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朝立ちを利用してのセックスは体に良くない?専門医が解説

更新日:2025/08/13

公開日:2025/08/13

一般に朝立ち(朝勃ち)とは、朝目覚めたときにペニスが勃起している現象を指します。男性なら経験のある方も多いでしょう。ネット上などでは「朝立ちを利用してパートナーとセックスをするとED(勃起不全)になる」という噂を耳にすることがあります。

しかし、これは医学的根拠のない迷信です。本記事では、テストステロン治療認定医の視点から、朝立ちのメカニズムやこの噂の真偽、さらには朝の性欲とホルモンの関係について解説します。

朝立ちのメカニズムとは?

まず、朝立ち(朝勃ち)は男性特有の正常な生理現象です。睡眠中、人の脳と体はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を90分程度の周期で繰り返しています。朝立ちはこのレム睡眠に伴って起こる夜間勃起現象の一部であり、最後のレム睡眠中に勃起した状態で目覚めると朝立ちとして自覚されます。

レム睡眠中は自律神経の副交感神経が優位になり、脳から陰茎への神経を介したシグナルで血管が拡張し血流が陰茎海綿体に流れ込むことで勃起が生じます。これは性的興奮による勃起とは無関係に、自律神経が引き起こす自動的な現象です。そのため、「いやらしい夢を見たから朝勃ちする」という俗説は正確ではありません(実際には性的な夢や妄想とは関係なく起こりえます)。寝ている間に無意識にペニスがトレーニングやストレッチをしているようなものと捉えると良いでしょう。

なぜこのような夜間勃起(朝立ち)が起こるのでしょうか?

主な要因や目的として、以下のような点が考えられています:

  • 自律神経と睡眠周期の作用: レム睡眠中に副交感神経が活発化し、血圧・心拍数の変動とともに自然と勃起が発生します。睡眠中に3〜5回程度の勃起を繰り返し、朝方のレム睡眠で勃起したまま目覚めると朝立ちとして認識されるのです。

  • 物理的刺激: 睡眠中の寝返りなどで陰茎がシーツや衣服に擦れると、意図せず刺激となり勃起が促される場合があります。これは完全に無意識的な現象ですが、一因となりえます。

  • 膀胱の刺激: 夜間に尿が溜まり膀胱が拡張すると、仙骨神経を刺激して勃起が起こることがあります。

  • ホルモン分泌: 男性ホルモンであるテストステロンの値は睡眠中に上昇し、朝方にピークに達します。この高いテストステロン値が夜明け頃の勃起を促す一因となります。いわゆる朝立ちは、このテストステロンの日内変動が反映された現象でもあります。

以上のように、朝立ちは男性の体が睡眠中に自動的に引き起こす生理現象です。性的刺激や欲求がなくても起こるため、「あくび」や「伸び」のような身体の自然反応に近いものだと理解できます。なお、健康な男性であれば一晩に数回の夜間勃起があるのが正常であり、朝立ち自体は男性機能が正常に働いているサインとさえ言えます。逆にまったく朝立ちしない場合、男性機能の低下やEDの兆候である可能性があります。この点については後ほど触れますが、朝立ちは「男性の健康のバロメーター」とも呼ばれるほど重要な現象です。

参照元:Early Risers: Why Men Get Morning Erections

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男性機能のメンテナンスとしての役割

朝立ち(夜間勃起現象)には、男性機能を維持するメンテナンス的役割があると考えられています。長期間まったく勃起しない状態が続くと、陰茎周辺の筋肉や組織が萎縮し、いざというとき十分な勃起ができなくなる恐れがあります。例えば骨折で足をギプス固定すると筋肉が衰えるのと同様に、勃起に関与する筋肉も使わなければ機能低下を起こすのです。

実際、ED(勃起不全)状態が何ヶ月も続くと、その改善にも時間を要することが知られています。このため、たとえセックスやマスターベーションをしない期間があっても、自動的に夜間に勃起を繰り返すことでペニスの機能低下を防ぐ仕組みが人体には備わっています。夜間勃起はいわば生殖機能を維持するための「試運転」であり、定期的な勃起による血流促進と組織のトレーニング効果で、男性器の健康が保たれているのです。この点からも、朝立ちは男性にとって有益な生理現象であり、決して体に悪いものではありません。

