形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2025/06/24
公開日:2025/06/27

包茎手術では、傷口を縫合するために「抜糸が必要なナイロン糸(非吸収糸)」と「抜糸不要の溶ける糸(吸収糸)」の2種類の縫合糸が使用されます。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、「抜糸は必要なのか?」「溶ける糸との違いは何か?」と悩む方も多いでしょう。
本記事では包茎手術を検討している男性に向けて、ナイロン糸と吸収糸の違いをわかりやすく解説します。手術後の痛みや仕上がり、糖尿病などの体質への適性も含めて説明しますので、自分に合った選択肢を理解し、納得して判断できるようになるはずです。
包茎手術では、余分な包皮を切除した後に傷口を縫合します。この縫合に使われる糸には大きく分けて2種類があります。
どちらの糸を使うかはクリニックや医師、患者の希望によって決まります。それぞれメリット・デメリットが異なり、仕上がりの美しさや術後の通院回数などに影響します。以下でナイロン糸と吸収糸の特徴を詳しく見ていきましょう。
ナイロン糸は非吸収性の縫合糸で、時間が経過しても体内に吸収されないため放置すると体内に残り続けます。そのため、包茎手術では傷が十分治ったタイミングで抜糸が必要になります。通常、手術後約2週間で抜糸を行うケースが多く、この時期まで糸が傷口を固定していれば治癒には十分とされています。
ナイロン糸は一本の繊維(モノフィラメント)でできており、表面がツルツルしているため傷口の組織と癒着しにくい性質があります。そのおかげで抜糸の際もスルッと抵抗なく抜けるため、抜糸時の痛みは比較的少ないとされています。現代の美容外科や形成外科では、髪の毛ほどの極細ナイロン糸を使うこともあり、適切に縫合・抜糸すれば痛みはほとんど感じない程度です。
とはいえ、デリケートな部分の抜糸ですので若干のチクッとした痛みを感じる場合もあります。しかし麻酔を必要とするような激しい痛みではなく、数分で終わる処置です。

↑ナイロン糸で縫合した包茎手術後
吸収糸は体内で分解・吸収される素材で作られた縫合糸です。傷の中に残った部分が体液で徐々に加水分解されてもろくなり、最終的に繊維が切れてポロッと外れる仕組みになっています。完全に「水に溶けて消える」というよりは、体内に埋まった部分が溶解して糸がちぎれ、抜け落ちるイメージです。
包茎手術で吸収糸を使った場合、抜糸のための通院は不要です。そのため術後の来院を一度で済ませたい人や、仕事が忙しく再来院が難しい人、遠方から手術に来た人には大きなメリットになります。実際、「通院が不要」という点が吸収糸最大のメリットであり、忙しいビジネスマンや地方在住者に向いているとされています。
吸収糸で縫合した傷口の糸は、一般的に術後3~4週間程度で自然に取れてきます。糸の素材や太さによって多少前後しますが、多くの場合約1か月弱は糸が傷口に残った状態です。クリニックによっては「2週間ほどで溶け始め、1ヶ月後にはほぼ無くなる」と説明するところもありますが、完全になくなるまで1か月以上かかるケースもあります。いずれにせよ、ナイロン糸に比べて長期間にわたり傷に糸が残存する点が特徴です。

