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ノブコブ吉村も実践?男性更年期「男性ホルモン注射」の光と影

更新日:2025/12/25

公開日:2025/12/25

お笑いコンビ平成ノブシコブシの吉村崇さん(45歳)が、日本テレビ系番組「上田と女がDEEPに吠える夜」(2025年12月23日放送)で、自身が男性ホルモン(テストステロン)注射を打ち続けていることを明かし、大きな注目を集めています。

吉村さんは番組内で「男性更年期」という言葉に言及し、「男性ホルモンが下がったらイライラする、ダルさが出ると聞いたので、症状が出る前に打ってみようと思った」と語っています。実際、吉村さんは症状が出る前から予防的にテストステロン注射を始めたとのことで、これにはスタジオ出演者も驚きを隠せませんでした。

特に話題になったのが、吉村さん自身が明かしたテストステロン値の数値です。吉村さんによれば、「男性は20歳で男性ホルモン値が20あり、45歳ぐらいになると8になっちゃう」とのこと。この「20」や「8」という数値は、恐らく遊離型テストステロン(Free Testosterone)の値を指していると考えられます。

遊離テストステロンは血中で結合していない活性型のテストステロンで、その値は加齢とともに減少します。実際、20代男性の遊離テストステロン正常値はおおよそ20 pg/mL前後であり、40代では8 pg/mL程度が正常範囲の下限付近とされています。吉村さんが番組で語った「45歳で8」という値は、まさにその正常下限ギリギリの水準と言えます。

このブログ記事ではノブコブ吉村さんが実践した男性更年期「男性ホルモン注射」の光と影について解説します。

参照元: excite.co.jp

基準値を大幅に超える異常な数値「70」の真相とは?

 

吉村さんは番組中、「この時(45歳で8程度)にイライラするから数値を上げるために(男性ホルモンを)打ってる」と説明しつつ、「でも今、僕70あります」と、自身の男性ホルモン値が驚異的な高さに達していることを告白しました。

70という数値がもし遊離テストステロンのことだとすれば、これは20代平均値の3倍以上、同年代男性の約9~10倍近い異常高値にあたります。実際、番組では一緒に出演した医師からも「それはありすぎだと思います」と指摘されるほどの数値でした。

通常、医療的にテストステロン補充療法を行う際には、安全かつ効果的な範囲として「若年成人男性の中~中高年の正常範囲内」にホルモン値を維持することが推奨されます。専門家のガイドラインでも、治療時にはテストステロン濃度が正常範囲の中間値程度になるよう目指すべきとされています。したがって、吉村さんの「70」という値は、この推奨レンジを明らかに超えており、ホルモン値のコントロールが過剰になっている可能性があります。

なぜこのような高値になってしまったのか真相は不明ですが、考えられる要因としては次のようなものがあります。

  • 投与量または頻度の過多: 男性ホルモン注射の適切な間隔は通常2~4週間に1回とされます。必要以上に頻繁に打ったり、高容量を使用した場合、テストステロン値が異常上昇する恐れがあります。
  • 個人差: テストステロン製剤への反応は人により差があります。吉村さんの場合、想定以上に反応してホルモン値が跳ね上がった可能性も否定できません。

いずれにせよ、過剰な男性ホルモンは体に良くないことが指摘されています。テストステロン値が高すぎると、血液中の赤血球が増えすぎて血液がドロドロになる(多血症)リスクや、前立腺肥大・前立腺癌リスク増加、ニキビや脱毛症状の悪化、精神面でも攻撃性の増加などの副作用が懸念されます。また後述するように、高すぎる外部補充は体内のホルモン生成バランスを崩すため、一時的に元気になっても長期的な健康に問題を生じかねません。

参照元: academic.oup.com

LOH症候群とは?男性更年期の症状をおさらい

吉村さんが予防しようとした「男性更年期(LOH症候群)」とは、Late Onset Hypogonadismの略称で、日本語では「加齢男性性腺機能低下症候群」と呼ばれます。簡単に言えば、中高年以降に男性ホルモン(主にテストステロン)の分泌低下によって引き起こされる様々な不調のことです。女性の更年期(エストロゲンの急低下)と異なり、男性ホルモンの低下はゆるやかですが、個人差が大きく40代以降のどの年代でも起こりうるとされています。

