形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2025/09/27
公開日:2025/09/24

陰茎持続勃起症(プリアピズム)とは、性的な刺激や興奮とは無関係に陰茎の勃起が長時間(通常4時間以上)持続してしまう状態のことです。単なる勃起持続ではなく、多くの場合は痛みを伴い、自力では鎮まらなくなる点が特徴です。これは頻度こそ低いものの男性に起こり得る緊急の病態であり、放置すれば陰茎の組織に不可逆的な障害を残す可能性があります。
実際、持続勃起症は5~10歳の小児と20~50歳の成人男性で発症がみられることが多いと報告されており、年齢に関係なく注意が必要な症状です。このブログ記事では、陰茎持続勃起症(プリアピズム)について深堀解説します

持続勃起症はプリアピズムとも呼ばれます。この名称はギリシャ神話の豊穣の神プリアポスに由来し、医学的には陰茎海綿体への血液の出入りの異常によって起こる現象です。
正常な勃起は性的興奮が収まれば自然に解消されますが、プリアピズムでは血液が陰茎内に留まり続けるため、勃起が4時間以上も続いてしまうのです。これは単なる「勃ちっぱなし」では済まされない重大な状態で、速やかな対応が求められます。

持続勃起症には症状の経過や原因に応じて主に3つのタイプがあり、それぞれ虚血性, 非虚血性, 反復性(間欠性)プリアピズムと分類されます。タイプごとに症状の現れ方や緊急度が異なるため、医療現場では鑑別(どのタイプか見極めること)が非常に重要です。以下に各タイプの特徴を解説します。
最も多くみられるタイプが虚血性持続勃起症です。陰茎の海綿体からの静脈血の流出が遮断されてしまい、いわゆる血の巡りが悪くなった勃起が持続する状態です。陰茎内の血液が滞留して酸素が欠乏するため、発症から数時間(典型的には6~8時間)経つと強い痛みが生じるのが特徴です。
陰茎は根元から先端まで硬く張り詰め(完全硬直)、緊満感と疼痛を伴います。勃起そのものはカチカチに硬い一方で、亀頭部分(尿道海綿体)は比較的柔らかい場合もあります。これは海綿体内に血液が留まり低流量(low-flow)状態になっていることが原因です。
虚血性プリアピズムは放置すると海綿体組織が酸素不足で壊死し、勃起機能の永久的な喪失につながり得るため最も緊急度が高いタイプです。
非虚血性持続勃起症は、高流量型プリアピズムとも呼ばれ、陰茎内部へ動脈血が過剰に流入し続けることで起こるタイプです。典型的には股間や会陰部の外傷(打撲など)がきっかけとなり、陰茎海綿体の動脈と静脈洞が交通(瘻孔)してしまうことで発症します。陰茎へ次々と新鮮な血液が入るため虚血(酸欠)には陥りにくく、痛みも軽度か無痛であることが多い点が虚血性との大きな違いです。
勃起の硬さも不完全で、やや柔らかさが残る場合があります。また、会陰部を圧迫すると勃起が和らぐという特徴がみられることもあります。非虚血性プリアピズムは緊急性は虚血性ほど高くありません。
組織が壊死するリスクはないものの、長期間放置すると陰茎の正常な勃起機能に支障が出る可能性があるため注意が必要です。たとえばオートバイ事故で会陰部を強打し高流量型の持続勃起症となった21歳男性の報告では、造影CTで内陰部動脈の損傷と陰茎海綿体への動脈瘻が確認され、緊急のカテーテル塞栓術によって勃起が鎮静化、その後正常な勃起機能が回復したケースがあります。このように非虚血性タイプでは血管造影による治療で良好な結果が得られる場合もあります。
参照元: jstage.jst.go.jp
反復性プリアピズム(間欠性持続勃起症)は、その名の通り繰り返し発生する持続勃起症です。英語では「stuttering priapism(スタッタリング=吃逆の意)」とも呼ばれます。これは主に虚血性プリアピズムが断続的に起こるタイプで、一旦陰茎が鎮静化してもしばらくすると、また勃起が持続する発作が起こる、ということを繰り返します。
各エピソードの間には正常に陰茎が萎える期間がありますが、発作のたびに数時間にわたり痛みを伴う勃起が持続するため、患者さんにとって大きな負担となります。反復性タイプは基礎に血液疾患が存在することが多く、特に鎌状赤血球症(遺伝性の貧血症)が原因として知られています。例えば夜間睡眠中に痛みで目が覚めるような勃起発作が度々起こり、やがて典型的な虚血性プリアピズムへ移行していくケースがあります。
反復性プリアピズムは基本的には虚血性の一形態ですので、急性期の対処は虚血性の場合と同様ですが、再発を繰り返すため長期的な予防策も検討する必要があります(予防法については後述します)。

