形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2025/05/10
公開日:2025/05/09

金玉の陰嚢(玉袋)に白いブツブツ(しこり状の粒)ができているのを見つけたら、驚いて不安になるかもしれません。実は、それは陰嚢石灰沈着症(いんのうせっかいちんちゃくしょう)と呼ばれる良性の皮膚の状態である可能性が高いです。このブログ記事では金玉(玉袋) にできるこの白いブツブツ「陰嚢石灰沈着症」の全容について解説します。
陰嚢石灰沈着症は英語では scrotal calcinosisとも呼ばれ、直訳すると「陰嚢のカルシウム沈着」です。その名の通り、陰嚢(玉袋)の皮膚にカルシウム(石灰)が沈着してできる硬い結節(コブ)で、多くの場合は直径数ミリから数センチ程度の白~黄白色のコブが一つまたは複数発生します。基本的に良性(がんではない)であり、悪性腫瘍に変化することもありません。
この金玉の白いブツブツは見た目には目立ちますが、実際には触っても痛みも痒みもないことがほとんどです。そのため、自分で発見しても放置してしまう人もいます。しかしセックスの際にパートナーに見られると、性病(STD)と誤解されて心配されたり敬遠されたりすることがあります。また、数が多かったり大きかったりすると陰嚢がデコボコして見た目が少しグロテスクになるため、コンプレックスになることもあります。そのような場合、たとえ健康上の害がなくても見た目を良くする目的で除去を検討する価値があるでしょう。
陰嚢石灰沈着症の主な症状は、玉袋の皮膚にできる硬いしこり(結節)です。数は1個の場合もあれば複数できることもあり、大きさも米粒大から1~2cm程度まで様々です。皮膚の浅い部分(真皮)にカルシウムが沈着しているため、触ると石のように硬く感じます。色は皮膚ごしに白っぽく見えることが多く、時に黄味がかった色調になることもあります。
多くの場合、痛み・かゆみなどの自覚症状はありません。ゆっくりと時間をかけて結節の数や大きさが増えていくことが多く、患者さん自身が「いつの間にか玉にブツブツが増えてきた」と気づくケースが典型的です。まれに、結節が非常に大きくなると陰嚢が重だるく感じることがあります。また、結節の皮膚が薄くなって破けると、中からチョークの粉や歯磨き粉のような白い乾いた物質(石灰成分)がにじみ出ることがあります。稀ですが、破れたところから細菌が入ると感染を起こし痛みや膿を伴うケースも報告されています。しかしそのような合併症は珍しく、基本的には見た目以外に健康上の問題を起こさない穏やかな病変です。
陰嚢石灰沈着症は原因不明(特発性)とも言われますが、いくつかの有力な仮説があります。血液中のカルシウム値が異常に高いわけではなく(代謝異常はない)、局所的に皮膚の中にカルシウム塩が沈着してしまう「局所性(遠位性)の石灰沈着」と考えられています。具体的な形成メカニズムについて、医学研究者の間でも議論が続いています。
一つの有力な説は、玉袋の皮膚にできる粉瘤や脂肪腫といった良性の嚢胞(袋状の腫瘍)が元になっているというものです。粉瘤は皮膚の下にできる袋状の構造物で、中に角質や皮脂が溜まる良性腫瘍ですが、玉袋にもできることがあります。粉瘤自体は柔らかいのですが、ある時点で袋が破れたり内容物が変性したりすると、体はそれを異物とみなして炎症反応が起こります。その結果、壊れた嚢胞の壁や中身が石灰化(カルシウム沈着)して硬い塊に変わってしまうというのです。実際、摘出された陰嚢石灰沈着症の結節を詳しく顕微鏡で調べると、古いものほど嚢胞の壁の一部(上皮成分)がほとんど残っておらず、カルシウムの塊とそれを取り囲む炎症細胞だけが見られることが報告されています。これは、もともと粉瘤などの嚢胞だったものが時間とともに内容が石灰質に置き換わり、袋の壁が体に吸収されてなくなってしまった状態と考えると説明がつきます。
別の説では、陰嚢の筋肉(ダルトス筋膜)や皮下組織が何らかの理由で変性・壊死し、その部分に石灰が沈着するという見解もあります。外傷や慢性的な刺激、あるいは炎症とは別のメカニズムで組織がダメージを受け、そこにカルシウムが沈着して結節ができる可能性を示唆する研究者もいます。ごく一部の報告では、ナノバクテリア(非常に小さな細菌様の粒子)の感染が皮膚に微小な石灰沈着を起こす可能性に言及するものもありますが、これはまだ仮説段階であり一般的ではありません。
歴史的には、1970年にShapiroらが14例の症例を調べ、結節内に嚢胞の壁となる上皮成分が認められないことを示し、この状態を「特発性(原因不明)陰嚢石灰沈着症」と名付けました。これは、当時考えられていた「粉瘤などが石灰化したもの」とは異なる独立した疾患であると提唱したものです。しかしその後の研究で、一部の結節には微少ながら上皮の痕跡が検出されることも報告され、現在では「粉瘤など既存の嚢胞が石灰化したものではないか」という見解が有力になっています。要するに、陰嚢石灰沈着症の正確な原因は未だ明確ではないものの、多くは皮膚の嚢胞が変化した結果生じる「嚢胞由来の石灰沈着(dystrophic calcification)」と考えられているのです。

