形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2024/07/14
公開日:2024/07/14

近年、術後の痛み止めとして広く使用されているトラマドール(トラマール)が、実は早漏の治療にも有効であることが明らかになってきました。これについての研究が増えており、注目を集めています。このブログ記事では、トラマドールの早漏に対する効果について、最新の研究結果を交えながら詳しく解説します。また、どのようにしてトラマドールが早漏の治療に役立つのか、そのメカニズムや実際の使用方法についても触れていきます。これにより、早漏に悩む多くの男性にとって、トラマドールが新たな選択肢となる可能性を探ります。
トラマドールは、主に中等度から重度の痛みを緩和するために使用される強力な鎮痛薬です。日本では「トラマール」や「ワントラム」といった商品名で広く処方されています。以下に、トラマドールがどのようにして痛みを軽減するのか、そのメカニズムについて詳しく説明します。
■作用機序
トラマドールは、二つの主要なメカニズムを通じて痛みを緩和します:
オピオイド受容体への結合: トラマドールは脳内のオピオイド受容体に結合し、痛みの信号伝達を阻害します。この作用により、痛みの知覚が著しく減少します。オピオイド受容体への結合は、モルヒネやその他のオピオイドと同様の方法で行われますが、トラマドールは比較的低いリスクで依存を引き起こします。
セロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込み阻害: トラマドールは、セロトニンおよびノルエピネフリンといった神経伝達物質の再取り込みを阻害することにより、痛みの伝達を抑制します。この作用は、抗うつ薬の一部が行う方法と類似しており、鎮痛効果を発揮するだけでなく、気分の改善にも寄与することがあります。
これらのメカニズムにより、トラマドールはさまざまな痛みの管理において非常に効果的な薬剤となっています。例えば、手術後の痛み、慢性的な痛み、神経痛など、広範囲の痛みに対して使用されます。

↑トラマドール(トラマール)
原文タイトル:Tramadol HCL has promise in on-demand use to treat premature ejaculation(2008年)
これは、トラマドールが早漏治療に有効であることを初めて示した論文です。本研究では、オンデマンド早漏治療におけるトラマドールの有効性を検証しました。膣内射精潜伏時間(IELT)を、治療の有効性を評価する客観的指標として使用しました。
方法:60名の生涯早漏患者を対象に、単盲検、プラセボ対照、クロスオーバー、ストップウォッチモニターによる2期間試験を実施しました。早漏は性交エピソードの80%においてIELTが2分未満と定義されました。一方の群(30人)には性交前にトラマドール25mgを、もう一方の群(30人)にはプラセボを8週間投与しました。薬剤は性行為の1〜2時間前に服用し、性行為は少なくとも週に1回行うことが求められました。
最初の治療期間終了後、2つのグループはさらに2ヶ月間交互に薬を服用しました。2つの8週間の治療期間の間には1週間の休薬期間が設けられました。IELTは性交のたびにストップウォッチで計時され、患者またはパートナーによって報告されました。
結果:治療前の患者のベースライン(平均±SD)のIELTは1.17±0.39分でした。有効薬剤を用いた治療期間終了時、トラマドール投与患者では平均IELTが7.37±2.53分と有意に増加しました。一方、プラセボ投与群では平均IELTが2.01±0.71分でした。
結論:患者たちは一様に、射精をコントロールできるようになったことに満足していると報告しました。これにより、トラマドールは早漏治療薬として非常に有望であることが示されました。
出典元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17362279/
原文タイトル:Safety and efficacy of tramadol hydrochloride with behavioral modification in the treatment of premature ejaculation(2011年)
方法:72名の早漏男性を無作為に治療群と対照群に分け、治療群には性行為予定の約2時間前にトラマドール50mgを服用し、さらにストップ&スクイーズ法などの行動療法を併用しました。対照群には行動療法のみを行い、いずれも8週間の治療期間を設けました。治療の効果を評価するために、膣内射精潜伏時間(IELT)、パートナーの性交満足度、総治療効果、副作用、患者の肝・腎機能を治療前後で比較しました。
結果:治療群と対照群の両方でIELTと性交満足度において有意な改善が見られましたが、特に治療群ではより顕著な改善が確認されました。具体的には、治療群の総有効率は72.2%であり、対照群の47.2%を大きく上回りました。また、治療前後の肝機能および腎機能には統計学的に有意な差は見られませんでした。
結果:トラマドールは早漏治療において、膣内射精潜伏時間の延長とパートナーの性交満足度の向上に寄与することが示されました。また、安全性の面でも問題はなく、肝機能や腎機能に悪影響を及ぼさないことが確認されました。