↑吸収糸で縫合した包茎手術後

包茎手術後の痛みについても、ナイロン糸と吸収糸のどちらを使うかで若干状況が変わります。術後すぐの傷の痛み自体は糸の種類に関わらず、麻酔が切れた後ではズキズキすることがありますが、問題は勃起時の痛みです。
術後、傷口が治るまでの間に勃起すると、糸で縫ってある部分が突っ張って痛みを感じることがあります。特に包茎手術では亀頭のカリ首(冠状溝)のあたりを一周ぐるりと縫合するため、勃起時に陰茎が太く膨張しようとしても縫合糸がかかっている部分は皮膚が広がれず締め付けが発生します。この締め付けが原因で「糸が付いた状態で勃起すると痛い!」という現象が起こります。
具体的には、夜間就寝中の無意識の勃起で「うっ、痛む…ああまた糸のせいか」と目が覚めてしまうケースが多いのです。人間は睡眠中90分周期で浅い眠りと深い眠りを繰り返し、浅い眠りのとき勃起しやすいと言われます。そのため術後の傷がある時期は、就寝中に何度も勃起→痛み→覚醒を繰り返し、熟睡しにくいことさえあります。
この勃起時の痛みが持続する期間に、糸の種類の違いが影響します。ナイロン糸の場合、上述のように約2週間で抜糸しますから、少なくともそれ以降は糸による締め付け痛みから解放されます。実際、抜糸が終わった患者さんは「夜中に痛みで起きることがなくなり、本当にホッとする」と晴れ晴れした表情になるそうです。
一方、吸収糸の場合は糸が自然に取れるまで3~4週間(場合によっては5週間以上)かかるため、その間ずっと勃起時の突っ張り痛みが続く可能性があります。つまり、吸収糸だと術後の痛みや違和感の期間が長引くことになります。特に若い男性は就寝中もしばしば勃起しますから、そのたびに痛みで眠りを妨げられるとストレスになるでしょう。
また、抜糸そのものの痛みについても触れておきます。ナイロン糸使用の場合は抜糸時にハサミで糸を切って引き抜きますが、前述したように現在の縫合技術では抜糸の痛みはごくわずかです。麻酔も不要で、ちょっとチクっとする程度で済みます。
ただし傷口が完全に治る前にハサミを入れる処置ですから、精神的緊張はあるでしょう。一方、吸収糸は抜糸処置がないのでそうした心配は無用ですが、その代わり傷に糸が付いている違和感や生活上の注意が長期間必要になります。術後のシャワーや入浴、性行為再開の時期も、吸収糸だと糸が残っている間は慎重になる必要があり、一般にナイロン糸より制限期間が長いです。

筆者も美容外科医の立場から述べると、やはり仕上がりの美しさを最優先に考えるならナイロン糸による縫合(抜糸式)を基本的におすすめします。抜糸の手間はありますが、その分早く糸を除去でき、傷跡への影響を最小限にできるためです。多くの形成外科医が「抜糸をするのは、反応の少ない糸を使って傷跡をきれいに治すため」と説明しています。事実、当院(筆者のクリニック)でも美容目的の包茎手術では極細のナイロン糸で丁寧に縫合し、術後約2週間で抜糸を行う方法を基本としています。その結果、縫合跡がほとんど分からない自然な仕上がりにすることが可能です。
特に以下のような方はナイロン糸(抜糸式)が向いているでしょう。
もっとも、吸収糸にも先ほど述べましたように利点はあります。遠方から来院する患者さんや多忙な方には、「一度の手術で完結する吸収糸も選択肢として有効」です。
まとめると、「仕上がり重視で術後の管理に余裕があるならナイロン糸」、「通院回数を減らしたい・多少の傷跡より利便性重視なら吸収糸」と言えるでしょう。
まとめ
包茎手術における「抜糸の有無」は、術後の負担や仕上がりに関わる大事なポイントです。どちらにも一長一短がありますが、本記事で述べた特徴を整理すると以下のようになります。
大切なのは、自分の優先事項が何かを考えることです。「絶対に傷跡を目立たせたくない」「多少通院が増えても完璧を目指したい」のであればナイロン糸が向いています。一方で「とにかく忙しくて通院できない」「多少傷跡が残っても構わないから手軽に済ませたい」という場合は吸収糸が適しているでしょう。
迷う場合はカウンセリングで医師に正直に相談してみてください。経験豊富な医師であれば、あなたの健康状態やライフスタイルを踏まえてベストな方法を提案してくれるはずです。どちらの方法でも適切にケアすればしっかり治癒し、時間とともに傷跡も落ち着いていきます。「包茎手術後の抜糸」について理解を深めた上で、自分に合った選択肢を選び、安心して治療に臨んでください。きっと術後の生活も快適になり、自信を持って日々を過ごせるようになるでしょう。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。
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