プリアピズムを引き起こす原因は様々ですが、大きく分けると「薬剤」「基礎疾患」「外傷」「特発性(原因不明)」のカテゴリーに分類できます。成人男性では薬剤や基礎疾患が原因となることが多く、小児では血液の病気が主因となる傾向があります。以下に主な原因を挙げます。
成人の持続勃起症の約25~40%は薬の副作用が原因とされています。勃起不全の治療薬であるアルプロスタジル陰茎注射やホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬は、その効果の延長としてプリアピズムを招くことがあります。
また抗うつ薬)、高血圧治療薬のα遮断薬、抗凝固薬、一部のホルモン薬(ステロイドなど)、糖尿病薬等、さまざまな処方薬が誘因となり得ます。加えて、抗精神病薬(向精神薬)は特に注意が必要です。薬物が原因の持続勃起症のうち約半数は抗精神病薬によるものとの報告もあり、比較的新しい非定型抗精神病薬でもリスクがあります。
参照元: carenet.com
血液の病気や一部の腫瘍がプリアピズムを引き起こすことがあります。代表的なのは鎌状赤血球症です。特にアフリカ系や地中海系の人々に多い遺伝性疾患ですが、この病気では赤血球の形状異常により血流が滞りやすく、反復性プリアピズムの原因となります。
日本では稀ですが、白血病や悪性リンパ腫など血液がんでも、高い白血球数や白血球の陰茎浸潤によって持続勃起症が起こることがあります。小児のプリアピズム原因として白血病は重要で、実際に「夜間に勃起が収まらない」といった症状から白血病が発覚するケースも報告されています。
また、転移性の悪性腫瘍が陰茎に転移した場合(例:前立腺癌や悪性黒色腫の陰茎転移)、それが誘因で持続勃起症が生じることがあります。前立腺癌に伴う場合は下部尿路症状の悪化を背景に起こることが多いです。
そのほか、脊髄の病変(脊髄損傷や腫瘍)、陰部の感染症・炎症(重度の前立腺炎や尿道炎など)や、全身状態として重度の脱水・高二酸化炭素血症(例:一酸化炭素中毒)など、多彩な医学的状態が持続勃起症の原因として報告されています。こうした基礎疾患が原因の場合、プリアピズムの治療と並行して原疾患の治療も行う必要があります。
バイク・自転車事故やスポーツ外傷などで股間を強打した後にプリアピズムが起こるケースがあります。特に会陰部(陰茎と肛門の間)をぶつけると陰茎海綿体の動脈が裂けて動静脈瘻を形成し、非虚血性(高流量型)の持続勃起症を生じることがあります。
この外傷性プリアピズムでは痛みはそれほど強くないものの、陰茎にあざ(打撲痕)が見られ、事故後も勃起が引かない状態が続くため異常に気づきます。いずれにせよ事故などで陰部を負傷し、勃起が続くようなことがあれば早急に専門医を受診することが大事です。
相当の数の症例では明確な原因が特定できず、特発性すなわち原因不明の持続勃起症と診断されます。特発性のケースは往々にして反復性プリアピズムの形で現れ、ある程度の頻度で再発を繰り返すことがあります。患者さんにとっては原因がわからないまま再発リスクを抱える不安な状況ですが、こうした場合でも適切な予防策や対症療法を講じていくことが重要です。

