形成外科・泌尿器科・性病科
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更新日:2024/06/06
公開日:2024/06/06

早漏の原因は多岐にわたりますが、亀頭や陰茎が物理的な刺激に過敏な場合、局所麻酔薬を用いて感度を鈍くする治療法が古くからあります。この治療法の一つとして使用される塗り薬の代表格が「トノス」です。トノスはペニスの感度を一時的に鈍らせることで、射精を遅らせる効果があります。しかし、「ペニスに麻酔薬を塗っても本当に安全なのか?」、「どのような副作用があるのか?」など、多くの疑問を抱く方も少なくないでしょう。本ブログ記事では、早漏治療に用いられる麻酔クリームや外用薬の効果と副作用について詳しく解説します。また、日本国内で広く使用されているトノスに焦点を当て、その具体的な使用方法や限界点についても掘り下げていきます。
トノスは、大東製薬工業株式会社によって1964年に日本で初めて早漏治療薬として発売された、長い歴史を持つ製品です。現在のトノスには、有効成分としてテストステロン(男性ホルモン)、アミノ安息香酸エチル(局所麻酔薬)、プロカイン塩酸塩(局所麻酔薬)、ジブカイン塩酸塩(局所麻酔薬)、およびジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン剤)が含まれています。テストステロンは男性更年期障害(LOH症候群)に対して効果を持つ一方、早漏治療としての主な効果は3種類の局所麻酔薬により得られます。これらの麻酔薬は、ペニスの感覚を一時的に鈍らせることで射精を遅らせる効果があります。トノスに関する特定の医学論文は見つかりませんでしたが、局所麻酔薬を含むクリームを用いた早漏治療に関する複数の研究がありますので、これについて紹介します。
局所麻酔薬を用いた早漏治療は、多くの研究によってその効果が確認されています。以下に、主要な研究結果と使用方法について詳しく説明します。
■リドカイン・プリロカイン5%クリーム
局所麻酔薬の代表例として、リドカイン・プリロカイン5%クリームがあります。このクリームは、陰茎の感覚を鈍らせることで射精を遅らせる効果があります。性交の20~30分前に陰茎に塗布し、その後コンドームを使用することで、早漏男性の射精遅延効果が報告されています。また、30~45分の長時間塗布によって勃起が消失する可能性があることも示されています。麻酔クリームの使用により、男性とそのパートナーの両方の性器感度が低下する場合があり、これが反復使用を制限する一因となっています。
リドカイン・プリロカインクリームを30~60日間使用した結果、特に陰茎過敏症が原因と思われる場合において、平均膣内射精潜伏時間(IELT)が有意に増加することが明らかになっています。しかし、副作用として、30分以上の射精遅延、陰茎感受性の低下、陰茎の炎症、パートナーの膣の感受性低下などが報告されています。
■リドカイン・プリロカイン・スプレー
TEMPEまたはPSD502といった商品名で販売されているスプレータイプの局所麻酔薬は、リドカインとプリロカインの混合製剤です。1回のスプレー噴霧で7.5mgのリドカインと2.5mgのプリロカインが噴き出し、5分以内に効果が現れます。このスプレーは、早漏患者のIELTと性的満足度の改善に有効であることが確認されています。角化上皮を透過しないため、主に亀頭を麻酔し、全身的な副作用はなく、局所的な副作用の発生率も低いとされています。
出典元:
An update on the treatment of premature ejaculation: A systematic review
局所麻酔薬は、早漏治療において広く使用されており、その有効性が多くの研究で確認されています。トノスなどの薬剤は、ペニスの感覚を鈍らせることで射精を遅らせる効果があります。
■効果の持続時間
トノスは性行為の約20~30分前に塗布され、効果は30〜60分持続します。一方、リドカイン・プリロカインを含む局所麻酔薬スプレー(例:TEMPEまたはPSD502)は、トノスよりも麻酔薬の濃度が高いため、性行為の5~15分前に使用します。これにより、即効性が期待されます。使用前には、各商品の使用上の注意をよく読むことが重要です 。
■臨床試験の結果
多数の臨床試験が行われており、局所麻酔薬が射精遅延効果を有することが確認されています。具体的には、平均膣内射精潜伏時間(IELT:膣内挿入から射精までの平均時間)が有意に延長されることが示されています。トノスやリドカイン・プリロカインスプレーの使用により、早漏男性の射精遅延が確認されており、これらの製品は実際の臨床環境でも高い効果を示しています。

