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ビールでEDに?ビールがテストステロン・女性化乳房に与える影響

更新日:2024/10/27

公開日:2024/10/27

ビールとED

食事やリラックスした時間に、ビールを何杯か楽しむことは多くの男性にとって日常的な習慣でしょう。しかし、ビールが男性ホルモンであるテストステロンに影響を与え、女性ホルモンの増加を引き起こしてしまう可能性について考えたことがある方は少ないかもしれません。また、これにより女性化乳房(男性の胸が女性のように膨らむ現象)を引き起こすリスクや、勃起不全(ED)に至る可能性があることが指摘されています。

本記事では、ビールやアルコールが男性のホルモンバランスや体にどのように影響するのか、女性化乳房やEDのリスクがどのようにして生じるのかについて、科学的な観点から詳しく解説していきます。

ビールが男性ホルモンに影響!

ビールが男性ホルモン、テストステロンの生成に影響する可能性があることを知っている男性は少ないでしょう。最近の研究では、ビールやアルコールに含まれる特定の化合物が体内でエストロゲンと同様の作用を持つことが明らかになっています。
それほど周知が進んでいないのは、飲酒によってエストロゲン値や男性の女性化が大幅に増加するかどうかはまだ議論の余地があって、結論がでていないからです。
軽度の飲酒によるホルモンへの影響については研究結果がまちまちですが、長期的に大量摂取するとエストロゲン値が上昇し、テストステロン値が低下する可能性もあります

ビールはエストロゲンを増やす?ビールの原料について

ビールが男性の胸を大きくする可能性について考える前に、まずビールやアルコール飲料がどのように製造され、その原料が体にどのような影響を及ぼすのかを理解しておきましょう。ビールは主に大麦やホップを原料とし、特にホップのエストロゲン様成分が注目されています。この成分は「植物性エストロゲン」と呼ばれ、女性ホルモンと似たような作用を持つ化合物です。

1951年、オーストラリアの2人の化学者が、ビールの原料であるホップにエストロゲン様作用を持つ植物性エストロゲンが含まれていることを発見しました。同じ年、ドイツの科学者たちは、9世紀以来ビールの苦味付けに使用されてきたホップに強いエストロゲン活性があることを証明しましたが、当初はビールに含まれる植物エストロゲンの濃度が低いため、人体への影響は少ないとされていました。

しかし、1999年に行われたホップの研究により、植物エストロゲンの中でも特に強力な「8-プレニルナリンゲニン(8-PN)」がホップに含まれていることが判明しました。この成分は、他の植物エストロゲンと比べて特に強いエストロゲン様作用を持つため、ビールを大量に摂取することで体内のホルモンバランスに影響を与える可能性が懸念されています。

さらに、ジュディス・S・ガバラー博士の研究により、大麦や米、トウモロコシなどビールの主要原料にも植物性エストロゲンが含まれていることがわかりました。これらの成分が組み合わさることで、ビールはわずかではありますが、エストロゲン様の作用を持つ飲料となり、男性ホルモンに影響を与える可能性があると考えられています。

出典元:Phytoestrogens and Their Health Effect

出典元:Identification of a potent phytoestrogen in hops (Humulus lupulus L.) and beer

出典元:Alcoholic Beverages as a Source of Estrogens

ビールの飲みすぎがEDを招く?アルコールとホルモンの影響

ビールに含まれるホップの成分「8-プレニルナリンゲニン(8-PN)」は、強力なフィトエストロゲン(植物性エストロゲン)として知られ、そのエストロゲン様作用が男性のホルモンバランスを乱し、ED(勃起不全)のリスクを高める可能性があります。

■フィトエストロゲンによるホルモンバランスの乱れ

フィトエストロゲンはエストロゲン受容体に結合してエストロゲン様の作用を示し、結果的にテストステロンの影響が相対的に低下します。テストステロンは性欲や勃起機能の維持に重要であるため、その減少は性機能低下やEDのリスクを高める要因になります。ホップに含まれるフィトエストロゲンが多いほど、体内のエストロゲン優位が進行し、男性ホルモンの正常な働きが阻害されるのです。

■過剰飲酒によるEDリスク

アルコールそのものもEDリスクを高める作用があります。短期的にはアルコールが血管を拡張しリラックス効果をもたらすものの、長期的かつ過剰な飲酒は血流障害や神経機能の低下を引き起こし、勃起機能に悪影響を与えることがわかっています。

さらに、ホップのフィトエストロゲンとアルコールの影響が相乗的に働くことで、ホルモンバランスが乱れやすくなり、性機能への影響が強まる可能性があります。

このようにビールの過剰摂取は、長期的にはEDリスクを高める可能性があります。

出典元:Moderate Consumption of Beer (with and without Ethanol) and Menopausal Symptoms: Results from a Parallel Clinical Trial in Postmenopausal Women

 ホップでおっぱいがふくらむ??