出典元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21735655/
原文タイトル:A randomized double-blind, placebo-controlled multicenter study to evaluate the efficacy and safety of two doses of the tramadol orally disintegrating tablet for the treatment of premature ejaculation within less than 2 minutes(2011年)
目的:本研究の目的は、トラマドール口腔内崩壊錠(Zertane)の安全性と有効性を評価し、具体的には膣内射精潜伏時間(IELT)の延長および早漏スコアの改善効果を検証することです。
方法:この研究は欧州の62施設で実施された、同一条件で行われた2つの12週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験の統合解析を基にしています。対象となったのは、18歳から65歳の健康な男性604名で、全員が生涯早漏の既往があり、IELTが120秒以下でした。被験者は無作為に3つのグループに分けられました:
・プラセボ群(n=200)
・トラマドール62mg群(n=206)
・トラマドール89mg群(n=198)
結果:トラマドールは、プラセボと比較してIELTの中央値を有意に延長する効果を示しました。具体的には、各群でのIELTの増加は以下の通りです:
・プラセボ群:0.6分(1.6倍)
・トラマドール62mg群:1.2分(2.4倍)
・トラマドール89mg群:1.5分(2.5倍)
結論:性行為前に62mgのトラマドールを服用することは、早漏治療において有効かつ安全な低用量治療法であることが確認されました。これにより、軽度から重度の早漏を管理するための新たな選択肢が提供されることとなります。
出典元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21889833/
原文タイトル:On-demand tramadol hydrochloride use in premature ejaculation treatment(2011年)
方法:本研究では、早漏症患者60名を対象に、単盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施しました。患者は無作為に2群に分けられ、各群は30名で構成されました。性行為前にトラマドールまたはプラセボを服用し、8週間の治療期間を設けました。早漏は性交エピソードの90%において膣内射精潜伏時間(IELT)が60秒以下と定義されました。研究では、トラマドールの有効性を膣内射精潜伏時間(IELT)、射精コントロール能力、および性的満足度スコアを基に評価しました。すべての参加者は自発的に研究を完了し、両群とも患者属性において類似していました。
結果:試験終了時、トラマドール群はプラセボ群と比較して、IELT、射精コントロール能力、および性的満足度スコアのいずれにおいても有意に高い値を示しました。具体的には、トラマドール群のIELTはプラセボ群に比べて顕著に延長し、患者の射精コントロール能力と性的満足度も大幅に改善されました。
結論:低用量トラマドールのオンデマンド使用は、生涯にわたる早漏の治療において有効であることが示されました。現在、早漏治療にはダポキセチンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が一般的ですが、トラマドールも一次的な早漏治療の有望な代替薬となる可能性があります。この研究結果は、トラマドールが早漏治療における新たな選択肢となり得ることを示唆しています。
出典元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22088571/
原文タイトル:Comparative study between tramadol (50 mg) on demand and paroxitine HCl (20 mg) on demand in the treatment of premature ejaculation(2011年)
方法:単盲検基礎試験において、性交の80%において膣内射精潜伏時間(IELT)が2分未満の患者50名を1群として、性交の3~4時間前にパロキセチン(20mg)を3週間、少なくとも10回連続性交するよう勧め、その後プラセボを使用し、その後トラマドール(50mg)を同様に使用しました。
結果:トラマドール(50mg)3週間投与前後のIELTの差の平均は6.33±2.385分でした。パロキシチン(20mg)の3週間投与前後のIELTの差の平均は2.23±1.66分でした。プラセボ3週間投与前後のIELTの差の平均は1.23±0.87分でした。
結論:トラマドール(50mg)は、早漏治療において性行為前のパロキセチン(20mg)よりも有意に良好な結果をもたらしました。この結果は、早漏に悩む多くの男性にとって、トラマドールが有効な治療オプションとなる可能性を示唆しています。
出典元:
原文タイトル:Safety and efficacy of tramadol hydrochloride on treatment of premature ejaculation(2013年)
方法:本研究では、トラマドールが早漏治療においてどの程度の安全性と有効性を持つかを評価するために、生涯早漏を患う300名の男性を対象に行われました。試験は28週間にわたり、最初の4週間はプラセボ(デンプン錠)を投与し、その後24週間はトラマドールの異なる用量を投与しました。患者は100人ずつ、トラマドール25mg投与群、トラマドール50mg投与群、トラマドール100mg投与群の3つのグループに分けられました。
全ての参加者は自発的に試験を完了し、対象者の年齢は25歳から50歳の範囲でした。主な評価指標は膣内射精潜伏時間(IELT)の変化であり、これを基にトラマドールの有効性を測定しました。
結果:全てのグループで、治療前と比較してIELTの平均値が有意に延長されました。副作用は全グループで最小限に抑えられ、トラマドールの忍容性が示されました。
結論:本研究の結果から、性交前にトラマドールを使用することは、早漏治療において非常に効果的で安全であることが確認されました。副作用も最小限であったため、早漏治療の選択肢としてトラマドールを推奨することができます。
出典元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23103596/
■トラマドールの一般的な副作用
吐き気: トラマドールを服用することで、胃の不快感や吐き気を感じることがあります。これは薬の成分が胃腸の働きに影響を与えるためです。
便秘: トラマドールのオピオイド作用により、腸の動きが遅くなり、便秘を引き起こすことがあります。適切な水分摂取と食物繊維の摂取が対策として有効です。
眠気: トラマドールは中枢神経に作用するため、眠気を誘発することがよくあります。運転や機械操作を行う際には注意が必要です。
めまい: 薬の効果により血圧が低下し、めまいを感じることがあります。急に立ち上がる際には特に注意が必要です。
頭痛: トラマドールは血管に影響を与えるため、頭痛を引き起こすことがあります。
■トラマドールの稀な副作用
アレルギー反応: 皮膚の発疹やかゆみ、呼吸困難などのアレルギー反応が現れることがあります。
精神的な副作用: 一部の患者では、不安感、錯乱、気分の変動などの精神的な副作用が報告されています。
依存性と乱用のリスク: トラマドールはオピオイドの一種であり、依存性や乱用のリスクがあります。長期使用は避け、医師の指導の下で使用することが重要です。
出典元:
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00063379.pdf
トラマドールが早漏に対して効果を発揮するメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの重要な作用があります。まず、トラマドールはオピオイド受容体に作用し、感度を低下させることで、射精反射を鈍らせ、射精を遅らせると考えられています。また、トラマドールはセロトニンの再取り込みを阻害し、脳内のセロトニン濃度を高める効果もあります。セロトニン濃度の低下が早漏の主要因とされており、この作用によって射精のタイミングを遅らせることができるのです。この二重の作用機序によって、トラマドールは早漏治療において有効であるとされています。
さらに、トラマドールは比較的副作用が少なく、安全性が高い薬剤とされています。ただし、トラマドールは弱いオピオイド活性を持つため、乱用や依存のリスクが懸念されます。使用に際しては、医師の指導の下で適切な用量を守ることが重要です。適切な管理のもとで使用すれば、トラマドールは早漏に悩む多くの男性にとって効果的な治療法となる可能性があります。
■早漏に対するトラマール(トラマドール)の使用方法
トラマール🄬を使用するのが初めての場合、トラマール🄬25mgをセックスの1時間前に内服します。数回試して、効果が弱い場合はトラマール🄬50mgに増やします。

まとめ
このブログ記事では、通常は痛み止めとして処方されているトラマドール(トラマール)が早漏に対しても効果を持つことを、多くの研究論文を通じて紹介・解説しました。数々の論文が示すように、トラマドールは早漏治療においても有効であることが証明されています。
トラマドールの使用にあたっては、乱用や依存のリスクがあるため、適切な医療管理が重要です。しかし、適切な指導の下で使用すれば、早漏に対する新たな治療選択肢として非常に有望です。この記事が早漏に悩む方々にとって有益な情報となり、トラマドールの可能性を理解する一助となれば幸いです。
なお、筆者のクリニックではトラマドールを早漏治療の一環として処方しております。早漏に関するご相談やトラマドールの使用について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。お一人お一人に合った最適な治療法をご提案いたします。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。
※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。
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