出典元:大東製薬工業株式会社
■適用タイミング
性行為の約20~30分前に、亀頭に約0.1g(小豆大)を塗布します。適切なタイミングでの使用が、効果的な射精遅延に繋がります。
■適用方法
亀頭、特に亀頭冠およびその周辺にしっかりとすり込むように塗布してください。均等に広げることで、効果がより高まります。塗布後は、手をよく洗うことをお勧めします。
■効果の管理
麻痺感が強くなりすぎた場合は、石鹸と水で薬剤を洗い落としてください。過度の麻痺感は勃起力の低下を招くことがあるため、適量を守ることが重要です。

局所麻酔薬を使用した早漏治療にはいくつかの限界が存在します。以下に、その主なポイントを詳しく説明します。
■感覚の鈍化
局所麻酔薬の過剰使用は、ペニスの感覚を過度に鈍らせる可能性があります。これにより、性交時の快感が大幅に減少し、性的満足度が低下することがあります。
■パートナーへの影響
麻酔薬がパートナーに移行することで、パートナーの感覚も鈍化する可能性があります。これにより、パートナーの性的快感が減少し、二人の性的満足度が低下することがあります。このリスクを避けるために、コンドームを使用することが強く推奨されます。コンドームを使用することで、麻酔薬の移行を防ぎ、双方の感覚を保護することができます。
■使用回数と依存性
局所麻酔薬の継続的な使用は、一部の男性において心理的依存を引き起こす可能性があります。薬の使用なしでは満足な性交ができないと感じるようになるリスクがあります。
■副作用とアレルギー反応
一部のユーザーでは、局所麻酔薬に対するアレルギー反応が起こることがあります。皮膚の赤み、かゆみ、発疹などが現れる場合があり、そのような場合は使用を中止し、医師に相談することが必要です。
■根本的な治療にはならない
研究結果からも明らかであるように、トノスなどの局所麻酔薬は射精までの延長させる効果があります。しかし、その効果は個人差が大きく、すべての使用者に一様に現れるわけではありません。局所麻酔薬は、一時的にペニスの感覚を鈍らせることで射精を遅らせるものであり、使用時のみ効果が発揮されます。つまり、薬の効果が切れると、射精のタイミングは元に戻るため、根本的な治療とは言えません。
早漏を根本的に改善するためには、局所麻酔薬に頼るだけでは不十分です。持続的な改善を目指す場合、以下のような他の治療法も検討する価値があります:
包茎手術: 包茎が原因で感度が高まりやすい場合、包茎手術が効果的な場合があります。
亀頭強化治療: 亀頭の感度を鈍らせるためのフィラーなど注射剤を亀頭に注入します
トノスなどの局所麻酔薬を用いた早漏治療に関して、他の薬との併用については以下のポイントを考慮する必要があります。
■プリリジーとの併用
プリリジーなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は早漏治療に有効とされている内服薬であり、射精遅延効果があります。代表的なSSRIにはプリリジー(ダポキセチン)があります。
併用の有効性: 局所麻酔薬とSSRIの併用は、単独での使用よりも効果的であることが多く報告されています。
注意点: 併用による副作用の増加に注意が必要です。特に、過度の感覚鈍化や性機能の低下などが懸念されます。
■PDE5阻害薬との併用
PDE5阻害薬(バイアグラ、シアリスなど)は、勃起不全(ED)の治療に使用される薬剤ですが、早漏治療にも有効であるとされています。
併用の有効性: PDE5阻害薬と局所麻酔薬の併用は、勃起機能の改善と射精遅延の効果を同時に得られるため、特にEDを伴う早漏患者にとって有用です 。
まとめ
トノスなどの局所麻酔薬は、早漏治療の有効な選択肢として広く認識されています。臨床試験の結果も良好で、多くの男性にとって有用な治療法です。しかし、これらの薬剤は根本的な治療ではなく、その場しのぎの対策です。長期的な改善を目指す場合は、包茎手術や亀頭強化治療などの他の治療法を検討することが重要です。また、正しい使用方法を守り、副作用や限界点についても理解しておく必要があります。このブログ記事が早漏で悩む方にとって役立つ情報となることを願っています。
筆者:元神 賢太
青山セレスクリニック/船橋中央クリニック院長/医療法人社団セレス理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医・包茎治療・ペニス治療として20年以上のキャリアがある。リパス、リパスGの命名者であり、日本の第一人者。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。
※リパス、リパスGは医療法人社団セレスの商標登録です。
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