テストステロンの減少に伴い現れる主な症状には次のようなものがあります。

  • 身体的な疲労感・倦怠感(体がだるく感じ、活力が出ない)
  • イライラしやすく情緒不安定になる(些細なことで怒りっぽくなる)
  • 性欲の低下(セックスへの関心や欲求が減退する)
  • 勃起機能の低下(ED)(勃起しにくい、維持できない)
  • 筋力や持久力の低下(筋肉量の減少、身体能力の衰え)
  • 気分の落ち込み(やる気が出ない、軽度のうつ状態)

この他にも、寝汗やほてり(ホットフラッシュ)、睡眠障害、集中力や記憶力の低下など、実に様々な不調が報告されています。個人によって現れる症状の種類や重さは異なりますが、中高年男性の「なんとなく調子が悪い」を説明できる場合があるのがLOH症候群なのです。

LOH症候群は男性の健康と密接に関わり、メタボリックシンドロームや骨密度低下、認知症リスクなどにも影響を及ぼす可能性があると研究されています。一方で、男性ホルモン値が高い人ほど健康長寿であるとの報告もあり、テストステロンは単なる性機能のホルモンに留まらず「健康長寿の鍵を握るホルモン」とも言えるでしょう。

軽度の症状なら注意!安易な「テストステロン注射」はNG

上述のように、男性ホルモンが低下してLOH症候群の症状が強く出ている場合、医療的にテストステロン補充療法(TRT: Testosterone Replacement Therapy)を行う選択肢があります。実際に、日本の診療ガイドラインでも「著しく男性ホルモンの値が低く、症状が強いときにはテストステロン補充療法を行う」とされています。保険診療ではテストステロン製剤の筋肉注射を2~4週間おきに打つ治療が認められており、症状の改善がみられるまで継続します。

しかし、筆者(テストステロン治療認定医)の立場から強調したいのは、「正常値の範囲内ぎりぎり」や「症状が軽微」な場合に安易にテストステロン注射に頼るべきではないということです。吉村さんの場合、おそらく注射開始前の遊離テストステロン値は8 pg/mL程度で正常下限付近だったと思われます。確かにこの水準ではLOH症状が出始める可能性はありますが、吉村さん本人も「症状が出る前」に打ち始めたと言及しており、うつ症状など深刻な状態には陥っていなかった可能性が高いのです。

世界的な専門家の見解も、筆者の考えと一致しています。米国の内分泌学会のガイドラインでは、「テストステロン欠乏の明確な症状・徴候があり、かつ血中テストステロン値が一貫して低い男性」に限って、初めて補充療法の適応とすべきだとしています。言い換えれば、数字がやや低いというだけでは治療を開始せず、まずは症状の有無を重視するというスタンスです。

また米国では、将来的に子どもを望む男性にはテストステロン療法を行わないよう勧告されています。なぜなら、テストステロン注射は精子の産生を抑制し、不妊のリスクを高めるためです。この点は次節で詳しく説明しますが、補充療法には効果と引き換えにリスクが伴うことを忘れてはなりません。

まとめると、本当に必要な人だけが慎重な管理のもとで受けるべきというのが一般的な医学界の方針です。吉村さんのように「これから症状が出るかもしれないから」と予防的にホルモンを打つのは、リスクと効果が見合わない可能性があります。男性ホルモン注射は「魔法の元気薬」ではなく、場合によっては体に本来備わったホルモン分泌のバランスを乱す両刃の剣であることを理解しましょう。

参照元: j-endo.jpacademic.oup.com

テストステロン注射の落とし穴:一度始めるとやめられない?