プリアピズムと診断された場合、タイプ(虚血性か非虚血性か)に応じて適切な治療を行います。特に虚血性では時間との勝負であり、早期の処置開始が予後を左右します。ここでは各タイプ別の治療法と、その選択の基準を解説します。
虚血性プリアピズムは泌尿器科領域の救急疾患であり、治療は一刻も早く開始する必要があります。基本となる初期治療は次の二段階です。
上記のような保存的治療(非外科的治療)で多くの場合は改善しますが、発症から時間が経ち過ぎた場合やこれらの処置でも効果がない場合は外科的シャント手術などの外科手術を行うことになります。
非虚血性プリアピズムでは、虚血性と異なり組織壊死のリスクが低いため、比較的ゆとりをもって治療法を選択できます。まずは保存的療法から開始するのが一般的です。
繰り返しになりますが、持続勃起症、とりわけ虚血性プリアピズムを放置することは非常に危険です。具体的にどのような後遺症や合併症が起こり得るのか、代表的なものを説明します。
最も重大な後遺症が将来的な勃起機能の喪失です。陰茎海綿体の組織は酸素不足に弱く、長時間にわたる虚血状態に陥ると線維化(硬い瘢痕組織への置換)が進みます。その結果、たとえ命に別状なくプリアピズムから回復しても、海綿体が正常な勃起のために必要な柔軟性・弾力性を失ってしまい、二度と硬く勃起しなくなる可能性があります。
一般に、虚血性プリアピズムは発症から24時間を超えると不可逆的な組織障害が始まるとされ、早ければ8時間程度で平滑筋の機能障害が生じるとも言われます。したがって「丸1日以上も勃起が続いた」などという場合は、まず間違いなく重度の勃起不全が後遺すると考えなければなりません。
冒頭で述べたように、勃起不全は患者さんの今後のQOL(生活の質)に大きく影響する深刻な問題です。
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虚血状態がさらに長引くと、陰茎そのものの組織が壊死(細胞が死んでしまうこと)に陥ります。これは局所の凋亡だけでなく、重症の場合は陰茎の壊疽(えそ)、いわゆる腐った状態になることさえあります。陰茎組織が壊疽に陥った場合、生命を守るためには外科的に壊死組織を切除せざるを得ません。場合によっては陰茎の一部切断という非常に侵襲的な処置となり、患者さんの肉体的・精神的負担は計り知れません。過去には悪性腫瘍の転移による持続勃起症で激痛を生じ、疼痛緩和のために陰茎部分切除術を施行した症例報告もあります。このような最悪の事態を避けるためにも、早期治療で壊死に至る前に勃起を解除することが肝要です。
参照元: repository.kulib.kyoto-u.ac.jp

持続勃起症を一度経験した方や、リスク因子を抱えている方は再発予防と早期対処の心構えが大切です。以下に日常生活での注意点や再発防止策をまとめます。
薬剤性のプリアピズムを起こした場合、その薬の使用を続けることは危険です。抗うつ薬や抗精神病薬、あるいはED治療の自己注射療法などで発症した場合は、主治医と相談して薬剤の変更や減量を検討しましょう。
抗精神病薬によるプリアピズムは患者本人が副作用を知らないケースも多いため、医師側が副作用リスクを説明し、症状が出たらすぐ報告するよう指導することが重要だと言われています。実際、抗精神病薬治療下の患者さんにこの副作用を周知することで、早期報告・早期対応につながり勃起不全などの重篤な転帰を避けられる可能性があります。
鎌状赤血球症や白血病など基礎疾患がある場合、その治療計画にしっかり従うことが再発予防につながります。鎌状赤血球症では脱水を避ける、水分を十分摂取する、寒冷環境を避けるなど日常の工夫も大切です。
また、前立腺肥大症でα遮断薬を服用中の方は定期受診を守り、薬が適切か確認してもらいましょう。糖尿病の方は血糖コントロールを良好に保つことも重要です。全身の健康管理が巡り巡ってプリアピズムの予防につながるケースも多々あります。
コカインなどの違法薬物は言うまでもなく厳禁ですが、アルコールの過剰摂取や脱法ドラッグ等も避けるべきです。喫煙も血流に影響を与え得るため、できれば禁煙しましょう。適度な運動や十分な睡眠といった基本的な健康的生活も、血管機能を保つ上で有益です。
プリアピズムは早期発見・早期治療が何より重要です。「もしかしておかしいかな?」と思ったら躊躇せず救急外来や泌尿器科を受診してください。特に痛みを伴う持続勃起は緊急サインです。恥ずかしさやためらいから受診を先延ばしにすることだけは絶対に避けてください。
早めに治療すればするほど、陰茎の機能を温存できる可能性が高くなります。逆に「こんなことで病院に行くのは恥ずかしい」などと放置すれば、将来的に勃起自体ができなくなるかもしれないのです。
まとめ
陰茎持続勃起症(プリアピズム)は一般にはあまり知られていないものの、放置すれば取り返しのつかない結果を招く可能性がある緊急疾患です。男性にとってデリケートな問題ではありますが、「おかしい」と感じたら早期発見・早期治療が肝心です。
少しでも疑わしい症状があれば恥ずかしがらずに救急病院の医師にすぐ相談してください。適切な治療を受ければ、将来の性生活を守れる可能性は十分にあります。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。テストステロンブースターサプリ「TB-1」の開発者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。
ED・ED治療, 勃起不全, プリアピズム, 持続勃起症, 陰茎の痛み
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