形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2024/08/13
公開日:2024/08/13

梅毒の感染者数は最近増加しており、ニュースでもしばしば取り上げられるほどです。私のクリニックでも、血液検査において梅毒陽性の患者さんが確認されています。梅毒は一昔前の病気と考えられがちですが、現代においても感染を放置すれば重大な健康問題を引き起こす可能性があるため、十分な注意が必要です。特に初期段階では症状が見過ごされがちであり、そのため早期発見と治療が非常に重要です。このブログでは、日本における梅毒感染の最新状況を詳しく解説し、治療方法や予防策についても詳述します。梅毒について正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、感染拡大を防ぎ、健康を守ることができます。この記事を通じて、読者の皆様に梅毒についての理解を深めていただき、安心して日常生活を送れるよう、情報を提供してまいります。
梅毒は、梅毒トレポネーマ(学名:Treponema pallidum)という細菌によって引き起こされる性感染症です。戦後、ペニシリンの導入により感染者数は大幅に減少しました。しかし、2000年代以降、性的行動の多様化に伴い、感染者数は徐々に増加し、2015年以降には急激な増加が見られます。梅毒の初期症状は軽微で見過ごされがちですが、この段階で治療を受けると完治が可能なため、早期の発見と治療が鍵となります。ただし、治療が遅れると、梅毒は全身に多様な症状を引き起こし、深刻な健康リスクを伴う可能性があります。また、母子感染によって流産や死産、先天梅毒などが発生する危険性もあります。

出典元:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html
梅毒の感染経路 梅毒は、主に性的接触を介して伝播する細菌性感染症です。以下に、梅毒の主な感染経路について詳しく説明します。
■性行為
梅毒は膣内性交、オーラルセックス、アナルセックスなどを通じて感染します。感染者の性器や口、肛門に存在する病変から、梅毒トレポネーマという細菌が非感染者の粘膜や傷口に侵入し、感染が広がります。
■キス
感染者の口内や唇に病変がある場合、キスを通じて感染することがあります。唾液中に含まれる梅毒トレポネーマが、相手の口内にある傷を通じて侵入する可能性があるため、注意が必要です。
■母子感染(先天性梅毒)
妊娠中の母親が梅毒に感染している場合、胎盤を通じて胎児に感染し、先天性梅毒を引き起こすことがあります。これにより、胎児に深刻な健康問題が生じる可能性があります。
■血液感染
血液を介した感染は非常に稀ですが、感染者の血液が他者の血流に直接入ることで感染することがあります。これは通常、針の共有などの不適切な医療行為が原因です。
以上のように、梅毒は通常の性行為やキスを介して感染する性病です。
■しこり
梅毒の初期症状は痛みを伴わないとして現れるのが最も一般的です。このしこり(初期硬結と呼ばれる)は、主に感染部位に現れます。典型的には性器に現れますが、感染経路に応じて口の中や喉、肛門など、性器以外の部位にも発症することがあります。これは、梅毒が性的接触やキスなどを通じて感染するためです。
このしこりは、潜伏期間(通常3〜6週間)を経て、感染後1週間から13週間後に痛みのない硬いしこりとして現れます。また、しこりのある部位によっては、その周囲のリンパ節が腫れることもあります。
■潰瘍
梅毒の初期症状であるしこりは、時間の経過とともに中心部が壊死して潰瘍に進行することがあります。この潰瘍は硬性下疳と呼ばれ、通常、直径が1cm未満で、周囲は硬く隆起しています 。この潰瘍は、治療を受けなくても3〜6週間で自然に消退しますが、これは感染が治ったわけではなく、梅毒が体内で進行しています。
しこりが潰瘍になる確率は、感染した部位や個人の免疫状態によって異なることがありますが、しこりが潰瘍化するのは梅毒の自然経過の一部であり、感染者の多くに見られる特徴的な症状です。初期のしこりが全て潰瘍化するわけではないものの、多くの場合で観察されるため、梅毒の診断において重要な指標となります。
■男性の典型的な初期症状
亀頭や包皮に、痛みを伴わないしこりや潰瘍が生じます。鼠経股リンパ節(股の付け根)が腫れることがあります。これも無痛性で、この状態を無痛性横痃(むつうせいおうげん)と言います。
以上の第1期の症状を放置しても、2~3週間で自然に消退し、約3か月後の第2期の症状があらわれるまで無症状となります。感染後4週間を経過すると、血液検査で陽性反応が出るようになります。
■無症状
梅毒の初期症状としてのしこり(硬性下疳)が現れないこともあります。梅毒は「Great Imitator(偉大な模倣者)」とも呼ばれるほど多様な症状を呈する感染症で、典型的な症状が現れない場合もあります。また、感染が口腔内や直腸内など、外部から確認しにくい場所で起きた場合、しこりがあっても気づかれないことがあります。
また、進行しても症状が現れない場合があります。無症状であっても、感染は進行し続け、他者に感染させる可能性があります。