上記:陰嚢石灰沈着症の摘出標本と組織像。左上(A)は摘出された複数の結節を切開した標本で、内部に黄色~白色の石灰質が充満している様子が分かる。右上(B)はその結節を顕微鏡で見た拡大図(皮膚の表面側は上部)で、真皮内に紫色に染まる不整形の沈着物(カルシウム塩)が見られる。右下(C,D)も顕微鏡像で、カルシウム沈着を異物とみなした肉芽腫性炎症(多数の炎症細胞や巨細胞の集まり)が確認できる。
参照元:Scrotal Calcinosis: A Comprehensive Case Report with Literature Review
陰嚢石灰沈着症そのものは健康に大きな害を及ぼさないため、治療は必ずしも必要ではありません。痛みもなく悪性化しないので、そのまま経過を観察する選択肢もあります。ただし見た目の問題やパートナーへの配慮から除去治療を希望する場合も多いでしょう。その場合の治療法は外科的に石灰化した結節を取り除くことが基本となります。残念ながら薬物療法やクリームで石灰を溶かす方法はなく、また放置して自然に消えることも期待できません。確実に除去するには手術で取り出すしかないのです。
手術の方法としては、結節の数や大きさに応じて2通りのアプローチがあります。結節の数が少ない場合や散在している場合は、一つひとつ皮膚を小さく切開して結節をくり抜く方法(個別切除)がとられます。局所麻酔下でしこりの真上の皮膚に小さな切り込みを入れ、中の石灰化物を摘出して傷口を縫合します。結節が多数におよぶ場合や広範囲に密集している場合には、皮膚ごとまとめて切除する方法(病変部の皮膚切除術)が選択されることがあります。これは石灰沈着を含む陰嚢の皮膚の一部を一括して切り取ってしまい、残った正常皮膚同士を縫い合わせる方法です。陰嚢の皮膚は伸展性が高くゆとりがあるため、ある程度大きな範囲を切除しても無理なく縫い縮めて縫合することができます。場合によっては皮膚移植などを要することも報告されていますが、多くのケースでは陰嚢皮膚の縫合のみで傷は良好に治癒し、見た目もきれいに治るとされています。
手術による治療効果は基本的に良好で再発は少ないとされています。しこりを取り残さないようにきちんと全て摘出できれば、同じ場所に再び石灰沈着ができる可能性は低いです。とはいえ体質的に粉瘤を繰り返しやすい人などでは、新たな粉瘤ができて再度石灰化してしまうケースもゼロではありません。そのため、一度手術で除去した後も定期的に経過を観察し、怪しいしこりが再びできていないか自己チェックすると安心です。
傷跡については、個別切除の場合は数ミリの線状瘢痕が結節の数だけ残り、まとめて切除した場合は比較的長めの線状瘢痕が陰嚢上に残ります。しかし玉袋はもともとシワが多い部分なので、時間が経てば傷跡はあまり目立たなくなるでしょう。

陰嚢にブツブツやしこりができる原因は、陰嚢石灰沈着症以外にもいくつか存在します。ご自身で判断するのが難しい場合もありますので、以下に間違えやすい主な疾患・症状を挙げます。
陰嚢にできることがある良性の皮膚嚢胞です。触るとやや柔らかく、中に角質や皮脂が溜まっています。炎症を起こすと赤く腫れて膿(チーズ状の内容物)が出ることもあります。長期間経過した粉瘤が石灰化することもあり、陰嚢石灰沈着症との鑑別が難しい場合もあります。基本的には粉瘤では中心に小さな黒ずんだ開口部(毛穴のつまり)が見られる点や、内容物が粥状である点が異なります。
皮脂腺由来の嚢胞で、陰嚢や胸部などに多発することがあります。中には皮脂様の油分が溜まっており、柔らかい半透明の小さな皮下結節として触知されます。石灰化はしないため白く硬くなることはありませんが、数多くできる点で陰嚢石灰沈着症と見た目が似る場合があります。
陰嚢や陰茎に多数見られる小さな黄色~白色のブツブツで、実は皮膚の脂腺が透けて見えている正常な状態です。1mm前後の小粒でびっしりと分布し、触っても特に硬さは感じません。陰嚢石灰沈着症の結節よりはかなり小さい点で区別できます。
ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症で、陰部に鶏冠状やカリフラワー状の白色〜肌色のいぼができます。柔らかく、表面がザラザラ・ギザギザしているのが特徴です。陰嚢にも発生することがあり、見た目上は陰嚢石灰沈着症の結節と紛らわしい場合がありますが、コンジローマは感染力があり増殖も速いため短期間で数や大きさが増えていきます。
ポックスウイルスの一種による感染症で、陰部や太もも周辺に半球状のつるっとした白いプツプツが多数できます。中央にくぼみがあるのが特徴で、押すと白い芯が出てきます。子供に多いですが、大人でも性行為でうつることがあります。基本的には小さく柔らかいので、硬い石灰沈着症とは区別できます。

まとめ
陰嚢にできる白いブツブツの正体、「陰嚢石灰沈着症」について解説しました。見た目こそ驚くかもしれませんが、基本的には体に害のない良性の皮膚変化です。症状がなければ必ずしも治療の必要はありませんが、見た目の改善や誤解防止のために手術で取り除くことも可能です。原因は完全には解明されていませんが、現在の研究では皮膚の嚢胞が石灰化したものと考えられています。陰嚢や陰茎などデリケートな部分の異常は、人に相談しにくく不安も大きいものです。
しかし適切に対処すれば心配のいらないケースも多いので、ぜひ専門医に相談してみてください。自分の体を知り、正しくケアして、パートナーとも安心して過ごせるようにしましょう。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。
※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。
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