ビールに含まれるホップがエストロゲン様の作用を持つことで、EDだけでなく、男性の胸が女性のように膨らんでしまう可能性があると聞けば、多くの男性にとって心配になるかもしれません。ホップには、植物性エストロゲン「8-プレニルナリンゲニン(8-PN)」が含まれており、これは女性ホルモン「エストロゲン」に似た作用を持つ非常に強力な化合物です。この成分が体内でエストロゲン受容体に結合することで、体内のホルモンバランスが変わり、女性化乳房(男性の胸が女性のように膨らむ状態)を引き起こす可能性が指摘されています。

さらに、ビールにはエストロゲンだけでなく「プロラクチン」の分泌を促進する作用があることも知られています。プロラクチンは授乳を促進するホルモンで、通常は女性が出産後に分泌量が増加しますが、ビールの常習的な摂取によってプロラクチン濃度が上昇すると、男性でも胸の膨らみや乳頭からの分泌が生じる場合があるとされています。こうした作用は、アルコール自体の影響と、ビール特有のホップ成分との相乗効果によって引き起こされると考えられています。

また、複数の研究により、ビールを日常的に大量に摂取することがホルモンバランスに悪影響を与えるリスクが増大することが示されています。ホップに含まれるエストロゲン様化合物が、男性ホルモンであるテストステロンの生成や分泌を抑制し、体内のエストロゲンの割合を相対的に高めることで、女性化が進行する可能性があるのです。このため、ビールの飲みすぎには注意が必要です。

出典元:Beer and breastfeeding

アルコールの飲みすぎが招くホルモン異常:男性の女性化現象

アルコールとED

アルコールを過剰に摂取することで、特に肝疾患を抱える男性において、女性化症状が引き起こされる可能性が高まると医学的に結論づけられています。肝臓は性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)の分解や調整に重要な役割を果たしますが、肝機能が低下するとホルモン代謝が滞り、体内にエストロゲンが蓄積されやすくなります。このため、ホルモンバランスが崩れ、女性化乳房(男性の胸が女性のように膨らむ状態)や体毛の減少といった女性化症状が現れる可能性があるのです。

アルコールにはそれ自体の大量に摂取によりエストロゲン濃度を上昇させます。アルコールの代謝中に生成される副産物が肝臓でのエストロゲンの分解能力を低下させ、男性ホルモンであるテストステロンの分泌も減少させるのです。特に、肝硬変患者など重度の肝機能低下が見られる男性では、エストロゲンの蓄積により、乳房の肥大や体毛の減少、脂肪分布の変化といった症状がより顕著になる傾向があります。

☛「生活習慣病」と「ED」の関連性

ビール腹が招くホルモン変化と女性化のリスク

たとえ肝臓が健康であっても、ビールやアルコールを過剰に摂取することで典型的な「ビール腹」が現れ、見た目だけでなくホルモンバランスにも悪影響を及ぼすことがわかっています。ビールやアルコールの高カロリーな成分は脂肪の蓄積を助長し、特に内臓脂肪が増えることで体内のホルモンに様々な変化を引き起こします。

まず、脂肪組織に含まれるアロマターゼという酵素が、男性ホルモンであるテストステロンを女性ホルモンのエストロゲンに変換するため、脂肪が多いほどエストロゲン濃度が上昇し、相対的にテストステロンが低下します。この変化は、女性化乳房(胸が女性のように膨らむ症状)などの女性化症状を引き起こす原因となります。また、内臓脂肪が増加すると、炎症性サイトカイン(IL-6TNF-αなど)が体内に放出され、これがホルモン調節に重要な視床下部や下垂体に影響し、テストステロン生成をさらに抑制します。

さらに、肥満が進むとインスリン抵抗性が増加し、血糖コントロールが困難になることでホルモンバランスが崩れやすくなります。インスリン抵抗性は、脂肪のさらなる蓄積を助長し、ホルモン分泌に悪影響を与えるため、低テストステロン状態と悪循環を生み出します。ビール腹がこうした複数のメカニズムを通して、男性のホルモンバランスを崩し、女性化のリスクを高める可能性があるのです。

まとめ

ビール1本を飲んだだけでエストロゲン値が急激に上昇することはありません。また、一般的なビールに含まれるホップの量では、1杯飲んだだけでEDになったり、男性の胸が大きくなるような影響を及ぼすこともありません。とはいえ、「ビールは完全に安全だ」と思い込むのは早計です。近年の研究では、ビールやアルコールの過剰摂取がエストロゲンの増加やテストステロンの減少を引き起こし、EDを招いたり、ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。

実際、ビールやアルコール飲料を長期間にわたり大量に摂取し続けることで、女性化の症状が進行するリスクがあることは科学的に裏付けられています。したがって、ビールを完全に避ける必要はありませんが、飲酒量や頻度には注意を払うべきです。節度ある飲酒を心がければ、ホルモンバランスを守るだけでなく、体重管理やビール腹の予防にもつながります。

週末にビールを少量楽しむ程度であれば、体内のエストロゲンが急激に増えることはなく、テストステロン低下もビールのせいにはなりません。大切なのは「何を飲むか」ではなく、「どれだけ飲むか」ということを忘れないようにしましょう。適度な飲酒で、健康なホルモンバランスと快適なライフスタイルを維持することが可能です。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。

※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。

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