テストステロン補充療法には、知っておくべき副作用やリスクがあります。その一つが、体のホルモン産生能力の低下です。外部から男性ホルモンを補充し続けることで、身体(特に脳下垂体と精巣)は「もう充分なテストステロンがある」と判断し、自前のホルモン産生をどんどんサボるようになります。具体的には、脳が精巣へ「テストステロンを作るな」という指令を出し、精巣でのテストステロン分泌が停止してしまうのです。

その結果どうなるかというと、精巣自体が萎縮し、精子を作る能力も衰えてしまうことが分かっています。これは補充療法開始から約10週間程度で起こり得る現象であり、海外ではTRT(テストステロン療法)の代表的な副作用として知られています。治療を中止すれば徐々に回復するケースもありますが、期間が長いほど元に戻るのに時間がかかったり、完全には戻らなかったりするリスクもあります。

このように、一度テストステロン注射を始めると、自分のホルモンを自分で作れない体質になり、結局その後も注射に頼らざるを得なくなる可能性が高いのです。いわば「一生ホルモン注射が手放せない体」になってしまうわけです。吉村さんも今でこそ注射で高いホルモン値を維持できているかもしれませんが、仮にここで注射をやめてしまうと、体内のホルモンレベルは急降下し、以前よりも低下してしまう恐れがあります。それに伴い、強い倦怠感や抑うつなど、より重い更年期症状が出現するリスクも考えられます。

また前述のように、外部から高容量のテストステロンを入れることで生殖機能にも影響が及びます。精子数の著減による不妊リスクはもちろん、長期的な安全性についても議論があります。特に前立腺に関しては、テストステロン補充で前立腺肥大症状が悪化したり、潜在的な前立腺癌がある場合にそれを増悪させる可能性も指摘されています。このため、補充療法中は定期的にPSA検査(前立腺腫瘍マーカー)でチェックを受け、異常があれば泌尿器科専門医の診察を受けるようガイドラインでも推奨されています。

要するに、テストステロン注射は「必要な人に適切に行えば効果的だが、不必要な人が安易に始めるとデメリットの方が大きい」のです。吉村さんの告白は、男性更年期(LOH症候群)そのものの認知を広めたという点で意義があります。しかし同時に、「打てば元気になるからといって気軽に手を出すものではない」という重要な教訓も含まれていることを理解する必要があります。

参照元: mayukikai.jp

男性ホルモンを増やすには生活改善が第一!

では、40代でテストステロン値が下限ギリギリ(吉村さんの場合は8 pg/mL程度)だった場合、すぐに注射以外に改善の手段はないのか?答えはNO(いいえ)です。多くの場合、日常生活の工夫や改善によって、ある程度テストステロン値を回復・維持させることが可能です。日本内分泌学会も「男性ホルモンの減少はストレスや睡眠不足などの影響を受けるため、生活習慣の改善が症状回復につながります」と述べており、治療においてまず生活改善を試みることを推奨しています。

中高年男性が日常生活でテストステロン分泌を高めるコツとしては、例えば次のようなものがあります。

  • 十分な睡眠をとる: テストステロンは睡眠中に分泌されるため、毎晩しっかり眠ることが重要です。睡眠不足が続くとホルモン値は顕著に低下します。
  • 適度な運動(筋力トレーニング): 筋肉に負荷をかける運動はテストステロンを増やします。特にスクワットやデッドリフトなど大筋群を鍛える筋トレ、有酸素運動も過度でなければ有益です。
  • 栄養バランスの良い食事: 良質なタンパク質、亜鉛・マグネシウムなどのミネラル、ビタミンDなどはテストステロン生成に寄与します。牡蠣やナッツ類、緑黄色野菜を取り入れ、ジャンクフードや過度の飲酒を避けましょう。
  • ストレスの軽減: 慢性的なストレスは男性ホルモンを減少させます。適度な休養や趣味の時間を持ち、リラクゼーションやマインドフルネスで心身のストレスを和らげることも効果的です。

こうした生活習慣の見直しだけでも、多くの男性はテストステロン値の改善と症状の軽減が期待できます。実際、筋トレを始めた中高年男性が「活力が戻った」「朝の調子が良くなった」と感じるのは珍しくありません。また体脂肪を減らすこともホルモン環境に好影響を与えます。肥満気味の人は減量するだけでテストステロンが上昇するケースも報告されています。

筆者開発のサプリ「TB-1」という選択肢

TB-1サプリ

さらに、生活改善にプラスしてサプリメントの活用も一つの方法です。筆者はテストステロン治療認定医としての知見を活かし、テストステロンブースターサプリメント「TB-1」という製品を自ら開発しました。