朝立ちセックスはEDの原因になる?その迷信を検証

一部で囁かれている「朝立ちしているときにセックスをするとEDになる」という噂は、結論から言えば誤解に基づいた迷信です。現在の医学知識において、朝の勃起現象を利用して性行為を行ったことが原因でEDを発症するという因果関係を示す根拠はありません。むしろ前述の通り、朝立ちは男性機能が正常で健康的である証拠です。ここでは、この迷信がなぜ生まれたのか、そして実際のところ朝のセックスがEDにどのように関係するのかを解説します。

噂の背景と現実

このような噂が生まれた背景には、朝立ちによる勃起と性的興奮による勃起の違いへの誤解があるかもしれません。朝立ちは先述したように自律神経の作用で起こる生理的現象で、心理的・性的興奮とは切り離されたものです。一方、実際の性行為時の勃起はパートナーへの性的刺激や興奮を伴います。

ある人が「朝は勃起するのに、いざ性交しようとすると勃起しない」という場合、それは心理的要因によるED(心因性ED)の可能性があります。つまり、「朝立ちはある=肉体的には問題ないが、性行為時に萎えてしまう」というケースです。このような場合は朝立ち自体がEDを引き起こしているのではなく、むしろ朝立ちだけは起こるほど身体は健康なのに精神的ストレスなどで性交時に勃起が維持できない状態と考えられます。

にもかかわらず、表面的に「朝は勃つのにセックスでは勃たない」という現象だけを見ると、「朝の勃起をセックスに使うのは良くないのでは?」という誤解を生んでしまったのかもしれません。実際には、朝立ちを利用したセックスそのものがEDの原因になることはありません。EDの主な原因は、血管や神経の障害、高血圧・糖尿病などの生活習慣病、ホルモン低下、ストレスや不安など多岐にわたります。

性行為を行った時間帯(朝か夜か)が原因で勃起不全になるという医学的報告はなく、朝だから悪いということはないのです。むしろ、医学的には勃起する機会が少ない生活(セックスレスや性的刺激の欠如)が長く続く方が、海綿体の筋肉が衰えてEDリスクを高めるとされています。前述の夜間勃起の意義から考えても、勃起そのものはペニスにとってトレーニングであり、朝であれ夜であれ勃起状態で性行為を行うこと自体は生理的に問題ありません。それどころか、後述するように朝はホルモン状態も良く性欲が高いため、朝のセックスにはプラスの面が多いのです。

朝のセックスはむしろED改善の味方?

「朝のセックス=EDになる」という噂とは逆に、朝のセックスはEDの改善や予防に有用である可能性すら指摘されています。例えば、夜は勃起がうまく維持できないような軽度のEDに悩む男性でも、朝の自然な勃起力を活かせばその硬さを保ったままスムーズに性行為に入れる可能性があります。実際、「朝勃ちを活かせば、EDの人でも硬さをキープしたままセックスができる可能性があります」という専門家の意見もあります。

言い換えれば、朝は身体が勝手に勃起をアシストしてくれるため、勃起力に不安がある人でもセックスしやすい時間帯だということです。さらに、定期的に性的な活動(パートナーとのセックスやマスターベーション)を行うこと自体が、勃起機能の維持に役立つとも考えられています。ある研究では、定期的に性交渉を持つ男性高齢者は、性交渉の頻度が低い人に比べてEDの発症率が低かったとの報告もあります。

セックスを含む性的な刺激は陰茎への血流を促し組織の酸素供給を高めますから、適度な性的活動は勃起機能を良好に保つトレーニングとも言えるでしょう。したがって、「朝だからセックスはやめた方が良い」どころか、朝に限らず適度なセックスはむしろ健康的であり、ED予防の観点からもプラスに働くといえます。注意すべき点があるとすれば、パートナーとの意思疎通でしょう。

朝は男性側の性欲が高く勃起もしやすいため、そのままセックスに持ち込みたくなるかもしれません。しかしパートナーにとって朝が都合の悪い場合や、十分な同意・準備がないまま行えば、心理的なストレスを与えてしまう可能性があります。性行為そのものは体に悪くなくても、お互いがリラックスしていない状態では満足いく結果にならず、それがトラウマとなって心理的EDを招くケースも考えられます。ですから、朝セックスをする際もパートナーへの配慮や合意は大切です。この点は朝に限らず性行為全般のマナーと言えるでしょう。

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朝の性欲とテストステロン:朝セックスはむしろおすすめ?