↑梅毒の陰茎潰瘍(第1期)
梅毒感染から約3か月経過した状態を第2期梅毒と呼び、この段階では感染が全身に広がり、多様な症状が現れます。第1期の症状が現れてから4〜10週間後、梅毒トレポネーマが血流を通じて全身へと移行し、下記の多彩な臨床症状を引き起こします。
■梅毒性バラ疹:
体の中心部や四肢、顔面などに淡紅色のブツブツ(発疹)が現れます。特に手のひらや足の裏にも発症しやすく、痛みやかゆみがないため見過ごされがちです。これらの発疹は数週間で自然に消退することが多く、第2期の早期に見られる典型的な症状です。
■丘疹性梅毒疹:
感染後約12週間で現れる、赤褐色から赤銅色の小豆大からエンドウ豆大の丘疹です。手のひらや足の裏にも発症し、バラ疹と同様に見過ごされることがあります。
■扁平コンジローマ:
陰嚢、外陰部、肛門周囲に形成される扁平で隆起した腫瘍です。これらの病変には梅毒トレポネーマが多数存在し、他者への感染源となることが多いです。
■梅毒性アンギーナ:
咽頭部に形成されるびらんや潰瘍で、痛みを伴うことがあります。
■梅毒性脱毛:
頭髪が不均一に虫食い状に抜けることが特徴であり、見た目の変化が顕著です。
■膿疱性梅毒疹:
全身に広がる膿疱で、丘疹性梅毒疹から進行することがあります。
■経過と注意点
第2期の症状は、数週間から数ヶ月にわたり発症と自然消退を繰り返しますが、これは一時的なものであり、治療しないと第3期、第4期へと進行する可能性があります。これらの症状は多岐にわたるため、見過ごされることが多いですが、早期に医療機関を受診して正確な診断を受けることが重要です。

↑梅毒性バラ疹
第3期梅毒は、梅毒感染後3年から10年が経過し、適切な治療が行われなかった場合に進行する重篤な段階です。この段階では、感染が全身に及び、さまざまな臓器に深刻な影響を与えます。
第3期梅毒の代表的な症状として、ゴム腫と呼ばれるゴム状の腫瘍があります。ゴム腫は非特異的な肉芽腫であり、皮膚、粘膜、骨を含むさまざまな臓器に形成されます。ゴム腫は周囲の組織を侵食し、破壊することがあるため、身体に大きな損傷を与えることがあります。特に鼻の骨が侵されると「鼻が落ちる」(鞍鼻という状態)という特徴的な症状が見られることがありました。
第3期梅毒のゴム腫によって損傷した臓器は治療で元に戻すことが困難になります。ペニシリンによる治療により、さらなるダメージを防ぎ、症状の進行を抑えることが期待できますが、すでに受けた損傷の回復には限界があります。