「TB-1」(ティービーワン)は、加齢やストレスで低下したテストステロンを自然に高めることを目的に、科学的エビデンスに基づいた成分を厳選配合したサプリです。具体的には、先述した亜鉛やビタミンD3、マグネシウム、ビタミンB6・K2、さらに東南アジアで精力草とも呼ばれるトンカットアリなど、男性ホルモンを増やす効果が期待できる7種の成分が必要量だけ含まれています。

TB-1の特長は、単に成分を詰め込むだけでなくエビデンスに基づいた有効量を配合している点です。他の市販サプリではコスト面から少量しか入っていない亜鉛を一日30mgしっかり含有し、不足しがちなビタミンD3も十分量を確保しています。もちろん医薬品ではないので劇的な即効性はありませんが、継続することで緩やかに体内のテストステロン環境を整え、LOH症候群の症状緩和に役立つことを目指しています。

実際に利用者からは「朝の目覚めが良くなった」「ED気味だったのが改善した」といった喜びの声も届いています。吉村さんのように40代で遊離テストステロンが8 pg/mL程度であれば、生活習慣の見直しとTB-1のような補助的サプリの併用で、充分に本来の元気さを取り戻せる可能性があります。

筆者自身、診療の現場で多くの患者さんにまず生活改善やサプリを提案し、それでも難しい重症例にのみホルモン補充療法を検討するようにしています。その結果、注射を使わずに改善できたケースも多数経験しています。ホルモン注射は確かに強力ですが、上述したリスクもあるため、可能な限り自然な方法でテストステロンを増やす道を探るのが賢明です。

▶️ 「TB-1」サプリについてはこちら

▶️ 合わせて読みたい記事: 男性の健康を革新するテストステロンブースター:TB-1

まとめ

吉村崇さんの告白により、「男性更年期(LOH症候群)」と「テストステロン補充療法」というテーマが世間の注目を浴びました。これは、男性の加齢に伴う健康問題について理解を深めるきっかけになったという点で大いに評価できます。実際、中高年男性の中には自身の不調がLOH症候群によるものだと気づかず悩んでいる方も多く、吉村さんのような有名人の体験談は「自分だけじゃないんだ」と安心させる効果もあるでしょう。

 

しかし一方で、私たち医療者の立場からは、テストステロン注射を安易に真似してほしくないという思いも強くあります。吉村さんの場合はテレビ的なインパクトもあり極端な数値の話がクローズアップされましたが、一般の方にはぜひ冷静になって次のポイントを押さえていただきたいと思います。

  • テストステロン値は年齢とともに低下するが、正常範囲内であれば直ちに治療が必要とは限らない。症状の有無こそが重要。数字だけに振り回されないこと。
  • LOH症候群の改善は、まず生活習慣の見直しから。睡眠・運動・食事・ストレス管理でホルモン値と体調は大きく改善しうる。
  • 補充療法(注射)は最後の手段。どうしてもホルモン値が低く症状が辛い場合に、医師の管理下で慎重に行う。自己判断での使用は厳禁。
  • 一度ホルモン注射を始めると、自力での分泌が低下する。将来的な不妊リスクや一生の依存を背負う可能性がある。治療開始は将来も見据えて慎重に。

吉村さんの現在の「数値70」という状態は極端なケースかもしれません。多くの男性はそこまでしなくても、適切な対処で元の自分らしい元気を取り戻すことができます。もし「もしかして男性更年期かな?」と感じたら、ぜひ一度専門医に相談し、正しい知識を得てください。そして闇雲に注射に飛びつくのではなく、できることから段階的に試すことをお勧めします。

 

男性の健康と活力を維持するには、正しい情報に基づいた判断と行動が不可欠です。吉村崇さんの告白が話題となった今だからこそ、私たちは改めてテストステロンと上手に付き合う方法を考えていきましょう。自分の体は自分で守る――その意識があれば、きっと40代以降もいきいきとした生活を送れるはずです。

 

筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。テストステロンブースターサプリ「TB-1」の開発者。
男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。また、男性更年期障害(LOH症候群)の改善をライフワークとしている。

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