形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2024/12/13
公開日:2024/12/13

2021年10月に発売された陰圧式勃起補助具「ビガー2020(Vigor2020)」は、勃起不全(ED)に悩む方々の間で注目を集めています。新たな発売されたED治療器として期待が高まる一方で、その効果や他の治療法との比較が気になるところです。本記事では、ビガー2020の詳細な紹介と、その効果を検証します。さらに、同じくED治療機器として知られる「ED1000」との比較を通じて、どちらがより優れているのかを考察します。ED治療を検討中の方々にとって、このブログ記事が有益な情報を提供できれば幸いです。
ビガー2020(Vigor2020)は、勃起不全(ED)の治療に使用される陰圧式勃起補助具(Vacuum Erection Device, VED)で、2021年10月に厚生労働省から管理医療機器として承認されました(医療機器製造販売承認番号:30300BZX00279000)。このデバイスは、性行為前に筒状の器具を陰茎に装着し、手動ポンプを操作して筒内を陰圧状態にすることで、陰茎内に血液を誘導し、勃起を促進する仕組みです。ビガー2020は、日本国内で唯一購入可能な管理医療機器として認可されており、手動による簡単な操作で勃起を補助できるため、他の治療法と比較して取り組みやすく、安全性が高いとされています。
陰圧式勃起補助具(Vacuum Erection Device, VED)は、1970年代にアメリカで開発され、勃起不全(ED)の治療法として広く利用されてきました。1974年、米国の医師ゲディングス・D・オズボン氏が、陰茎に陰圧をかけて血液を流入させ、勃起を促す装置を初めて開発しました。この画期的な発明は、当時バイアグラやシアリス等のED治療薬が存在しなかった時代において、大きな注目を集め、世界中で広く使用されるようになりました。
日本においても、同様の機器として「VCD式カンキ」が厚生労働省の承認を受けて販売されていました(承認番号21200BZZ00652000)。しかし、使用方法が煩雑であったことなどから、長期的な使用者は少なく、最終的に製造が中止されました。
その後、ED治療薬の内服が禁忌とされる患者にとって、陰圧式勃起補助具は必要不可欠な機器であるとの認識が高まりました。この背景を受け、日本国内での再開発が進められ、2021年10月に株式会社A&HBが開発した「ビガー(Vigor)2020」が厚生労働省の承認を受け、国内で唯一の管理医療機器として販売が開始されました。

陰圧式勃起補助具(Vacuum Erection Device, VED)は、非侵襲的な治療法として、勃起不全(ED)患者に昔から利用されています。本項では、ビガー2020(Vigor2020)などの陰圧式勃起補助具の一般的な使用手順とプロトコルを詳しく解説します。
1.準備
必要な部品(シリンダー、吸引ポンプ、接続チューブ、パッキン、維持用リング、潤滑剤など)が全て揃っていることを確認します。
シリンダーと吸引ポンプを接続チューブでしっかりと接続してください。
2.パッキンの取り付け
シリンダーの開口部に適切なサイズのパッキンを取り付けます。
個人のサイズに合わせたものを選択し、装着がしっかりしていることを確認してください。
3.維持用リングの装着
性行為を行う場合、陰茎の根元に維持用リングを装着します。
リングがねじれないよう注意し、陰毛を巻き込まないようにします。
リハビリ目的での使用時には、維持用リングは必要ありません。
4.潤滑剤の塗布
陰茎全体およびパッキンの内側に潤滑剤を適量塗布します。
これにより、陰茎がシリンダー内で滑らかに動くようになります。
5.シリンダーへの挿入と吸引
陰茎をシリンダー内に挿入し、パッキンが密着するように装着します。
手動ポンプを操作し、筒内の空気を抜いて陰圧をかけます。
陰茎が十分に勃起状態になるまで吸引を続けてください。
6.勃起の維持とシリンダーの取り外し
勃起が達成されたら、ポンプの操作を止めます。
陰圧解除ボタンを押して筒内の圧力を解放し、シリンダーを慎重に取り外します。
維持用リングが陰茎の根元にしっかりと留まるよう確認します。
7.性行為の実施
維持用リングを装着したまま性交を行います。
安全のため、リングの装着時間は30分以内に制限されています。
ビガー2020(Vigor2020)は、再開発された陰圧式勃起補助具(VED)であり、その効果を検証した研究として「Efficacy of a New Vacuum Erection Device (Vigor 2020) for Erectile Dysfunction in a Retrospective Study in Japan」があります。
この研究では、34名の参加者(平均年齢57.85歳)を対象に、ビガー2020の使用前後で勃起硬度スコア(Erection Hardness Score, EHS)や国際勃起機能指数(International Index of Erectile Function, IIEF)の変化を評価しました。
結果として、ビガー2020使用後にEHSが3以上(挿入に十分な硬さ)の参加者では、男性性健康質問票-射精機能ドメイン(Male Sexual Health Questionnaire-Ejaculatory Dysfunction, MSHQ-EjD)および数値評価スケール(Numerical Rating Scale, NRS)にも有意な改善が確認されました。
一方、EHSが2以下(挿入に十分な硬さではない)の参加者では、MSHQ-EjDおよびNRSにおいて有意な改善は認められませんでした。
これらの結果から、ビガー2020は中等度以上のED患者に対しては効果が限定的である可能性が示唆されました。

