-958-336

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者

千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

船橋中央クリニックmap

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業

西日本でクリニックをお探しの方はこちら

西日本でお探しの方はこちら

船橋中央クリニック福岡エリア
(提携先 セイコメディカルビューティークリニック福岡院)

所在地

〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神2丁目5−17 プラッツ天神 2階
(提携先 セイコメディカルビューティークリニック福岡院)

予約受付・ご相談窓口

フリーダイヤル

0120-118-243

船橋中央クリニック大阪エリア
(提携先  )

所在地

〒530-0001
大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2F
(提携先  )

予約受付・ご相談窓口

フリーダイヤル

0120-118-243

北海道でクリニックをお探しの方はこちら

北海道でお探しの方はこちら

船橋中央クリニック北海道エリア
(提携先 琴似タワー皮膚科形成外科)

所在地

〒063-0812
札幌市西区琴似2条1丁目1-20 琴似タワープラザ2階
(提携先 琴似タワー皮膚科形成外科)

予約受付・ご相談窓口

フリーダイヤル

0120-118-243

クリニックは青山院(東京)、船橋院(千葉)、福岡院(福岡)、大阪院(大阪)、札幌院(北海道)があり、いずれも元神医師が診療しております。

フリーダイヤル フリーダイヤル相談/予約

受付時間:9:30~18:00 年中無休
(12/31~1/3を除く)

希望される
クリニックを選択して下さい。

いずれも元神医師が診察しています。