↑梅毒による鞍鼻(鼻が落ちた状態)
梅毒の第4期は、感染から10年以上経過した後に進行する最も重篤な段階です。この段階では、特に心血管系や神経系に深刻な影響を及ぼします。
■心血管系への影響:
大動脈炎や大動脈瘤: 梅毒トレポネーマが大動脈の壁に感染し、動脈瘤を形成します。これにより心臓弁に影響が出ることがあり、高血圧や心不全を引き起こすことがあります 冠状動脈炎: 心臓を栄養する冠状動脈が狭窄し、心筋梗塞のリスクが増します。
■神経系への影響:
神経梅毒: 脳や脊髄が侵されることで、麻痺、錯乱、記憶喪失、幻覚などの神経症状が現れます。これらは神経系の深刻な損傷によるもので、進行すると生活に大きな影響を及ぼします。
進行性麻痺: 認知機能や行動に影響を及ぼし、精神的な症状を引き起こすことがあります。
■現在の状況
現代では、梅毒の第4期に進行するケースは非常に稀です。これは、感染初期の段階で診断と治療が行われることが多く、進行が抑えられるためです。抗菌薬による早期治療が可能であるため、第4期のような重篤な症状が発現する前に感染を制御することが一般的です。
梅毒の確定診断は、血液検査で行われます。しかし、感染初期の潜伏期間(感染後3〜6週間)では、体内での抗体の生成が十分ではないため、血液検査で陽性反応が出ないことがあります。このため、感染の可能性がある行動をとった後に梅毒が疑われる場合、初回の血液検査が陰性であったとしても、一定期間を置いて再検査を受けることが推奨されます。再検査により、感染が進行し、抗体が十分に生成された後の陽性反応を確認することができます。
梅毒の治療において最も効果的で推奨されるのは、ペニシリンGの注射です。この治療法は、すべての段階の梅毒に対して有効です。治療の具体的な内容は、感染の進行段階と臨床症状によって異なります。
■治療の詳細
早期梅毒: 初期段階(第1期および第2期)の梅毒には、ベンザチンペニシリンGを1回注射することで治療が完了します。
後期梅毒: 後期梅毒(第3期および潜伏梅毒)には、ペニシリンGを週に1回、3週間連続で注射します。神経梅毒の場合は、より高用量のペニシリンを必要とし、通常10〜14日間、静脈注射で投与されます。
■ペニシリンアレルギーの場合
ペニシリンアレルギーを持つ患者には、他の抗生物質であるドキシサイクリンやセフトリアキソンが代替治療として用いられます。ただし、ペニシリンが唯一の選択肢である場合、特に神経梅毒や先天性梅毒の治療では、ペニシリンの脱感作が行われることもあります 。
梅毒は、適切な予防策を講じることで感染リスクを大幅に減少させることができます。以下に、効果的な予防方法を詳しく解説します。
■安全な性行為の実践
コンドームの使用: 性行為の際には、コンドームを正しく使用することで、感染リスクを大幅に減少させることができます。ただし、コンドームは性器の全てを覆うわけではないため、覆われていない部分が感染源となる可能性もあります。
相手の健康状態の確認: 性的パートナーと健康状態についてオープンにコミュニケーションをとり、最近の性感染症の検査結果を確認することが重要です。また、不特定多数と性交を行う人との性行為を避けることも考慮すべきです。
■ドキトペップの実践
梅毒予防における革新的な手法として、ドキトペップ(doxy-PEP)が注目されています。ドキトペップは、性交後にビブラマイシンという抗生物質を服用することで、性感染症(STI)への感染を予防する方法です。
ドキトペップは、梅毒やクラミジア、淋病に対する予防効果が確認されています。研究によると、性交後24〜72時間以内に200mgのビブラマイシンを服用することで、梅毒とクラミジアの感染リスクを約70%減少させることができるとされています 。
■定期的な健康診断
性感染症検査: 梅毒を含む性病の定期的な検査を受けることで、早期発見と早期治療が可能になります。特に複数のパートナーがいる場合や、新しいパートナーと関係を持つ前に検査を受けることが推奨されます 。
Q: コンドームを着用して性行為を行っても感染しますか?
A: コンドームは梅毒を予防する有効な手段の一つですが、完全に感染を防ぐことはできません。コンドームが覆っていない部分の皮膚や粘膜に病変がある場合、感染の可能性が残ります。また、キスやオーラルセックスでも感染する可能性がありますので、注意が必要です
Q: 梅毒はキスでうつりますか?
A: はい、梅毒はキスによって感染する可能性があります。特に口腔内に病変がある場合、キスを通じて相手に感染が広がることがあります。
Q: 梅毒は完治する病気ですか?
A: 梅毒は適切な抗菌薬治療によって完治可能な病気です。ただし、症状が改善しても、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って完了させることが重要です。
Q: 梅毒は1回の性行為で移りますか?
A: はい、梅毒は1回の性行為でも感染する可能性があります。感染力は高く、感染者の病変や体液が直接触れることで、15〜30%の確率で感染することがあります。性器だけでなく、口や喉、肛門の粘膜からも感染することがあります。
Q: 梅毒はお風呂で感染しますか?
A: お風呂で梅毒に感染するリスクはほとんどありません。傷のない健康な皮膚からは感染しないため、通常の日常生活での感染は心配ありません。
Q: 梅毒はトイレの便座から感染しますか?
A: 梅毒は空気感染や飛沫感染では広がりません。同じトイレやお風呂を使用するだけでは感染しません。感染は主に性的接触を通じて広がります。
Q: 梅毒は一生残りますか?
A: 治療によって梅毒は完治します。ただし、梅毒の細菌に対する抗体が血液中に一生残りますが、これは健康上の問題を引き起こすものではありません。
Q: 梅毒は何年で死に至りますか?
A: 梅毒が治療されない場合、数年から数十年の間に深刻な合併症を引き起こし、心臓や血管、脳などに病変が生じることがあります。これにより、最終的には致命的な状態に至ることもあります。
まとめ
このブログ記事では、梅毒の初期症状から感染経路、検査方法、治療法、予防策まで詳しく解説しました。梅毒は早期に診断し、適切な治療を受ければ完治する感染症です。特に、不特定多数の人と性行為を行う方は、定期的に血液検査を受けることが推奨されます。
予防策としては、コンドームの使用が基本ですが、感染のリスクを感じた場合には、24時間以内にドキシサイクリン(ビブラマイシン)200mgを内服することも有効です。これは、梅毒の感染を防ぐ手段として注目されています。
梅毒は早期発見と治療により恐れる必要のない病気ですが、最も危険なのは「検査をしない」という無知です。この記事を通じて、梅毒の実態とその治療可能性についての理解が深まり、より多くの人々が感染予防に積極的になることを願っています。健康管理の一環として、定期的な検査と安全な行動を心がけましょう。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。
※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。
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