陰圧式勃起補助具(VED)は、勃起不全(ED)の治療において長い歴史を持つ非侵襲的な医療機器です。以下に、陰圧式勃起補助具全般の効果と利点を詳しく解説します。
■即効性と高い成功率
陰圧式勃起補助具は、使用直後に性交可能な勃起状態を得られる即効性が特徴です。物理的に陰茎に陰圧をかけ、血液を海綿体に誘導することで、性的刺激とは無関係に勃起を促します。
■使用の柔軟性と安全性
ユーザーは自身の希望するタイミングで陰圧式勃起補助具を使用でき、ED治療薬が禁忌とされる患者、例えば硝酸剤を服用中の方でも安全に利用可能です。また、器具の構造がシンプルで、年齢を問わず操作しやすい設計となっています。
■耐久性と長期使用の利点
陰圧式勃起補助具は故障しにくく、長期的な使用が可能です。特に、前立腺癌術後の患者にも適用できるため、幅広いED患者に対応しています。
陰圧式勃起補助具(VED)は、勃起不全(ED)の治療においてある程度有効な手段とされていますが、使用に際して以下のような課題や留意点が報告されています。
陰圧式勃起補助具の使用により勃起を得られるものの、自然な勃起と比較して硬度や感覚が異なる場合があり、これが性交時の満足度に影響を及ぼすことがあります。
使用中に以下のような軽度の副作用が生じることがあります。
痛みや不快感:操作時や維持用リングの装着に伴い、痛みや不快感を伴う場合があります。
皮下出血:陰茎部に小さな出血斑が生じることがあります。
射精障害:維持用リングの影響で射精が困難になることがあります。
冷感:血流制限により、陰茎が冷たく感じられることがあります。
勃起を得るまでに約10分の準備時間が必要であり、維持用リングの装着時間は30分以内に制限されています。これらの手順は、性的なタイミングや自然な流れを損なう可能性があります。
陰圧式勃起補助具の使用には、パートナーの理解と協力が不可欠です。特に、維持用リングの装着に伴う違和感や陰茎の冷感は、パートナーに不快感を与える可能性があり、事前の説明と合意が重要となります。
研究によれば、陰圧式勃起補助具使用者の約半数が2年以内に使用を中止しているとの報告があります。これは、上記の課題や手間、副作用などが影響していると考えられます。
陰圧式勃起補助具は一時的に勃起を促す効果がありますが、EDの根本的な原因を改善するかどうかは疑わしいとされています。

ED1000は、低強度体外衝撃波治療(Low-Intensity Extracorporeal Shockwave Therapy, Li-ESWT)を用いた勃起不全(ED)の治療機器です。この非侵襲的な治療法は、陰茎周辺の血管新生を促進し、血流を改善することで勃起機能の根本的な向上が実現されます。
■主な特徴
治療方法: 低強度の衝撃波を陰茎およびその周辺組織に照射し、新たな血管の形成(血管新生)を促進します。これにより、陰茎への血流が増加し、自然な勃起機能の改善が期待されます。
非侵襲的: 手術や注射を必要とせず、痛みもほとんどないため、患者への負担が少ない治療法です。
治療期間: 通常、1回約20分のセッションを週に2回、計3週間行い、その後3週間の休止期間を挟み、再度3週間の治療を行います。合計で12回のセッションが一般的な治療プロトコルとなります。
■効果と安全性
臨床研究において、ED1000による治療は勃起機能の改善に効果的であり、特に血管性EDの患者に有効であると報告されています。また、副作用はほとんど報告されておらず、安全性の高い治療法とされています。
これらの点から、ED1000は陰圧式勃起補助具(VED)よりも優れた選択肢となります。特に、非侵襲的で自然な勃起機能の改善を目指す患者にとって、ED1000は有望な治療法と言えるでしょう。

まとめ
本記事では、従来から使用されている陰圧式勃起補助具の新製品「ビガー2020(Vigor2020)」について詳しく解説しました。ビガー2020は、持病などでED治療薬の服用が難しい方にとって有効な手段となり得ます。しかし、血管新生を促すような根本的な治療効果は期待できません。一方、低強度体外衝撃波治療を用いた「ED1000」は、陰茎周辺の血管新生を促進し、自然な勃起機能の改善を目指す治療法です。非侵襲的で痛みが少なく、長期的な効果が期待できる点が特徴です。そのため、EDの根本的な治療を望まれる方には、ED1000が適した選択肢となるでしょう。本記事が、ED治療を検討されている方々にとって有益な情報源となることを願っております。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。
※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。
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