男性の体内でテストステロン(男性ホルモン)の分泌量は、一日の中で早朝に最も高く、夕方〜夜に向けて低下していく日内リズムがあります。つまり、朝は男性の性欲が最も高まりやすい時間帯なのです。実際、夜間の睡眠中にテストステロンが蓄えられ、起床時にその血中濃度がピークに達することが知られています。

そのため朝は勃起力やスタミナも高く、男性が最も「性的な欲求を感じやすい」時間帯と言えます。いわゆる朝立ちが起こるのも、このホルモン変動が一因となっているわけです。朝の高いテストステロン値は、性欲だけでなく性的パフォーマンスにも好影響を与えます。

ある報告では「男性は睡眠中に翌日に備えてテストステロンを十分に蓄積しており、起き抜けには最大で約3時間の性交に耐え得るだけのホルモンが用意されている」とも言われています。テストステロンは性欲や勃起機能を高める重要な役割を果たすため、朝にホルモン値が高いことはそれだけセックスの満足度向上につながりやすいと考えられます。事実、男性だけでなく女性にとっても朝はエストロゲン(卵胞ホルモン)が比較的高めで、心身ともに性的な感度が高まりやすい時間帯です。

男女ともにホルモンバランスが性行為に適した状態にあるのが朝なのです。以上のことから、朝のセックスには多くのメリットがあります。男性は高いテストステロンにより性欲旺盛で勃起もしっかり維持でき、夜よりも体力が充実しているため性交のパフォーマンスが向上します。女性にとっても朝は比較的コンディションが良く、感度が高まることでお互いに満足しやすい傾向があります。

さらに、朝の性的な充足は心身のリフレッシュ効果をもたらし、一日のストレス緩和やパートナーとの親密度向上にも寄与するでしょう。科学的にも、オーガズム時には幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンやエンドルフィンが分泌されるため、朝セックスをすることでポジティブな気分で一日をスタートできるという精神的メリットも期待できます。まとめると、朝のセックスは決して体に悪いどころか、肉体的・精神的にプラスの効果が見込めるのです。重要なのはパートナーとの同意とタイミング調整ですが、双方が前向きであれば朝という時間帯を積極的に活用しない手はありません。高いホルモンレベルと朝立ちという自然現象を上手に利用すれば、夜よりも満足度の高い性体験が得られることも多いでしょう。

▶️ 合わせて読みたい記事:健康のバロメーター:朝立ち頻度低下と勃起力低下の原因

まとめ

「朝立ちを利用してのセックスは体に良くない」という噂について、専門医の立場から詳しく解説しました。結論として、この噂に医学的根拠はなく、朝立ちセックスがEDの原因になることはありません。朝立ちは男性の正常な生理現象であり、男性機能を維持するためのポジティブな役割を果たしています。

 

むしろ、勃起しない期間が長く続く方がEDリスクを高めることから、朝にしろ夜にしろ適度に性的活動を持つことは健康的だと言えます。特に朝はテストステロンがピークとなり性欲・勃起力が最大になるため、朝のセックスは肉体的にも心理的にも良い効果が期待できます。大切なのは、そうした体のリズムを正しく理解し、パートナーと協調して活用することです。

 

世代を問わず、「朝だから性行為は避けた方がいい」といった誤った思い込みに惑わされる必要はありません。不安がある場合は専門医に相談し正しい知識を得ることで、健全な性生活と男性機能の維持につなげてください。朝立ちはあなたの体からのメッセージであり、それを上手に活かすことは男性の健康とパートナーシップにとってむしろ良いことなのです。

 

最後に補足ですが、もし最近朝立ちの頻度や硬さが明らかに低下していると感じる場合には、生活習慣の見直しや医師への相談を検討しましょう。朝立ちの減少は加齢による男性ホルモン低下(いわゆる男性更年期)や循環器系の問題、ストレスなど様々な要因のサインである可能性があります。適切な対応をとることで、何歳になっても活力ある性生活を送り、心身の健康を保つことができるでしょう。朝の時間帯もうまく活用しながら、充実した性生活と男性機能の維持に努めてください。自分の体と上手に付き合い、正しい性の知識をもって日々を過ごしていきましょう。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。テストステロンブースターサプリ「TB-1」の開発者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。

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